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健康まめ知識

サイレントキラー、高血圧とは何か(2012年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
サイレントキラー、高血圧とは何か

高血圧は、突然致命的な症状をもたらすことがあります。しかし、そうなるまでまったく自覚症状がないことも多く、サイレントキラーと言われることがあります。血液には酸素や栄養素など、身体に必要な物質が溶け込んで、血管を経由して体中をくまなく巡って取り込まれていきます。血液は重力によって高いところから低いところには容易に流れますが、どうしても心臓より高い頭などには流れにくいわけです。そこで心臓は圧力をかけて血液を送り出します。この圧力が基準値より高い状態を高血圧と呼びます。

 
     

 

血圧はなぜ上がるか
 
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血圧は、心臓から排出される血液の量とその血液の流れに逆らう末梢血管の抵抗によって決定づけられています。心拍数は自律神経によってコントロールされますが、同時に血管の拡張と収縮もコントロールされています。交感神経が緊張すると、それに伴い心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液量)が増えて末梢の血管は収縮し、血圧が上がることになります。逆に交感神経が弛緩すると、緊張とは逆の動きになり血圧は下がるといった具合に、交感神経は血圧と密接に関連しています。

また、もともとしなやかで弾力のある動脈が高い血圧を受け続けると、動脈の壁が傷ついて固くなります。これが動脈硬化で主に細い動脈で起こるため細動脈硬化と呼ばれます。血管の内部に酸化したコレステロールが蓄積されて起こる粥状硬化は比較的太い動脈で起こり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

   
血圧の正常値は?
 

血圧の値は心臓が収縮して血液を送り出すときに最も高くなり(最高血圧)、心臓が収縮した後、拡張するときに最も低く(最低血圧)なります。この最高血圧と最低血圧の国際的な基準による正常値が、収縮期(最高血圧)130mmHg未満、または拡張期(最低血圧)85mmHg未満といわれています。

血圧測定を自宅で行うと病院などで計るよりもリラックスしているため、より下がった測定結果がでる傾向にあります。そこで家庭血圧の正常な血圧値は、収縮期(最高血圧)125mmHg未満、または拡張期(最低血圧)80mmHg未満とされています。

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高血圧の二つのタイプ
 

明らかな原因があって高血圧になるタイプを「二次性高血圧」といい、原因を特定できないタイプを「本態性高血圧」といいます。日本人に多いのは「本態性高血圧」で、高血圧の約90%の方がこれにあたります。この「本態性高血圧」の発症にはいくつかの遺伝子が関係し、さらに高血圧の合併症として恐れられる脳卒中は、高血圧で脳卒中遺伝子のある人が発症するとされています。

高血圧は遺伝子の影響と生活習慣が複雑にからんで発症すると考えられ、二つの因子が関与する割合は同程度とされています。従って、高血圧の遺伝子があっても生活習慣を改善すれば、正常値を保つことが可能です。  また、特定の病気のせいで発症する「二次性高血圧」は、その原因となる主な病気として腎臓の異常によって起こる腎性高血圧、腎動脈の狭窄や閉塞で起こる「腎血管性高血圧」があります。

   
血圧はなぜ上がるか
 

血圧は、心臓から排出される血液の量とその血液の流れに逆らう末梢血管の抵抗によって決定づけられています。心拍数は自律神経によってコントロールされますが、同時に血管の拡張と収縮もコントロールしています。交感神経が緊張すると、それに伴い心拍出量(心臓が1分間に送り出す血液量)が増えて末梢の血管は収縮し、血圧が上がることになります。逆に交感神経が弛緩すると、緊張とは逆の動きになり血圧は下がるといった具合に、交感神経は血圧と密接に関連しています。

また、もともとしなやかで弾力のある動脈が高い血圧を受け続けると、動脈の壁が傷ついて固くなります。これが動脈硬化で主に細い動脈で起こるため細動脈硬化と呼ばれますが、血管の内部に酸化したコレステロールが蓄積されて起こる粥状硬化は比較的太い動脈で起こり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

   
改善したい生活習慣
  遺伝的な要因に、以下のような生活習慣が重なると高血圧のリスクが高まりますので注意しましょう。
 
塩分の過剰摂取
過食と肥満
アルコールの過剰摂取
タバコの喫煙
カルシウム、カリウムの摂取不足
ストレスと運動不足
   
本態性高血圧の二つのタイプ
 

本態性高血圧には、「パンパン型」と「ギュウギュウ型」という異なるタイプがあるといわれています。「パンパン型」は、血管が内側から膨らむことによって起こる高血圧で、一方「ギュウギュウ型」はホルモンの影響で外側からギュウっと圧迫されるために起こるといわれます。先にあげた塩分の過剰摂取が血圧に影響するのは「パンパン型」と呼ばれるタイプです。高血圧の70%がこの形だといわれます。

大切なのは高血圧になったら、まず医療機関で何らかの病気による二次性高血圧でないか、診断してもらうこと。正しい治療はそこから始まります。

   
生活習慣を見直し、まず無理のない生活改善を
 
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 運動不足を解消しようと、いきなり毎朝5キロ走ろうとか、それまでの生活にないものを急に計画するのは、かえって危険です。足や腰に故障を起こして新たな問題を抱えてしまうことにもなりかねません。電車通勤の人は、なるべく階段を利用するといった普段の心がけでできることから始めると良いでしょう。

過食と肥満に関しては、興味深いデータがあります。肥満体質の人は、減量によって確実に減圧できるといわれます。それは1キロ減量すると血圧が4mmHg減圧できるというもの。5キロ減量できれば20mmHg血圧が下がるとされています。あせらずに半年、1年かけるつもりで体重を少しずつ落としましょう。

その他では、まずタバコ。これは無理であろうとなかろうと絶対にやめてください。タバコを一服吸うと血圧が20mmHg上がるとされています。ニコチンが体に入ると血管がギュッと収縮して血圧を押し上げるのです。副流煙によってタバコを吸わない人も同じ害を受けているということになります。

お酒は、ほどほどにしましょう。ほどほどの酒は血圧を下げるといわれていますが、飲み過ぎは逆に上がってしまいます。適量は、ビールなら500cc、日本酒は1合、焼酎なら水割り2杯。ワインならグラス2杯程度です。気にして欲しいのは、お酒のおつまみ。習慣でどうしても塩分の高いものを摂ってしまいがちになります。おすすめなのは食材そのものに減圧効果があるとされる枝豆。市販のものは塩分が多めなので、さっと茹でて塩抜きするぐらいで、塩加減も丁度良くなります。

 

2012年08月28日