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健康まめ知識

楽しい夏の邪魔者「夏風邪」(2005年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
楽しい夏の邪魔者「夏風邪」
 夏から秋にかけての季節の変わり目に起こる”夏ばて”。暑さによる食欲不振や、冷房の効いた室内から屋外へ出入りするなど急激な温度差による自律神経の乱れなどが原因で起こります。そんな弱った身体を狙っているのが夏風邪のウイルス。夏風邪でダウンして、楽しいはずの夏休みが台無し…なんてことにならないよう、しっかり予防しましょう。
 
     

 

夏風邪と冬風邪の違い
 
 

 夏風邪も冬風邪も、原因となるのはウイルス。高い気温や湿度を好むウイルスによるものが夏風邪で、症状が徐々に進行して冬風邪よりも長引く傾向があります。一方、冬風邪は主にインフルエンザウイルス(夏場には生きていけない)が原因で、低温と乾燥を好むウイルスによるものです。飛沫感染で流行するのが特徴で、咳や鼻水・鼻づまりなどの症状があらわれるのが夏風邪と違います。

 
 
代表的な夏風邪の種類と症状
 
 
咽頭結膜熱
 

ウイルス:アデノウイルス

症状:39℃前後の高熱が3~5日間続き、喉の強い痛みや、結膜炎(目の充血・目やに)などの症状を伴うことがある。別名「プール熱」と呼ばれ、プールで感染することが多い。

ヘルバンギーナ
 

ウイルス:コクサッキー

症状:38~40℃の急な高熱。喉の痛みを伴い、口の中に水疱や口内炎のような腫瘍ができる。

   
   
夏風邪対策
 
 夏風邪の原因となるウイルスは飛沫感染するインフルエンザとは異なり、主に経口感染が多い。経口感染は手から手、手から口へと感染するので、手洗いが重要な予防策。そして冬風邪と同じく身体の冷えが喉の綿毛の働きを鈍らせ、ウイルスが侵入しやすくなることで感染しやすくなるため、身体を冷やさないことも大切。温度差のある場所を出入りすると自律神経の働き鈍り、温度変化についていけなくなり、皮膚の表面温度低下の原因に。クールビズを実施している会社も多いようですが、自宅の冷房も冷やしすぎないよう気をつけましょう。

その他、カーテンを閉める、エアコンを除湿運転のみにする(湿度が下がれば体感温度も下がります)、扇風機を利用する、照り返しを防ぐため、ベランダに人工芝やプランター・鉢植えなどを並べる、熱を外に逃がすためすだれやよしずなどの日よけを窓の外につける、など、冷房をかけ過ぎることなく涼しい部屋をつくる工夫をしましょう。

夏風邪の対処法
 
 夏風邪かな?と思ったり、だるさを感じたときは無理せず身体を休めましょう。そして

  • 炭水化物や良質たんぱく質を中心とした消化のよい食べ物で栄養をとる
  • 発汗や下痢による脱水症状を防ぐため、こまめに水分を補給する(食塩・電解質を含むスポーツドリンクが最適)
  • 新陳代謝が高まりリラックス効果の期待できる入浴をする。※ただし、症状がかるく熱のない場合のみ
  • クーラーなどを利用し、身体を温めすぎないようにする。※冬風邪治療は身体を温めるものですが、夏風邪の場合保温は体力の消耗につながり逆効果。ただし、温度は適温を心掛け、くれぐれも冷やしすぎないように

などの対処を。治ったように見えても、体内にウイルスが残りやすいので、1ヶ月くらいは注意をしてください。

 
 プール熱など、子供が感染することも多い「夏風邪」。お子さんがプールに行く時は、プールのあとは身体をキレイに洗うこと、タオルは必ず自分専用のものを使うことなどを指導してあげましょう。夏ばてを防ぐためにも食事はきちんと、生活のリズムを崩さないよう気をつけて、夏を元気に過ごしましょう!

 

 

2005年08月28日