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健康まめ知識

特定保健用食品(トクホ)とは?保健機能食品の基礎知識(2019年8月)

 

健康的な生活習慣を保つために役立てられる保健機能食品。不足しやすい栄養素を補ったり、健康維持の一環として取り入れたりすることで、すこやかなライフスタイルの維持につながるのが特徴です。今回は、よく耳にする「トクホ」をはじめとした、保健機能食品の基本的な情報についてお伝えします。

 

◆保健機能食品とは?

市販されている商品のパッケージで、「血圧が高めの方に」といった表示を見かけたことがないでしょうか?このように、摂取することで何らかの機能が期待できる食品は「保健機能食品」と呼ばれます。

 

保健機能食品には、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」という3つの種類があります。これらの保健機能食品は、安全性や有効性において国が定めた基準を満たし、国の制度に基づいて表示が行われています。

 

よく「トクホ」と略して呼ばれているのは、特定保健用食品です。国によって商品の審査が行われ、消費者庁の承認を受けられれば、期待できる効果をパッケージに表示することが認められます。人間のイラストのようなマークがつけられているのが特徴です。

 

「栄養機能食品」とは、栄養成分が含まれている食品を指します。トクホのように審査や承認はありませんが、基準を満たしている商品であれば、パッケージに指定された通りの表示ができるようになります。

 

それに対して「機能性表示食品」は、科学的根拠をもとに機能性が表示できる食品のことです。消費者庁に安全性や機能性についての届け出が必要ですが、国による審査は行われません。企業の責任のもとで表示されています。

 

3つの保健機能食品のなかでも、国の審査を受け、かつ消費者庁からの承認を受けているのは、特定保健用食品(トクホ)のみです。パッケージの機能表示をもとに判断しながら、食品を日頃の健康維持にお役立てください。

 

◆保健機能食品の注意点

保健機能食品について注意しておきたいのは、これらが食品であり、医薬品ではないということです。保健機能食品は、病気にかかっていない人が利用することを想定した商品であるため、病気の治癒や予防などの目的で利用されることはありません。

 

すでに医療機関で治療中の病気がある方や、服用している医薬品がある方は、保健機能食品を摂取する前に医師や薬剤師などの専門家への相談が必要となります。医薬品との飲み合わせに影響をおよぼすおそれもあるため、事前に確認しておきましょう。

 

そもそも、このような保健機能食品の制度が定められたのは、あたかも健康効果が得られるかのように表示する食品が流通し、消費者を混乱させるのを防ぐためです。これを踏まえて、特定の機能が期待できる食品を賢く健康に役立てることが大切だといえます。

 

◆保健機能食品の上手な活用方法

健康に対するさまざまな機能が期待されている「保健機能食品」ですが、あくまでひとつの食品として日頃の食生活に取り入れて活用しましょう。健康を保つためには、基本的にすこやかな食生活や運動習慣を徹底することが必要です。

 

たとえば、病気ではない血圧がやや高めの方が、「特定保健用食品(トクホ)」の商品だけで体質の改善につなげようとするのは、適切ではありません。普段の食事で塩分を控えたり、運動する習慣をつけたりしたうえで、トクホの商品を活用しましょう。病気にかかっている方の場合は、医師の指示に従って医薬品を服用したり、トクホの商品を摂取しても問題がないか確認したりと、初めに医療機関で指導を受けることが大切です。

 

また、保健機能食品はたくさん摂取するほど高い効果が期待できるというわけではありません。商品には1日に摂取する量の目安が書かれているため、この範囲内で取り入れることをおすすめします。保健機能食品を活用しながら、健康増進に努めましょう。

 

2019年08月01日