ロカボを意識した食事で食後高血糖を予防し、体質改善を目指そう(2022年10月)
三大栄養素の一つである炭水化物に含まれる糖質は、血糖値をあげる要因になっています。食後に血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、習慣化すると肥満や生活習慣病を引き起こすおそれがあります。「ロカボ」とは、緩やかな糖質制限食のことです。テレビや広告で目にする機会も増えてきていますが、具体的にどのような食事を指すのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。今回は、肥満や生活習慣病予防に効果的な「ロカボ」の基本的な基準と考え方、正しい実践方法などをご紹介します。
◆ロカボに関する基礎知識
「ロカボ」とは、一般社団法人食・楽・健康協会の登録商標です。食後の血糖値の上昇は、肥満をはじめとした生活習慣病につながるおそれがあります。まずは、ロカボの基本的な基準や考え方など、基礎知識からご紹介します。
・ロカボとは?
ロカボとは、緩やかな糖質制限を意味する言葉で、語源は「Low Carbohydrate(ロー カーボハイドレート)」です。Carbohydrateは、ご飯やパン、麺類などに含まれる炭水化物のことを指します。ロカボは完全に糖質の摂取を禁止するのではなく、適正な糖質を心がけることを推奨しています。
血糖値が上昇すると分泌されるインスリンは、肥満と大きく関わりのあるホルモンです。ロカボは、血糖値の急上昇を抑えることでインスリンの分泌量を減少させ、脂肪の生成を抑えることを目標としています。「健康を目的とした食事法は、おいしく楽しく続けられるものでなくてはならない」という考えを基に、無理なく日常生活に取り入れられる工夫がされています。食事制限の経験がない方や、食事制限に抵抗のある方でも始めやすい体質改善方法といえるでしょう。
・ロカボの基準
ロカボは、糖質制限と違って糖質を極限まで減らすのではなく、工夫して糖質を抑える方法です。具体的には、糖質の量を1食あたり20~40g、間食を10g以下にして、1日の糖質量を70~130g以内に抑えることを目指します。
ロカボを意識した食事では、ご飯やパン、麺類などの炭水化物の摂取量を減らし、その分肉や魚、野菜、豆類などのタンパク質を多く摂取します。これまで、ダイエット目的のカロリー制限といえば、食事の量を極端に減らしたり、間食を禁止したりする方法が一般的でした。しかし、この方法では継続するのは難しいといえます。ロカボは、おいしく楽しく続けられることを基準に、無理なく日常生活に取り入れられる方法です。糖質の量にさえ気をつければ、カロリー・脂質・タンパク質に制限はないため、お腹いっぱい食べても問題ありません。
◆ロカボの正しい実践方法
ロカボを生活に取り入れるなら、食品に含まれる糖質量をある程度知っておく必要があります。1食あたり40gまでなら糖質を摂っても問題ないため、炭水化物がまったく食べられないわけではありません。過激な糖質制限は低血糖症を引き起こすおそれもあるため、1日の糖質量70~130gは必ず摂取するよう心がけてください。
また、糖質以外は制限がないとはいえ、過度のカロリー摂取は禁物です。茹でる・蒸すなどの調理法を中心に、栄養のバランスを考えながら1日3食は必ず食べるようにしましょう。糖質制限に体が慣れず、まれに下痢や吐き気などの症状が出てしまう場合があります。急に糖質摂取量を減らすのではなく、1~2週間かけて徐々に減らしていく方法がおすすめです。
ロカボ食を続けることによって体質改善の効果が感じられるのは、2週間後以降といわれています。体重や体脂肪率が目標に達しても、すぐに普通食に戻すのではなく、続けることがポイントです。これまで制限していた分、歯止めがきかなくなって暴飲暴食につながるおそれもあるため注意しましょう。普通食に戻すときは、徐々に戻して体を糖質に慣れさせていくことが大切です。
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おいしく楽しく続けられる体質改善法、ロカボについてご紹介しました。肥満をはじめとする生活習慣病の要因は、糖質の過剰摂取ともいわれています。ロカボを意識した食生活にすることで、体質改善や生活習慣病の予防効果が期待できます。中長期的に継続できるよう、無理のない範囲で取り入れてみてください。