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健康まめ知識

ウォームビズで 低温やけどを予防しよう!(2006年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
ウォームビズで

低温やけどを予防しよう!

 新年明けましておめでとうございます。今年も一年、家族揃って健康で元気な生活を送れるよう、日ごろから体に気をつけていきましょう。さて、今回は寒い季節に大活躍のカイロやコタツについてのお話を。この時期手放せないあったかアイテムも、使い方を誤ると重症な低温やけどの原因となることもあるのでご注意を!
 
     

 

低温やけどとは?
 
 

人間が快適で暖かいと感じる温度を放出する熱源でも、それが同じ部位に長時間接触することによっておこるやけどのこと。 60 ℃前後で約 1 分、 50 ℃前後で約 3 分、 45 ℃前後でも約 6 時間同じ部位に接触していると起きるといわれています。熱湯などによる高温やけどの場合は、「熱い」と感じてすぐに熱源から離れることができ、対処もできますが、低温やけどの場合は低い温度でゆっくりとやけどが進行するため、自覚することが遅れ、症状も重くなってしまいます。熱源に長時間触れていなければ何の問題もありませんが、「熱い」と感じる温度ではないため、普段何気なく使っている温熱器具が低温やけどの原因となることも。温熱器具を日常的に使用する冬場こそ、日ごろの注意が必要なのです。

 
低温やけどの原因と症状
 
■ 低温やけどの原因となる温熱器具のベスト 5

1.使い捨てカイロ

2.湯たんぽ

3.あんか

4.電気コタツ

5.ホットカーペット

使い捨てカイロやホットカーペット、湯たんぽなど直接体に触れる物の他、あんかや電気コタツなど体に直接触れない器具でも低温やけどの原因になるのです。

また、低温やけどは、表面上それほどひどくないように見えても症状が重いケースが多い、恐いやけどです。通常やけどの程度は症状によって3段階に分けられ、表皮のみのごく軽いやけどを指す「1度熱傷」、表皮の下にある真皮まで達してしまい水疱ができてかなりの痛みを伴う「2度熱傷」、そして。真皮の下の皮下脂肪までに及ぶ相当重い「3度熱傷」となります。

なんと、低温やけどは内部では2度熱傷や3度熱傷にまで達してしまう場合が非常に多いのです。ちなみに3度熱傷まで達すると再生可能な細胞組織がすべて壊死してしまい、痛みは感じず皮膚も再生してきません。そのため、やけどの面積が広いと皮膚移植が必要になります。また、皮膚組織が壊死してしまった場合、感染症にかかりやすくなるので注意が必要なのです。

低温やけどの治療と予防
 
 温熱器具を使っているときに、皮膚が赤くなっていたら低温やけどを起こしている可能性があります。低温やけどになってしまった場合は、水で冷やしても効果はありません。そのため、たとえ患部が狭くても速やかに病院へ行き診察を受けましょう。先に書いたとおり、感染症の予防のためにも必ず医師の処置が必要なのです。また、低温やけどが広い範囲に及ぶようなら、皮膚移植が必要になってしまうこともあるので、自分で判断せず、必ず病院へ行くこと!
低温やけどを防ぐには
 

・使い捨てカイロは肌に直接貼らない。

・湯たんぽはタオルなど布にきちんとくるんで使う。

・暖房器具の温度は低めに設定する。

・コタツや、ホットカーペットの上で眠らない。起きているときもクッション等を使って、熱源が肌に直接触れないように気をつける。

   
 

以上、日ごろから注意できることばかりです。疲れているときやお酒を飲んだ後などは、熱さに気付かない場合が多いので特に注意しましょう。また、乳幼児やお年寄り、思うように動けない病人へは周りの家族が注意して配慮してあげる必要があります。

ちなみに、かかとやくるぶし、すねなどは皮膚のすぐ下に骨があるため、毛細血管が圧迫され、やけどをしやすい部位といわれています。

 

 最近では、ノートパソコンで低温やけどをしたという事例も出ています。熱を持ちやすいノートパソコンは、キーボードの上も熱くなりやすく、長時間手を置いて作業していたために手のひらが低温やけどになってしまったそうです。また、靴(靴下)用カイロの使用にも注意が必要。これは酸素の少ない靴の中での使用を目的として製造されているので、腰やお腹などに使用した場合酸化反応が過剰に起こり、高温になることがあります。これは靴を脱いだあとに貼り続けていても同じ状態になります。これらの事例も踏まえ、使用法にはくれぐれも注意しましょう。

近頃叫ばれている「ウォームビズ」。低温やけど防止のためにも、温熱器具の使用を控え、重ね着やブランケットなどを活用して体に優しい温かさを得る工夫をしましょう。

 

 

2006年01月28日