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健康まめ知識

「寒暖差疲労」とは?春先の気温変化による不調を防ぐ対策とケア(2025年3月)

冬から春への季節の変わり目は、朝晩の冷え込みと日中の暖かさの差が大きくなり、知らず知らずのうちに体へ負担がかかります。「最近なんだか疲れが取れない」「頭痛や肩こりがひどい」と感じていませんか? それ、寒暖差疲労が原因かもしれません。本記事では、寒暖差疲労の原因や症状を解説し、日常でできる予防法やセルフケアの方法を紹介します。

◆寒暖差疲労とは?原因と主な症状

寒暖差疲労とは、気温の変化が激しいことで自律神経に負担がかかり、体調不良を引き起こす状態のことです。とくに冬から春にかけては、朝晩と日中の気温差が大きくなり、体温調節のために自律神経が頻繁に働くことで疲労が蓄積されやすくなるでしょう。

自律神経には、活動時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があります。寒暖差が激しいとこの切り替えがうまくいかなくなり、血流の悪化や体温調節機能の乱れにつながるおそれがあります。その結果、以下のような症状が現れることがあるため注意しましょう。

  • 倦怠感や疲れやすさ:休んでも疲れが取れにくい
  • 頭痛や肩こり:血流が悪くなり、筋肉が緊張する
  • 冷えやむくみ:手足が冷たくなり、むくみやすくなる
  • めまいや立ちくらみ:血圧の変動によって起こる
  • イライラや気分の落ち込み:自律神経の乱れによるストレス増加

「なんとなくだるい」「風邪っぽい」と感じることが多いですが、寒暖差疲労は適切な対策をとることで軽減できます。

◆寒暖差疲労を防ぐための生活習慣

寒暖差疲労を防ぐには、自律神経への負担を減らし、体の適応力を高めることが大切です。日常生活の中でできる対策を取り入れましょう。

◎服装の工夫(重ね着で温度調整)

気温の変化に対応するために、重ね着を活用しましょう。薄手のインナーにカーディガンやジャケットを重ねると、暑いときに脱いで調整しやすくなります。とくに首元や手首、足首を温めることで、体全体の冷えを防ぐことができます。

◎適度な運動で血流を促す

軽いストレッチやウォーキングなどの運動を習慣づけると、血流が改善され、自律神経の働きが整いやすくなります。とくに、朝の軽い運動は交感神経のスイッチを入れ、体温調節機能をスムーズにするのに役立ちます。

◎湯船につかる習慣をつける

シャワーだけで済ませず、湯船につかることで体をしっかり温めましょう。38~40℃のぬるめのお湯に10〜15分ほどつかると、副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。

◎良質な睡眠を確保する

自律神経のバランスを整えるには、十分な睡眠が欠かせません。就寝前のスマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えることで、深い眠りにつきやすくなります。寒暖差疲労を防ぐために、睡眠の質を意識しましょう。

◆寒暖差疲労を和らげるおすすめの食事と飲み物

寒暖差疲労を軽減するには、食事からもアプローチすることが大切です。体を温める食材や自律神経を整える栄養素を意識的に摂り、負担を軽減しましょう。

◎体を温める食材

冷えを防ぎ、血流を促す食材を積極的に取り入れることで、寒暖差に適応しやすくなります。
・生姜:体を内側から温める効果があり、冷え対策に最適
・根菜類(人参・大根・ごぼうなど):消化に時間がかかり、体温を維持しやすい
・発酵食品(味噌・納豆・ヨーグルトなど):腸内環境を整え、自律神経の安定をサポート
これらの食材をスープや鍋料理などに取り入れると、温かい食事で体を冷えから守ることができます。

◎自律神経を整える栄養素

寒暖差で乱れがちな自律神経をサポートする栄養素を意識して摂取しましょう。
・ビタミンB群(豚肉・大豆・卵など):エネルギー代謝を助け、疲労回復を促す
・マグネシウム(ナッツ類・海藻・バナナなど):神経の興奮を抑え、リラックス効果を高める
・トリプトファン(乳製品・バナナ・大豆製品など):セロトニンの材料となり、ストレス緩和に役立つ
これらをバランス良く取り入れることで、自律神経の働きをサポートできます。

◎カフェインを控えてリラックス効果を高める

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは交感神経を刺激し、寒暖差疲労を悪化させる可能性があります。寝る前はカフェインの少ない飲み物を選ぶのがおすすめです。
・白湯:内臓をじんわり温め、リラックス効果を高める
・ハーブティー(カモミール・ルイボスなど):自律神経を整え、安眠をサポート
・生姜湯:血行を促進し、冷えを防ぐ
飲み物を工夫するだけでも、寒暖差疲労の軽減につながるので、日常的に取り入れてみましょう。

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寒暖差疲労は、日常のちょっとした工夫で予防・改善できます。体を冷やさない服装や生活習慣を心がけ、バランスの良い食事を摂ることで、自律神経を整えることが大切です。もし、慢性的な疲労や強い倦怠感が続く場合は、医療機関に相談するのも一つの手。寒暖差に負けず、快適な春を迎えるために、今からしっかり対策をしていきましょう!

2025年3月