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健康まめ知識

熱中症の予防と対策(2014年6月)

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毎年この季節になると、必ず話題になる脱水症状や熱中症。近年では家の中にいても熱中症の危険があると言われています。昨年も猛暑日が続きました。特に幼児や、危険な症状を認識しにくい高齢者には注意が必要です。今回は、この脱水症状や熱中症の予防についてご紹介します。

 

 

人間のカラダは水でできている!?

人間の身体に占める水の割合はどのくらいなのかご存知ですか?実は胎児は身体の約90%が水でできています。新生児で約75%、子供で約70%、成人では約60~65%と言われ、これが老人になると50~55%にまで下がります。

 

これは、老化現象の一つで細胞内の水分の低下が原因とされています。また、成人になって水分の割合が低くなる原因の一つは、体脂肪率の増加にあります。そのため、女性の方が水分量の割合が低い傾向にあるとされます。

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この水分量がどれだけ、私たちの生存にとって大切かというと、体重の約2%の水分が失われただけで、喉や口が渇き食欲が減退するなどの不快感に襲われます。約6%が不足すると眠気や頭痛、脱力感が生じ、約10%が不足すると循環不全、腎不全、筋肉の痙攣などの症状を起こし、それ以上不足すると意識を失い、約20%が不足すると死に至ることになります。

 

私たちの身体の水分は、約100兆個もある細胞内に3分の2、残りは細胞と細胞の間にある細胞間液と血液中にあります。生命を維持するために大切な役割を果たしているわけです。

 

水分不足がもたらすさまざまな危険

炎天下のスポーツやイベントなどで、脱水症状を起こし倒れた人が病院に搬入されるというニュースが毎年聞かれます。本来人間がもっている体温調節機能が働かない状態になったときに、熱中症に陥ってしまいます。熱中症と総称される日射病や熱射病で死亡者がでる程深刻な状態になることもあります。

 

日射病は全身の倦怠感、吐き気、欠伸から始まって、酷くなると頭痛や意識障害まで引き起こします。炎天下で激しい運動などをしたときに、汗を大量にかいて身体の中の水分が不足すると心臓に戻る血液の量が減ってしまい、脱水状態に近づくと意識を失います。そのまま死亡することもあるのです。

 

また、熱射病とされるのは高温多湿の状況で長時間身体を動かしたとき、大量の汗とともに体内の塩分や水分が流失し、体温の調節が効かなくなって起こる症状です。温度を感じ取る力が衰え、高い室温に気付かない高齢者が、室内でこの熱射病の症状を起こすということもあるのです。

 

それ以外に、熱失神と呼ばれるのは、暑さで血管が拡張して血圧が下がり、めまいや失神が起こる状態。熱けいれんと呼ばれるのは、大量の発汗で汗とともに塩分が体外に流出し、血液中の塩分濃度が低くなっておこる筋肉のけいれん。熱疲労というのは、大量の発汗で脱水症状を起こし、倦怠感やめまい、頭痛、脱力感、吐き気などを起こすものです。

 

最高気温が30度を超えると、こうした症状の重くなる人が増え、さらに気温が上がると死亡者数も急激に増える傾向にあります。

 

熱中症を防ぐには

イラスト炎天下での長時間の活動は、避けてください。亜熱帯化が進んでいると言われる日本では、最近35度を超える気温になることもあります。ご存知のようにこの気温35度というのは、日差しを遮ったところで計る温度です。アスファルトなどの照り返しを受ける炎天下の道路などは、さらに高い温度になっているのです。

 

また、熱中症は気温が上がる10時から16時の間に多く発生していますが、幼児や高齢者は、これ以外の時間でも十分注意しましょう。服装も大切です。発汗性や吸湿性、通気性の良い素材の服を身に着け、屋外ではつばのある帽子を着用します。

 

暑い時間帯は、全国で電気の使用量が急激に増え、節電が望ましいとされますが、健康を害しては何もなりません。エアコンと扇風機、窓の開け閉めによる上手な換気などを心がけて熱中症を予防しましょう。特に幼児や高齢者には、保護者や周囲の人が十分配慮することが大切です。

 

熱中症の対処

イラスト先ほど紹介した「熱けいれん」の場合は、けいれんしている箇所を軽く伸ばし、マッサージをします。また、「熱疲労」の場合は、心臓よりも足を高くして仰向けに涼しいところに寝かせます。スポーツ飲料を少しずつ飲ませましょう。

 

「熱射病」の場合は、身体の下に当て物などをして、上半身をすこし立てて涼しいところに寝かせ身体を冷やします。首や、脇の下、足の付け根などにビニール袋に氷水を入れたものをあてます。身体の表面を冷やすことが大切です。

 

また、熱中症が重篤な状態で意識がはっきりしないような場合は、すぐに救急車を呼びます。車が到着するまで、吐いた場合に気管を詰まらせてないように、涼しいところに横向きに寝かせます。
熱中症は、回復したと思っても一度病院で診察してもらうようにしましょう。

2014年06月01日