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健康まめ知識

健康な1年の始まりは、 毎日の食事をよく「噛む」ことから(2008年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
健康な1年の始まりは、

毎日の食事をよく「噛む」ことから

 新年明けましておめでとうございます。毎年のことではありますが、新しい1年の始まりという大きな節目を迎え、みなさん気持ちを新たにしていることと思います。今回は健康にこの1年を過ごすために、食事の大切さ、「噛む」ことの大切さについてお話しします。
 
     

 

 
咀嚼(そしゃく)のはたらき
 
  咀嚼とは、食べ物をよく噛みくだき、味わうことです。食べ物を口の中で何度も噛んで細かくすることで栄養として消化吸収されやすくなるため、咀嚼はからだにとって大切な役割をもっています。また、咀嚼回数が多くなると唾液がたくさん出ますが、この唾液にも消化吸収や殺菌力を高める作用があります。他にも、咀嚼の刺激が脳を経て胃に伝わることで、咀嚼運動に見合った胃液が分泌されて効率的に消化が行われるなど、栄養を摂取するための「食事」という行為において咀嚼は大変重要です。

しかし、現代人は昔に比べて食べ物を噛む回数が減っていると言われています。その要因の第一には、軟らかい食べ物が多くなったことが挙げられます。一説によると、日本人の咀嚼回数は弥生時代の1/6、昭和10年代と比べてもなんと約半分の回数に減っているとも。子供の頃からよく噛む習慣がないために顎の成長が遅れ、歯並びが悪くなったり、噛む筋肉自体が弱くなっている現代人が増えているのです。

 
咀嚼はなぜ大切か
 

 食べ物の変化に加え、忙しい現代社会ではゆっくり食事をする時間がないという問題もあるようです。しかし、先にお話しした通り「よく噛んで食べる」ことは健康づくりの第一歩。咀嚼の役割を知ることで、その大切さを見直してみましょう。

   
 
食べ物の消化を助ける
 

よく噛むことで食べ物が細かくなり、唾液と混ざって適度に水分が増すため飲み込みやすくなります。また、唾液にはアミラーゼという消化酵素も含まれているため、消化吸収をよくしてくれます。

虫歯や歯周病を予防する
 

咀嚼することで分泌される唾液には、消化酵素の他にも口内の浄化作用があります。さらに口内環境を中性に保とうとする作用があり、虫歯や歯周病の原因となる酸を薄めてくれます。また、唾液に含まれるパロチンというホルモンが、カルシウムと結合して強い歯を作ってくれます。

歯並びを整える
 

よく噛むことで顎の骨や顔の筋肉が発達し、顎が強くなります。顎の発達が遅れていると、歯の大きさとの本来のバランスがくずれてしまい、正しい位置に歯が生えずに歯並びが悪くなってしまいます。

食べすぎ・肥満を防止する
 

よく噛んで食べると、唾液が多量に分泌されるために血糖値が上がり、脳の満腹中枢に働いて満腹感を与えてくれます。よく噛むことで自然と食事のペースもゆっくりになり、食べすぎを予防します。

脳に刺激を与える
 

咀嚼運動が脳に連続的な刺激を与えることで、脳が活発に機能します。眠気を覚ますのにガムを噛むのもその一例で、噛むという行為によって記憶力や集中力が高まります。また、こどもの脳の発育を促したり、老人の痴呆予防にも役立つと言われています。

新陳代謝を高める
 

咀嚼によって、EGF(表皮成長因子)と呼ばれるホルモンも分泌されます。これは細胞分裂を促進するホルモンで、新陳代謝が活発になり若々しい身体を保ってくれます。

   
 

 生きていくためには「食べる」という行為は必要不可欠なものですが、食事とは味覚だけでなく、視覚や嗅覚、触覚など五感で味わうものです。よく噛むことでゆっくりと食事を楽しむことができれば、それは心の余裕や充足感にもつながります。身体のためにも、豊かな生活のためにも、

よく噛んで食べるということはとても大切なのです。普段よく噛まずに飲み込んでしまうという人は、まずは「噛む」ことを意識して、ゆっくりおいしく食事をするよう心がけましょう。

   

 

 

2008年01月28日