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健康まめ知識

空気の乾燥する季節。 乾燥肌対策を万全に!(2005年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
空気の乾燥する季節。

乾燥肌対策を万全に!

 今年も残すところあと2ヶ月、そろそろ冬めいて空気が冷たくなるとともに乾燥してまいります。寒い季節になると、腕や足、背中がカサカサ乾燥してかゆくなってしまう人も多いのではないでしょうか?そこで、今回は乾燥肌を防ぐ対策法をご紹介します。乾燥は美容の大敵でもあるので、女性のみなさんもしっかり乾燥対策&保湿をして潤いのあるお肌を手に入れてください。
 
     

 

乾燥肌とかゆみのメカニズム
 
 乾燥肌には生まれつきの肌質も関係していますが、日ごろの生活や肌のお手入れによって乾燥しやすくなってしまうケースも多く見られます。人間の肌は何層にも分かれていて、一番上の層、外気と接する層が「角質層」です。角質層には外界の刺激物質や細菌から皮膚を守る役目と、肌の潤いを保つという役目がありますが、その厚さはわずか2,000分の1mmしかありません。その薄さの中に、15~40%の水分を含んでいます。角質層の水分が少ない状態が乾燥肌ということになります。

かゆみを感じる神経線維は、肌の奥にある真皮から表皮に向かって伸びています。皮膚が乾燥してくると、皮膚の基底層の細胞から神経を伸ばす作用のある神経成長因子(NGF)という物質が放出され、角質層のすぐ真下までかゆみ線維を成長させてしまいます。つまり、皮膚の一番表面に近いところまでかゆみを感じる神経線維が伸びてくるため敏感に反応しやすくなってしまうのです。また、身体を洗うときにナイロンタオルでこすったり、かみそりでむだ毛を処理したりすることで角質層が必要以上にはがれてしまうと、角質層を保護するセラミド(角質細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF)が失われ、敏感肌の原因にもなります。さらに冬は皮脂の分泌量が減るため、皮膚を保護する油分が不足してますます乾燥しやすくなってしまいます

乾燥肌対策いろいろ
 
 それでは、家庭で行える乾燥肌対策をご紹介します。乾燥を防ぐ=保湿。今日から実践して、潤いのあるお肌を手に入れましょう。
お風呂編
 

・摩擦の多いナイロンタオルは使わない。

身体を洗うときは石鹸をよく泡立て、手で洗うようにしてみましょう。もしくは、敏感肌用のボディタオルなどを利用し、石鹸など洗浄料をつけないで軽くこすり洗いするのもおススメです。お湯につかって体温が上がると毛穴が開き、皮脂や汗と一緒に老廃物などが浮き上がってくるため、洗浄料なしでも汚れは落ちます。

・入浴剤を利用する。

市販されている入浴剤のほとんどは乾燥肌に効果がありますが、保湿効果と水分揮発防止効果(素肌に膜をはり、集めた水分を逃さない作用)の2つの効果を併せ持った入浴剤がベストです。

・湯船の湯気を有効活用する。

まず、熱すぎない湯船に浅めにつかり、頭からタオルをかぶります。次に顔をお湯に近づけて1分間くらい湯気を顔にあてます。身体を起こして少し休憩し、再びタオルをかぶってまた1分。これを5回ほど繰り返すと、スチーム効果でお肌がしっとりすべすべになります。

・かみそりでのむだ毛処理は、入浴中にしない。

入浴中にかみそりを使うと、角質層が必要以上にはがれてしまいます。むだ毛をかみそりで処理する場合は、お風呂上りの清潔な状態で、かみそりとの摩擦を防ぐために保湿剤を塗った状態で行うようにしましょう。

・熱いシャワーは避ける。

必要以上に熱いシャワーは、直接肌を傷める原因となり、乾燥を悪化させます。冬場は冷えますが、ぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴が一番。洗顔のときも、シャワーを直接顔にかけるのは刺激が強すぎるのでやめましょう。

・お風呂あがりにはたっぷり保湿する。

お風呂上りの身体は、内側からも乾いています。たっぷり水分をとり、体内から真皮へ、そして表皮へと潤いをあたえましょう。また、入浴で失われたお肌の水分や皮脂分は、乳液やクリーム、ボディローションでしっかり補うこと。ひじやかかとなどがガサガサしている場合は、ホホバオイルなどを塗るといいでしょう。

生活編
 

・部屋の湿度に気を配る

エアコンの使用は、部屋の湿度を低下させて肌の乾燥を招きます。エアコンの使用は最低限にし、加湿器を使用するなどして部屋の湿度を保ちましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを室内にかけておくだけでも加湿効果が得られます。

・身体を動かして、血行をよくする

肌をつくる栄養素を運んでいるのは、身体中を巡る血液です。血行が悪くなると栄養が行き届かなくなるため、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が遅れ、肌の乾燥につながります。肌へとつながる血管の末端部分には、心臓のポンプの圧力が届かないため、身体の筋肉を動かすことでしか血液を行き届かせることができないのです。毎日少しでも身体を動かし、血行をよくすることを心がけましょう。

・規則正しい生活と食事を心がける

健康な肌を作るには、規則正しい生活と十分な睡眠時間が欠かせません。また、肌を作る栄養素は、食べ物から摂取するので、バランスよい食事をとることも忘れずに。規則正しい生活と食事が、肌の細胞分裂を活発にし、健康で瑞々しい肌を保ってくれます。

 

・化粧品にも気を配る

毎日のお化粧も、肌の乾燥を招きます。特にパウダリーファンデーションや粉おしろいは肌の潤いを取ってしまうので注意が必要。お化粧前には「つけすぎかな」と思うくらいたっぷりの美容液(セラミドなどの保湿成分を含んだものがベター)や乳液をつけ、少し時間をおいてからメイクします。保湿効果のある化粧下地を使うのもよいでしょう。

・日焼け止めの使用にも注意する

日焼け止め用の化粧品などに含まれている紫外線散乱剤は、紫外線対策には欠かせない成分ですが、同時に肌の乾燥を招いてしまいます。冬場はあまり使用する機会はないかもしれませんが、使うときは量や時間に気をつけ、乾燥しやすい目元・口元への使用は最低限にしましょう。

   私たちの肌に含まれる水分量は、赤ちゃんのときがピークで、20歳を過ぎた頃から急激に減少します。さらに40代にさしかかる頃には、肌表面の油分も失われてくるため肌の乾燥はより加速してしまします。化粧品のCMなどで、よく「アンチエイジング」という言葉を耳にします。しかしどんなに気をつけても肌の老化は進み、乾燥しやすくなっていきます。ハンドクリームやボディクリーム、そして保湿化粧品などを積極的に使うとともに、普段の生活でも乾燥対策を万全にして乾燥する季節をのり越えましょう。

 

 

2005年11月28日