ドライアイに目薬は逆効果?治すには温めるのが有効!(2017年11月)
パソコンやスマートフォンのディスプレイを長時間眺めることが多い現代は、ドライアイになる方が増えています。ドライアイになると、目がしょぼしょぼしたり、眩しく感じたりといった不快な症状がみられます。目の乾きによる不快感を和らげるには、何をすれば良いのでしょうか?
◆目の乾きに目薬は逆効果?
目が乾燥してきたら、うるおいのために目薬を差す方が多いかもしれません。しかし、目薬でドライアイを改善するのは難しいと言われています。なぜなら、涙の成分と目薬の成分は違うからです。
涙はムチン層・涙液層・油層の3層構造になっていて、それぞれに重要な働きがあります。
- ムチン層:粘液で涙と角膜を結びつける
- 涙液層:目にうるおいを与え、汚れや細菌を除去する
- 油層:目を覆うことで涙の蒸発を防ぐ
このような働きがあるため、涙は目から流れ落ちにくくなっていますが、目薬の場合はすぐに流れ落ちてしまいます。うるおいの持続時間は5分程度です。
その上、目薬にはもともと目にあった涙を洗い流す作用もあります。目薬を差すことで涙の量が減り、再び目が乾いてしまうという悪循環に陥るのです。さらに、防腐剤の入った目薬だと目を傷つけるおそれもあります。目の乾きが気になる場合は、防腐剤の入っていない目薬を選びましょう。
◆目を温めれば水分を増やす手助けに
目の乾きを感じたときは、1回10分間を目安に、40度の蒸しタオルで目を温めましょう。まつ毛の内側には「マイボーム腺」という皮脂腺があります。マイボーム腺は、涙の層のうち油層を作り出すという重要な役割を担っています。こちらが詰まってしまうと、涙に油分がなくなり、うるおいを保つのが難しくなります。
そんなマイボーム腺の詰まりを和らげる手助けになるのが、目を温めることです。油は温めると溶け出す性質があります。油が溶け出して目の表面を覆ってくれれば、目のうるおいをより健康的に保つことが期待できます。
蒸しタオルは、濡らしたタオルを電子レンジで温めるだけで、簡単に作れます。外出中などで電子レンジを使えない場合には、専用のグッズがおすすめです。ドラッグストアでは、使い捨てのアイマスクや充電式のホットアイマスクといった便利な商品が販売されています。目が乾いたときのために用意しておきましょう。
◆目を温める際の注意点
目を温めるときにはいくつか注意点があります。まず、温度に注意しましょう。電子レンジでタオルを温めると、やけどしてしまうほど熱くなってしまうことがあります。レンジを利用する場合は、必ずタオルを手で触れても熱くない温度まで冷ましてから使用してください。
また、ホットアイマスクの代わりにカイロを当てるのは避けましょう。カイロは当てっぱなしにするとやけどするおそれがあり、目に使うのは危険です。蒸しタオルか専用のホットアイマスクを使うようにしましょう。
目が充血している場合は、温めることで却って炎症を悪化させてしまうおそれがあるため、注意が必要です。白目が赤くなっているときやかゆみがあるときには、温めるよりも冷やすようにしましょう。
目の充血は、白目の下にある毛細血管が膨張することで起こります。冷やして膨張した血管が縮小すれば、充血を和らげる手助けになります。ただし、あまりに冷たすぎると目に負担がかかってしまいますから、氷を直接当てるなどの冷やし方は避け、冷水に浸したタオルを使うようにしてください。
ドライアイを治すには、目薬を差すよりも目を温めた方が健康的です。ぜひ、1日の終わりに蒸しタオルやホットアイマスクで目を温めてみてください。お仕事や勉強で長時間ディスプレイを見て疲れた目を、ゆっくりと休ませてあげましょう。