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健康まめ知識

「心の健康と瞑想」(2014年1月)

     
 
1月のテーマ:
「心の健康と瞑想」

 瞑想と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか。寒いお寺の本堂で座禅を組んだり、しびれをきらした脚の痛みでしょうか。何やら辛いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際の深い瞑想状態を体験すると、とても心地良い感覚に包まれ、ストレスからの回復力が劇的に向上すると言われます。

現代人にとってストレスは万病の元という考え方があるくらい、高血圧をもたらし、血管や心臓を痛めつけるなど、過剰なストレスは、身体を損ねる元凶として知られています。このストレスを解消するには、歩いたり、自転車に乗ったり、泳いだりといった有酸素運動が良いとされますが、寒さも厳しくなり 、外にでるのはなかなか大変です。そこで、今回は家の中でもできる効果的なストレス軽減法である瞑想について紹介しましょう。

 
     

 

ネガティブな発想になりやすい脳を瞑想で開放する
 

 有名な元格闘家に、サクセスストーリーと健康で強い精神や身体の作り方について話を聞いたところ、朝、晩と毎日二回瞑想しているということでした。前向きな発想を得たり、創造的な仕事をするときに、瞑想をしていると良い発想が生まれ、仕事も巧くいくと言います。瞑想の何が良いかというと、考えない状態を作り出す事ができる点です。脳の中では一日に何万回も様々なことを考えていますが、その大半がネガティブな内容なのです。特に座ってじっと考え事をした場合、何事にも否定的なシミュレーションが頭を過ります。過去の経験や悪い噂をベースにしたネガティブな予想や分析が、人間の脳は得意なのです。

そうすると、新しい自由な発想が生まれる余地がなくなってしまいます。新しい事を学習しようとしても、古い情報とそれが複雑に絡んだ思考の澱が邪魔をしてしまうのです。その人が本来持っている潜在的な力を発揮しようとしても、このネガティブな思考がその発現を阻害してしまいます。新しく物事を始めるときに「よく考えてからやりなさい」と周辺の人はアドバイスするものですが、新しいことにチャレンジしようとしたとき、先に後ろ向きな思考が浮かんでしまい、結局チャンスを逃してしまうというのは、多くの方が経験する事でしょう。

ストレスを受けた状態というのもこの脳の働きが影響しています。例えば何かが巧くいかなくて叱られたり、大切なものを失った場合、脳は一日に何万回とこの巧くいかなかった状態を繰り返しシミュレーションし、それがストレスを生んでいるのです。瞑想をして、何も考えない脳の状態を作り出す訓練を行うと、少なくとも瞑想をしている間は、このストレスから開放され、また、ストレスに対抗する身体の準備ができるのです。

瞑想を取り入れたとされる成功者は、例えばアップルのスティーブ・ジョブス、マイクロソフトのビルゲイツ、京セラの稲森和夫氏など数多く知られています。スポーツマンでも、NBAで大活躍したマイケル・ジョーダン、日本人では、最近「心を整える。」という本が大ヒットした、日本代表のサッカー選手長谷部誠なども瞑想を取り入れているといいます。

   
簡単に行える瞑想
 
瞑想を誰でも簡単に行なえる方法を紹介しましょう。
 
  1. 座ります。別に固い床に座禅を組む必要はありません。自然にリラックスして楽に座れる状態であれば、椅子に座っても胡座をかいてもかまいません。できれば静かな部屋で、照明も少し落とします。背筋は伸ばしますが、緊張しない程度に。
  2. 眼を軽くとじ、眼から様々な情報が入らないようにします。いつも無意識に行っている呼吸を、意識的に行います。
  3. 鼻から息をゆっくり吸って、鼻から息をゆっくりはきます。
  4. この呼吸を感じ、そこに意識をもっていきます。
  5. この呼吸を20回以上繰り返し、呼吸数を数える事に集中します。
  6. できるだけ考えない状態を作り出します。
  7. 10分から20分程、この状態を続けたら、瞑想を終了して意識が戻ってくるのを待ちます。眼を閉じたままで数回深呼吸をして、両手で身体に触れて瞑想状態を解きます。
  8. 静かに眼を開けます。 
   
生活に瞑想を取り入れて、ストレスを軽減
 

 瞑想をサポートする小物類もあります。アロマオイルで、心のリラックスを手助けしてくれるものがあり、アロマに抵抗が無い人にはお勧めです。座る姿勢を楽にする瞑想用のクッションもありますし、瞑想用のCDとして制作されたものも沢山あります。チベットの高僧が奏でる浄化音を聞く事ができるCDなどです。こうした小物で楽しく演出して、生活の中に瞑想を巧く取り入れることで、ストレスを軽減してはいかがでしょう。

   

 

2014年01月28日