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健康まめ知識

目を大切に!(2004年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
目を大切に!

10月10日は『目の愛護デー』。「10 10」を横に倒すと眉と目の形になることから制定されたそうですが、昭和38年のこの日にアイバンクが開設されるなど、目には縁のある日です。 

近年日本人に急増している近視。文部科学省の視力調査(平成 10年度)によると、裸眼視力が1.0未満の子供は小学生で4分の1、高校生では 3分の1にものぼり、テレビゲームなどの影響が大きいと言われています。また、パソコンの普及に伴い、大人になってから視力が低下する人も増えており、今までよりも一層目に対して気を使う必要があるのが現代の社会環境。目の愛護デーにちなみ、今月は「目の健康」について考えてみましょう。

 
     

 

目が悪くなるのはなぜ?
 
 そもそも目はなぜ悪くなるのでしょうか。まずは目の仕組みを知り、目が悪くなる原因を理解しましょう。
【目の仕組み】
目はよくカメラの構造にたとえられますが、目で物を見るときまずは光として認識し、瞳を通して入ってきた光は網膜に像を結びます。このときレンズの役割をしてピントを合わせるのが角膜や水晶体で、弾力性のある水晶体が厚みを増して光の屈折率を強くして、近くのものにピントを合わせます。このピント合わせがうまくできない原因のひとつには、疲れなどが関係しているとも言われています。
【近視、遠視、乱視の仕組み】
 
近視
 

網膜よりも前にピントが合ってしまう状態を言います。

「屈折性近視」は、水晶体が厚く膨らんだままピントの調節がうまくいかなくなった状態で、近視の多くはこのタイプが多いようです。

「軸性近視」は、眼球の長さが伸びすぎてしまい角膜から網膜までの距離が長すぎるために起こります。

遠視
 

近視とは逆に、網膜よりも後ろにピントが合ってしまう状態を言います。

「屈折性遠視」は、水晶体が薄く伸びきったままになってしまい、近くを見ようとしても厚く膨らまない状態です。

「軸性遠視」は、眼球の長さが短すぎるために起こります。

乱視
 

光の焦点が1点に合わず、ぼやけて見える状態を言います。

多くは角膜や水晶体の表面が一定の球面でなく歪んでいるために起こり、その歪み方により、倒乱視、斜乱視、直乱視または不正乱視に分かれます。

【その他の病気】
 
白内障
  水晶体が濁る病気で、視界がぼやけたりかすんだりして見えます。多くは老人性によるもので、老化現象のひとつでもあり、最近は手術など治療法も進んできたため、怖い病気ではなくなってきました。
緑内障
  目に栄養を運ぶ水の循環が悪くなる病気で、放っておくと眼圧(目の中の圧力)が高くなってしまい、目の機能に悪い影響を与えます。視野(見える範囲)が狭くなったり、視力が低下するなど、ついには失明にいたることもある怖い病気です。なかには、眼圧が正常なのにこのような症状になる正常眼圧緑内障と呼ばれるものもあります。
ドライアイ
 

パソコンやテレビなどに囲まれ、目が酷使される環境にいて疲れ目の原因となる目の乾きのことです。目が疲れやすい、目が痛い、光がまぶしく感じる、涙が出るなどの症状が起こり、放っておくと眼病のもとにもなります。

目をいたわる環境作りを
 
 視力低下につながる「疲れ目」。疲れ目を防ぐために、次のような対策をオススメします。
 
パソコンのモニタ・ディスプレイの位置を下げる
 

モニタは目よりも下に置くようにし、できれば机と同じくらいの高さにする。伏目がちにすることで眼球が露出する割合が減り、目が乾くのを防ぐことができます。

パソコンのモニタを見やすい環境にする
 

モニタの位置は直射日光を避けた明るい場所にし、照明も明るくする。角度を工夫したり、フィルターをつけるなどして画面に光が写りこまないようにして下さい。

また、モニタと周りの明るさが違うと目が疲れるので、画面も周囲に合わせて明るくして下さい。

部屋の湿度を保つ
  エアコンの効いた部屋は乾燥しがちです。風が直接眼に当たる場合は、特に眼が乾き疲れるため、加湿器などで部屋の湿度を調節して下さい。目安は最低でも 40%、好ましいのは60~80 %です。
遠くを見て目の緊張を解く
 

パソコンのモニタやテレビ画面など一定の距離にあるものばかり見つめていると、ピントの調節機能が固まり、いわゆる「ピントフリーズ」現象になります。

近い物を見つづけるほど目の筋肉は緊張して凝るため、時々遠くをぼーっと眺め、緊張を解すようにして下さい。

1時間行ったら 10分~15分の休憩をとりながら長時間続けて行わないようにしましょう。また、度の合った中間距離用のメガネが必要な場合もあります。

目の疲れをとる
 

目の周りを軽く押さえたり、ギュッと目を閉じてパッと開く、というような無意識のうちに行っている動作などは目の疲れをとるための行為です。

他にも、冷たいタオルと温かいタオルを交互にあてて緊張を解すなど、目の筋肉のケアもからだの他の部分の筋肉と同じです。目をなるべく疲れさせないように、疲れた時は緊張を解して休ませて下さい。

普段から気をつけて、目をいたわってあげましょう。

   

 

 

2004年10月28日