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健康まめ知識

夏に多い外耳炎とは?原因・症状・予防法をわかりやすく解説(2025年8月)

夏はプールや海水浴など、水辺でのレジャーが増える季節です。その一方で、耳のトラブル「外耳炎」に悩まされる人も少なくありません。とくに子どもや耳掃除の頻度が多い人は要注意です。この記事では、外耳炎が夏に多くなる理由をはじめ、主な原因や症状、予防法についてわかりやすく解説します。楽しい夏を健康に過ごすために、耳のケアもぜひ意識してみてください。

◆外耳炎とは?どんな病気?

外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの「外耳道」と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。外耳道は皮膚で覆われており、そこに細菌や真菌(カビ)が入り込んで増殖すると、かゆみや痛み、腫れなどの症状が現れます。軽い炎症であれば自然に治ることもありますが、悪化すると激しい痛みや耳だれ、聴力の低下を引き起こすこともあります。耳に違和感を覚えたら、早めのケアが大切です。

◆夏に外耳炎が増える理由

外耳炎は季節を問わず起こりうる病気ですが、とくに夏にかけて発症件数が増える傾向があります。ここでは、なぜ夏に外耳炎が増えるのか、その理由を見ていきましょう。

◎高温多湿の気候が細菌の温床に

夏は気温・湿度ともに高く、外耳道の中も蒸れやすくなります。この環境は、細菌や真菌(カビ)にとって繁殖しやすい条件がそろっており、炎症のリスクが高まります。普段は皮膚のバリアが外部の刺激から守ってくれますが、湿気が続くとそのバリア機能が弱まり、炎症を引き起こしやすくなるのです。

◎プールや海水浴で水が耳に入りやすい

夏のレジャーといえばプールや海水浴。これらのアクティビティでは耳に水が入る機会が自然と増えます。耳に入った水が抜けきらずに残ってしまうと、外耳道内の湿度が上昇し、細菌の繁殖につながります。プールの水には消毒のための塩素が含まれており、皮膚への刺激にもなりやすい点にも注意が必要です。

◎汗による蒸れも要因の一つ

プールや海に行かなくても、汗をかきやすい夏場は耳の周囲が常に湿った状態になりがちです。とくに髪の毛が長い人や、イヤホン・ヘッドホンを長時間使用している人は耳まわりの通気が悪く、蒸れによって炎症が起きやすくなります。

◎子どもに多く見られるが、大人も注意

外耳炎は子どもによく見られる病気の一つですが、大人でも油断はできません。子どもは耳の構造が未発達なうえ、耳掃除のやりすぎや水遊びの頻度が多く、外耳炎にかかりやすい傾向があります。一方で、大人でも耳を頻繁に触ったり、綿棒を奥まで入れたりしてしまう人は注意が必要です。夏は家族みんなで耳のケアに気をつけましょう。

◆外耳炎を防ぐための予防法

外耳炎は正しいケアを心がけることで、発症リスクを大きく減らすことができます。ここでは、外耳炎を防ぐために実践したい具体的な対策をご紹介します。

◎耳に入った水はそのままにしない

プールや海から上がったあと、耳に水が入ったまま放置すると外耳道内が湿った状態になり、細菌が繁殖しやすくなります。自然に出てくるのを待つか、頭を軽く傾けて振る、もしくはタオルで耳のまわりをやさしく押さえるなどして、なるべく早く水分を除去しましょう。乾燥させたい場合は、冷風のドライヤーを少し離してあてるのも有効です。

◎耳掃除は週1回を目安に、やりすぎない

耳掃除のしすぎは、皮膚を傷つけるだけでなく、耳垢を取りすぎてバリア機能を低下させる原因にもなります。耳垢には細菌の侵入を防ぐ働きもあるため、完全に除去しようとするのは逆効果です。耳掃除の頻度は週1回程度、耳の入り口を軽くぬぐう程度にとどめるのが理想です。

◎イヤホンの共有や長時間使用は避ける

イヤホンの共有は、耳の中にいる細菌を人から人へ移してしまう原因になります。また、長時間の装着は耳の中を蒸れやすくし、炎症のリスクが高まります。とくに夏は汗や湿気で通気性が悪くなるため、こまめに外して耳を休ませるよう心がけましょう。

◎違和感を覚えたら早めに耳鼻科へ

軽いかゆみや違和感の段階であれば、症状が自然に治まることもありますが、痛みが出たり、耳だれがあったりする場合は早めの受診が大切です。自己判断で市販薬を使用するのは、悪化の原因になりかねません。子どもの場合は、症状をうまく伝えられないこともあるため、大人が早期に気づいて対応することが大切です。

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夏はプールや海水浴、汗ばむ日常生活など、耳に水分や湿気がたまりやすい季節です。そのため、外耳炎の発症リスクが高まります。耳の中がかゆい、痛い、水が抜けにくいといった違和感があれば、早めに対処することが大切です。
予防のポイントは、水分と湿気をためないこと、耳掃除のしすぎを避けること、そして耳を清潔に保つことです。とくに子どもは症状を訴えるのが遅れることもあるため、耳を気にする仕草や痛がる様子が見られたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。
正しい知識と日常的なケアで、外耳炎は十分に予防できます。暑さに負けず、耳の健康にも気を配りながら、安心して夏のレジャーや日々の生活を楽しみましょう。

2025年08月07日