6月は熱中症に要注意!梅雨時期に潜むリスクと予防法(2025年6月)

6月はまだ夏本番ではないと思われがちですが、実は熱中症のリスクがじわじわ高まる要注意の時期です。梅雨による高湿度が体温調節を妨げ、知らないうちに体が危険な状態になることも。本記事では、6月に潜む熱中症のリスクと、今すぐ始めたい予防法をわかりやすく解説します。
◆6月に熱中症が起こりやすい理由
熱中症といえば真夏のイメージが強いかもしれませんが、実は6月も発症リスクが高い時期です。とくに注意が必要なのは、梅雨時の高湿度と気温の上昇が重なるタイミングです。

まず、6月は気温が急激に上がる日が増え、体が暑さに慣れていない「暑熱順化(しょねつじゅんか)」ができていない状態といえます。このため、汗をかいて体温を調節する能力が不十分で、熱が体にこもりやすくなります。
さらに梅雨時は湿度が非常に高く、汗が蒸発しにくい時期です。汗がうまく蒸発できないと、体温を効果的に下げられず、体に熱がたまりやすくなります。実際、曇りや雨の日でも室内や通勤時に熱中症を発症するケースが多く報告されています。
また、6月はまだ熱中症対策への意識が低く、こまめな水分補給や服装の工夫が後回しにされがちです。その結果、気づかないうちに脱水が進行し、体調不良につながる危険性があります。
このように、「気温」「湿度」「油断」の三拍子がそろう6月は、熱中症への注意が必要な時期なのです。
◆熱中症の主な症状と初期サイン
熱中症は進行具合によって症状が変化しますが、初期段階で気づき適切に対処すれば重症化を防げます。ここでは、早期に気づきたい「初期サイン」と、見逃してはいけない主な症状について解説します。

◎初期サイン①:めまいや立ちくらみ
初期サインとしてもっとも多いのが「めまい」や「立ちくらみ」です。これは体温調節のために血流が皮膚に集中し、脳への血流が一時的に不足することで起こります。
◎初期サイン②:筋肉のこむら返りやけいれん
「筋肉のけいれん」や「こむら返り」も、体内の水分や塩分が不足したサインです。軽視されがちですが、熱中症のはじまりを知らせる重要なサインです。
◎初期サイン③:異常な汗のかき方
「大量の汗をかく」または「汗が止まる」など、いつもと違う発汗状態にも注意が必要です。体温調節機能が乱れている可能性があり、危険な状態に近づいているかもしれません。
◎進行した場合の主な症状
熱中症が進行すると、「頭痛」「吐き気」「倦怠感」「意識がぼんやりする」といった症状が現れます。中等度の熱中症とされ、速やかな対処や医療機関の受診が必要な段階です。
◎周囲の気づきも重要
初期段階では本人が異変に気づかないことも多く、とくに高齢者や子どもは症状をうまく伝えられないことがあります。顔色や言動、動作に注意を払い、周囲が早期に異変に気づくことも熱中症予防には欠かせません。
◆6月から始めたい!日常生活に取り入れる熱中症対策
梅雨の時期でも油断は禁物。湿度が高く気温が上がり始める6月こそ、熱中症対策を本格的に始めるのに最適な時期です。ここでは、毎日の生活に無理なく取り入れられる予防方法をご紹介します。

◎室内でも油断しない!快適な温湿度管理を
「室内熱中症」という言葉があるように、エアコンを使わず我慢していると、家の中でも熱中症になることがあります。とくに梅雨の時期は湿度が高く、汗が蒸発しにくくなるため、体温が下がりにくくなります。
こまめに室温と湿度をチェックし、室温は28℃以下、湿度は60%以下を目安に管理しましょう。エアコンや除湿機、扇風機を上手に使って、快適な室内環境を保つことが大切です。
◎こまめな水分補給を習慣に
熱中症予防でもっとも基本的、かつ重要なのが「水分補給」です。のどが渇いたと感じたときにはすでに脱水が始まっていることもあります。のどが渇いていなくても、1日を通してこまめに水分をとるよう意識しましょう。
汗をかいた後や外出時には、水だけでなく塩分やミネラルも補える経口補水液やスポーツドリンクが有効です。とくに高齢者は体内の水分が少なく脱水に気づきにくいため、周囲の人が声をかけることも予防につながります。

◎日差し対策や服装の工夫も有効
外出時は、日傘や帽子を使って直射日光を避けましょう。服装は通気性の良い綿や麻などの素材を選び、体に熱がこもらないようにします。昨今は、吸汗速乾性やUVカット機能のある衣類も豊富なので、上手に取り入れてください。
また、屋外での活動は日中の暑い時間帯(11時~15時)を避け、朝や夕方など涼しい時間帯に行うのがおすすめです。
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6月は梅雨による高湿度と気温の上昇が重なり、熱中症が起こりやすい時期です。「まだ夏じゃないから大丈夫」と油断せず、早めの対策が重要です。熱中症の初期症状を知っておくことで、重症化を防ぐことができ、室内でも水分補給や温湿度管理を心がけるだけでリスクは大きく下がります。これから本格的な暑さを迎える前に、日常生活に無理なくできる対策を取り入れて、健康に6月を乗り切りましょう。