インフルエンザワクチンって効果はあるの?効果的な接種時期と注意点(2023年12月)
新型コロナウイルスの感染拡大防止処置が緩和された2022年ころから、再び流行し始めたインフルエンザ。毎年寒くなる時期に猛威を振っていたインフルエンザですが、2023年は9月から流行し始めるなど、異例の様相をみせました。そのため、インフルエンザワクチンの効果や持続時間、最適な接種時期などについて気になった方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、インフルエンザワクチンの基本的な特徴、効果的な接種時期、および注意すべきポイントについてご紹介します。
◆インフルエンザワクチンとは?
インフルエンザワクチンは、ウイルスの毒性をなくし、免疫を作るのに必要な成分だけを使用して作られている、不活性化ワクチンの一種です。感染そのものを完全に防ぐものではなく、重症化や死亡を防ぐことを目的として作られています。つまり、接種すればインフルエンザに感染しなくなる、というわけではありません。
◆インフルエンザワクチン接種に適した時期
インフルエンザワクチンを接種すると、約2週間で免疫がつきはじめ、1カ月後にはピークに達します。ワクチンの効果はその後約4カ月間続くため、インフルエンザの流行時期に合わせて接種するのが望ましいでしょう。インフルエンザの流行がピークを迎えるのは、毎年12月下旬から3月上旬であるため、12月中旬までにワクチン接種が完了しているとより高い効果が期待できます。
◆インフルエンザワクチンに関する注意点
インフルエンザワクチンを接種する際には、いくつかの重要な注意点が存在します。ワクチン接種に対する理解を深め、自身と周囲の健康を守りましょう。
・接種回数
インフルエンザワクチンの接種回数は、主に年齢によって分けられます。12歳未満の場合は、免疫がつきにくいため通常2回接種が必要です。13歳以上65歳までは、初めて接種する場合は2回接種が推奨されますが、毎年接種している方や一度かかったことがある方は1回の接種でも十分です。65歳以上の場合、通常は1回の接種で十分な免疫が得られます。2回接種する場合は、2~4週間の間隔をあけて接種してください。
・接種年齢
インフルエンザワクチンの接種は、生後半年から可能です。ただし、1歳前の赤ちゃんについては効果がまだ不確かなため、慎重に検討する必要があります。とくに幼保園、小学校などで集団行動している子どもたちに対しては、接種が望ましいとされています。
・副反応
ワクチンの接種後24時間は、副反応が発生する可能性があります。しかし、インフルエンザワクチンを接種したからといって、インフルエンザに感染しないというわけではありません。接種後24時間以内は、体調変化に十分な注意が必要です。副反応は、接種した局所の腫れや痛み、または発熱や頭痛、吐き気などの症状が現れることがあります。稀に接種直後にアナフィラキシーショックを起こすことがあるため、接種後30分程度は医療機関内で安静にしておくことをおすすめします。
・卵アレルギーがある方
インフルエンザワクチンは、卵白を使用して培養されています。そのため、卵アレルギーがある方は、アレルギー反応が出る可能性があります。ただし、人によっては必ずしもワクチンの接種が不可能というわけではありません。卵アレルギーを抱えている場合は、事前に担当医に相談することが重要です。
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インフルエンザワクチンは、感染自体を防ぐのではなく、重症化を防ぐことを目的としています。その年の予測されるウイルスに基づいて毎年ワクチンが作られるため、毎年接種が必要になるワクチンです。ピークが予測される時期に備えて、早めに予防接種を予約しておくことをおすすめします。感染拡大を防ぐため、また、感染予防のためには、手洗い・うがいやマスク着用も効果的です。自身の健康だけでなく、周囲の人々の健康も考慮しながら、積極的な予防行動を心がけましょう。