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健康まめ知識

ビールの季節にご用心。ビール腹=メタボリックシンドローム!?(2007年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
ビールの季節にご用心。ビール腹=メタボリックシンドローム!?
 梅雨が明けたらいよいよ夏本番、よく冷えた生ビールのおいしい季節です。中年男性に多い、お腹まわりを中心に恰幅のいい体型を「ビール腹」と称したものですが、ここ最近はもっぱら「メタボ」なお腹と呼ばれるようになりました。今回は、成人病をはじめとする様々な病気の危険因子である内臓脂肪の蓄積、いわゆる「メタボリックシンドローム」についてお話します。
 
     

 

メタボリックシンドロームとは?
 
 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(インスリンの働きの低下)が起こり、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の危険因子が一個人に集積している状態を指します。高コレステロールに匹敵する強力な危険因子として、近年世界的に注目されています。
 
 
メタボリックシンドロームの診断基準
 

メタボリックシンドロームの診断は、必須条件である内臓脂肪の蓄積を『ウエスト径』で判定し、成人男性なら85cm以上、女性なら90cm以上を基準値*としています。さらに、血圧や血清脂質、血糖値の3つの基準値のうち、2つ以上を満たすと「メタボリックシンドローム」と診断されます。

各項目の基準値はこちらの表で確認してください↓

「食と健康」脂肪をためない食生活―メタボリックシンドロームにならないために―
https://imc.or.jp/column/syoku0704.html

*ウエスト径:男性85cm以上、女性90cm以上は、内臓脂肪面積100cm2以上に相当するとの判断ですが、正確な内臓脂肪蓄積の診断には腹部CT検査により内臓脂肪量を測定することが望まれます。

メタボリックの改善には、ウエスト径の5%減を目標に!
 
メタボリックシンドロームの治療は、糖尿病や高血圧、高脂血症などの病態を個々に治療するのではなく、共通の基盤である内臓脂肪を減少させることがポイントです。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて減少するのが速いため、少しの減量で削減効果が期待できます。

そこで、現在のウエスト径、もしくは体重の5%減を目標に、内臓脂肪の削減に努めましょう

 
ウエスト径を減らすポイント
食事は腹八分、間食はしない
 

バランスのよい食事と、食べ過ぎないこと。総摂取カロリーを減らすよう努めましょう。

料理の味付けは薄味で
 

濃い味付けは塩分の摂り過ぎだけでなく、食欲を増進させて食べすぎを招きます。

繊維質の多い緑黄色野菜をよく食べる
 

内臓脂肪が蓄積している人の食生活には、緑黄色野菜の摂取が少ないという特徴があります。バランスを整えるためにも、野菜を積極的に摂りましょう。

適度な運動をする
 

摂取エネルギーを控えるとともに、適度な運動は内臓脂肪を減少させる有効な手段です。一般の肥満治療と同じく習慣的に継続させることが大切なので、徒歩での移動を心がけるなど、日常生活から変えて行きましょう。

お酒は控えめに
 

ビールのおいしい季節ですが、ビールだけでなくアルコールは総じて脂肪に変わりやすいもの。おつまみも高カロリー、濃い味のものが多くなりがちなので、飲みすぎ・食べすぎには注意しましょう。

タバコも控える
 

内臓脂肪型肥満の人には、喫煙者の割合が多いという特徴もあります。喫煙は動脈硬化性疾患の危険性をいっそう高めるので、禁煙に努めましょう。

   
 
  厚生労働省の平成16年国民健康・栄養調査によると、40~74歳において、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームか、その予備群であることが報告されました。また、子供にもその輪は広がっており、約10人に1人が肥満児であるといわれ、子供の肥満の約7割は成人肥満に移行するともいわれています。

肥満や生活習慣病、どんなケースでも、やはり一番はバランスの取れた食事と適度な運動、つまり生活習慣の改善がポイントです。夏場はアイスやジュースなど糖質の摂取が増えたり、食欲がないために栄養バランスが偏りがちな季節。いつもより更に注意して、ビール腹をスリムにしていきましょう。

 

 

 

2007年07月28日