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健康まめ知識

女性だけとは限らない夏の冷え症。予防は冷房対策から(2016年8月)

mame1607_001の暑さに負けて、つい冷房を強めに設定してしまう。そんな毎日をお過ごしのあなたに注意してほしいのが、冷え症です。冷え症は冬にこそ多い症状として知られますが、エアコンの効き過ぎた部屋で過ごすと、女性ばかりか男性が冷え症になるケースも。冷房を付けない日はない、というこの時期こそ、冷え症に対する理解と対策が必要です。

 

◆夏の冷え症の原因

熱い夏の盛りに、エアコンは欠かせません。しかし、ガンガンに冷えた部屋にずっといると、自分では気づかないうちに、体の中で変調が起きてしまいます。自律神経の乱れから来る冷え症がそれです。

 

気温も上昇する季節になると、私たちの体は血管を広げることで体内に蓄積された熱を外に放出させます。この時、働くのが副交感神経。しかし、エアコンからの冷風を浴びて体が冷えると、交感神経が働いて血管を収縮させ、熱が外へ逃げないように働きます。この2つの自律神経の逆作用によって血流が悪くなり、体の冷えを起こしてしまうのです。この状態が続くと自律神経の機能が低下、体温の調節も困難となり、夏場に限らず、年間を通して冷え症に悩まされることになります。

 

◆男女問わず増えてきた冷え症

・女性の冷え性

冷え症といえば女性が多いのが特徴です。なぜ女性に多いのかといえば、脂肪に対して筋肉が少ないという、体の構造上の問題があります。

 

脂肪は、一旦体が冷えると体の中に抱えこんでしまうという特徴をもっています。逆に筋肉は、熱を発生しやすい特質をもっていて、脂肪より筋肉の多い男性は冷えに強いという体質です。このような体の仕組み上の違いにより、冷え症に悩まされる女性が多いといえるでしょう。

 

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・男性の冷え症

しかし最近では、男性の冷え症も増えています。それを誘発するのが夏のエアコンです。自分たちの体は冷えやすいということを知っているため、女性は冷房の効いた部屋でも厚手の服を着てしっかりと対策をとります。

 

それに対し、男性は冷房による冷え症に対しては無防備です。先述したように、筋肉の多い男性は熱に弱いため、ついエアコンを強めに設定しまいがちです。さらに、女性のように冷え性に対する理解不足のため、先ほど説明した自律神経の乱れを起こして冷え症を引き起こしてしまうのです。冷え症は、決して男性も無縁ではないことを知る必要があるでしょう。

 

◆冷房による冷え症を防ぐには

冷房による冷え症を防ぐには、室内の温度設定に気を配り、冷房から身を守る服装で対策をとりましょう。以下にその方法をご紹介します。

・設定温度は25℃前後を目安に

まず、室内温度に気を配りましょう。理想的なエアコンの設定温度は、「外の気温マイナス3℃~4℃」です。しかし、それでも体で冷えを感じたら、温度を上げるなど調整してください。また、ずっとエアコンをつけた状態はよくありませんので、適度に外に出て外気に触れたり、窓を開けて外の空気を取り入れたりするなど、体がエアコンに慣れすぎないよう注意しましょう。

 

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・お腹や足首を冷やさない

冷房の効いた部屋の中で過ごすとき、体の特定部分を極度に冷やさないことが大切です。とくにお腹や下半身を冷やさないよう、座っているときは膝掛けをし、お腹には腹巻きなどを当てると効果的。お腹を温めると全体の体温が上昇するので、腹巻きは冷房対策に有効といえるでしょう。

 

・軽いストレッチ

仕事の合間、オフィスでできる軽いストレッチもまた、冷え症対策に効果的です。例えば手のストレッチ。まず、左右の手のひらをクロスして組み合わせます。そして右手で左手を外側へ反らし、3秒間待ちましょう。左右組み替えても同じことをやります。この行為を5回繰り返すだけで、冷え症を防ぎ、適度な体温維持につながるでしょう。

 

夏に欠かせない冷房も、頼りすぎると体調に大きな変化を及ぼします。体が本来もっている機能を失わないためにも、日常の生活でできる冷房対策をしっかり立てることで、健康体のまま夏を乗り切ってください。

2016年08月05日