
毎晩のいびきがひどく、家族やパートナーの睡眠を妨げてしまうことに悩んでいませんか? 実は、いびきは単なる音の問題ではなく、健康状態や睡眠の質に深く関わる重要なサインです。原因を正しく理解し、適切な対策をとることで、いびきを軽減し快適な睡眠環境を取り戻すことが可能です。本記事では、いびきの原因から日常生活での改善方法、さらには専門的な治療について解説します。まずはいびきのメカニズムとその健康への影響について見ていきましょう。
◆いびきはなぜ起こる?主な原因と体への影響
いびきは、睡眠中に気道が狭くなり、空気が通る際に振動することで発生する音です。いびき自体は珍しいものではありませんが、その原因や頻度によっては健康リスクを引き起こす可能性があります。ここでは、いびきの主な原因と体への影響について見ていきましょう。
◎気道が狭くなる原因
いびきの原因はさまざまですが、とくに以下の要因が関係しています。

・肥満
体重の増加により、首回りに脂肪がつくと気道が圧迫されやすくなります。
・睡眠時の姿勢
仰向けで寝ると舌や喉の筋肉が後方に落ち込み、気道を狭めることがあります。
・加齢
年齢を重ねると筋肉が衰え、気道の柔軟性が低下しやすくなります。とくに女性の場合、年齢とともに女性ホルモンの分泌量が減り、いびきをかきやすくなるといわれています。
・鼻づまりやアレルギー
鼻の通りが悪いと、口呼吸をすることでいびきをかきやすくなります。
◎健康への影響
いびきが継続的に続く場合、体に以下のような影響を及ぼす可能性があります。
・睡眠の質の低下
自分だけでなく周囲の人の睡眠を妨げることで、疲労感や集中力の低下を招くことがあります。

・睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク
いびきは、気道が完全に塞がる睡眠時無呼吸症候群の初期症状である場合があります。これにより酸素不足や心疾患のリスクが高まることがあります。
・日中の眠気
睡眠の質が低下することで日中の眠気が強くなり、仕事や運転などに支障をきたす可能性があります。
◆いびきを改善する生活習慣とセルフケア方法
いびきは生活習慣の見直しやセルフケアで改善できる場合があります。軽度のいびきであれば、日常の取り組みで大きな変化をもたらすことも可能です。ここでは、いびきを予防・軽減するための具体的な方法を紹介します。
◎健康的な体重を維持する
肥満はいびきの主な原因の一つです。体重を適正範囲内に維持することで、首回りの脂肪が減り、気道の圧迫が軽減されます。バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物、タンパク質を中心とした食生活を続けましょう。また、有酸素運動や筋トレを日常に取り入れることも効果的です。
◎睡眠環境を整える
快適な睡眠環境を作ることで、いびきの発生を抑えることができます。仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、横向きで寝る習慣をつけるとよいでしょう。抱き枕を活用するのも一つの方法です。また、寝室の湿度が低いと喉の粘膜が乾燥していびきにつながることがあります。加湿器を使って湿度を40~60%に保つことを意識しましょう。
◎アルコールや喫煙を控える

アルコールは喉の筋肉を弛緩させ、気道を狭める原因になります。とくに、寝る前の飲酒は控えるようにしましょう。また、喫煙は気道に炎症や腫れを引き起こし、いびきを悪化させる要因となります。禁煙を目指して、少しずつ改善することが重要です。
◎睡眠習慣を改善する
十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を送ることで、いびきのリスクを軽減できます。就寝時間と起床時間を一定に保つことで体内時計を整え、より深い睡眠を得られるようにしましょう。また、寝る前にスマホやパソコンの使用を控え、読書や軽いストレッチなどでリラックスする時間を作ると効果的です。
◎いびき軽減グッズを活用する

市販のいびき軽減グッズも役立つ場合があります。たとえば、鼻腔を広げて空気の通りを良くする鼻腔拡張テープや、自分に合った高さの枕を選ぶことで気道を確保し、いびきを軽減できます。
◆いびきがひどい場合は要注意!医療機関での対策

いびきが慢性的で大きな音を伴う場合、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が原因の可能性があります。この状態は、高血圧や心疾患のリスクを高めるため注意が必要です。医療機関では、睡眠ポリグラフ検査や内視鏡検査で原因を特定し、症状に応じてCPAP療法やマウスピース、必要に応じて手術が行われます。
日中の強い眠気や無呼吸を家族に指摘された場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが健康リスクの軽減につながります。
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いびきは単なる寝ている間の音と捉えられがちですが、放置すると健康に悪影響を及ぼす場合があります。軽度の場合、生活習慣の見直しやセルフケアを通じて改善を目指せるケースも多いです。しかし、慢性的で深刻ないびきの場合は、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている可能性もあります。早めに医療機関を受診し、専門的な治療を受けることで健康リスクを軽減できます。いびきに悩んでいる方は、まず自身の生活を見直しつつ、必要に応じて適切なサポートを受けることが重要です。快適な睡眠と健康な体を手に入れるために、一歩踏み出してみましょう。