画像

健康まめ知識

ドライアイに要注意!“やりすぎ”アイメイクに潜む病のリスク(2016年5月)

イラスト若い女性を中心に大人気のアイメイク。鮮やかで華やかなその姿からは、目の周囲をきれいに、またはかわいらしく魅せるための工夫と努力が垣間見られます。しかし、その方法には危険な落とし穴も隠れていることを知らなければなりません。そこで今回は、行きすぎたアイメイクがもたらす病や症状と、その具体的な対策、また目の性質と周辺部分の働きについて詳しくご説明します。健やかな生活の中で気持ちよくメイクを続けていただくためにも、ぜひご一読ください。

 

◆目の周りのメイクには、こんな危険がある

目の縁を際立たせるアイライン。その手法は、アイシャドーを目の内側に深く濃く入れ、美しさを引き立たせるといったものです。特に、目をぱっちり大きく魅せるためのアイラインは、「インサイドライン」と呼ばれ、まつ毛の生え際の奥や、粘膜の部分まで色をつけていきます。ここまで深くラインを入れると、化粧品の成分が目に入ったり、粘膜に付着したりするなどのリスクも考えられます。

 

イラストまた、まつ毛の上から人工のまつ毛を付け足していく「まつ毛エクステンション(まつ毛エクステ)」にも、トラブルの元になるリスクが潜んでいるので注意が必要です。まつ毛エクステとは、美容師の資格を持つ施術者が専用の接着剤を使ってまつ毛を貼り付けていく手法のこと。経験のある女性ならこの施術がいかに高度な技術が必要か、お分かりでしょう。

 

まつ毛エクステは、まぶたから1~2ミリの間隔でまつ毛を取り付けていきますので、難易度の高さから施術の失敗による被害やトラブルなどが多数報告されています。国民生活センターによると、まつ毛エクステを経験した女性のうち、4人に1人が目やその周辺などに痛みやかゆみなどの異常を訴えたとのことです。

 

◆アイメイクするときに注意したいマイボーム腺

次に、目の周辺にある機能やその働きについてご説明します。私たちの目は、通常、油脂成分の保護膜がかかっており、この機能が涙の蒸発を防ぎ、一定の水分を保っているといえます。

 

この眼球を覆う保護膜は、マイボーム腺とよばれるまつ毛の生え際にある器官によって形成されます。マイボーム腺には数十個の分泌腺があり、そこから油脂成分が分泌されるという仕組みです。

 

しかし、この部分に不純物などが入って穴がふさがれると、涙の蒸発を防ぐ油脂の供給がストップしてしまいます。これがドライアイの原因となり、目の渇きや充血などの症状に見舞われるのです。

 

アイメイクでまつ毛の内側にアイラインやアイシャドーを施すと、マイボーム腺に化粧品の成分が付着し、油分を分泌するという重要な働きが損なわれることになってしまいます。ドライアイから目を守るには、まつ毛の内側までメイクを施すようなきわどい手法は避け、できるだけ外側部分にとどめるよう注意してください。

 

◆誰でも簡単にできる目のケア

図最後に、手軽にできる目のケアについてもお伝えしておきましょう。目の働きに重要なマイボーム腺のケアポイントは、目を温め、清潔を保つことです。この方法は、入浴の際のシャワーを浴びるときに試すと効果的。目を閉じて、まぶたの上から適温のシャワーをあててください。温めた後、軽くまぶたをマッサージするとより効果的です。この際、目を痛めないようやりすぎには注意して、やさしくほぐすようにしましょう。

 

◆アイメイクは、目を痛めない範囲で

目とはとてもデリケートで、過敏な器官です。そこに化粧品など、化学成分の入った異物が混入すれば、大変な事態になることは想像に難くありません。美しいメイクも、健康な体があってこそ生きるもの。目の働きと病のリスクに留意して、健全なメイクアップを心がけましょう。

2016年05月10日