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健康まめ知識

体の芯・骨を丈夫にして骨粗しょう症を予防しよう(2006年12月)

 

     
 
12月のテーマ:
体の芯・骨を丈夫にして骨粗しょう症を予防しよう。
 いよいよ2006年も最後の月。「師走」と呼ばれる通り、何かと忙しい時期ですが、1年の最終チェックに体の芯・骨の健康を考えてみましょう。骨が弱くなると心配されるのが、「骨粗しょう症」という病気です。この機会に、食事をはじめとする生活習慣を見直して、骨を元気に丈夫に保ちましょう。
 
     

 

骨粗しょう症ってどんな病気?
 

 「骨粗しょう症」とは、骨を構成するカルシウム不足が原因で骨の密度が減り、骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。現在日本では約5,000万人もの患者がいると言われ、高齢の女性に特に多い病気でもあります。

本来骨は硬くて丈夫なものですが、髪の毛や皮膚と同じように新陳代謝を繰り返しています。古くなりもろくなった骨の一部を壊して(骨吸収)、新しい骨に作り替えるはたらき(骨形成)を「骨のリモデリング」と呼び、これは成長期を過ぎたあとも一定のサイクルで続きますが、加齢や運動不足などの生活習慣が原因でこのバランスが崩れると骨粗しょう症の原因となります。

 
なぜ骨が弱くなるの?
 

 骨の主成分となるミネラルで、体内に含まれるカルシウムのうち、99%が骨に含まれています。残りの1%は血液などに含まれ、わずか1%と言えども体や細胞の機能と深い関わりのある大切な役割を担っているため、血中のカルシウム濃度が不足すると、骨からカルシウムを引き出していくしくみになっています。つまり、カルシウム不足の状態が続くと、骨からどんどんカルシウムが溶け出してしまうのです。

 
骨粗しょう症になりやすい人はどんな人?
 
骨粗しょう症になる原因には様々なものがありますが、以下に主なものを挙げます。
○生活習慣に関わるもの

・ カルシウム不足の人

 偏食で栄養バランスの偏っている人や乳製品を摂らない人など、カルシウム不足は大きな原因のひとつです。

・ 体を動かすことの少ない人

 適度な運動は骨に刺激をあたえ、骨を丈夫にします。運動しないと骨は次第に弱くなってしまいます。

・ 日光に当たらない人

 カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、日光に当たることで皮下に合成されます。日光に当たらない生活を続けていると、カルシウムを摂取していても体内に充分吸収されません。

・ 喫煙習慣のある人

 煙草に含まれるニコチンは、腸からのカルシウムの吸収を阻害し、カルシウムを尿内に排出してしまいます。

・ 極端なダイエットをしている(していた)人

 無理な食事制限など、栄養不足の状態になるダイエットは、同時にカルシウム不足の原因にもなり、骨量の減少を引き起こします。

○体質・年齢に関わるもの

・加齢によるもの

 年をとると、性ホルモンの産出が低下するほか、骨芽細胞(骨をつくる細胞)の働きが弱くなります。高齢者は食事の量が減る傾向もあるため、カルシウムの吸収量も低下します。

・閉経した人

 閉経によって女性ホルモンが急激に減少すると、破骨細胞(骨を壊す細胞)の働きに骨芽細胞の働きが追いつかなくなり、骨が弱くなっていきます。

・骨粗しょう症と診断された家族がいる人

 骨粗しょう症は遺伝するものではありませんが、骨量の減少傾向が同じであったり、乳製品の好き嫌いなど食生活が似ている場合が多く、注意が必要です。
 
  骨粗しょう症の予防法は?
 

 丈夫な骨を保つには、普段の食事と生活スタイルに注意することが大切です。
○食事編

まずは十分な量のカルシウムを摂ること。日本人のカルシウムの1日の所要量は600mgとされています。乳製品や小魚類、大豆食品など、カルシウムを多く含んでいる食品を積極的に取り入れましょう。

カルシウムの吸収に必要なビタミンDなど他の栄養素にも気を配らなくてはいけません。良質のたんぱく質を含む食品など、バランスの良い食生活を心がけましょう。また、スナック菓子やインスタント食品などに含まれるリンは、体に必要な栄養素のひとつですが、摂りすぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまうので気をつけましょう。

 ○生活編

適度な運動は、骨を丈夫に保つのに大切な役割を果たします。過激な運動をする必要はなく、ウォーキングなどの軽い運動を毎日続けることがポイントです。元々骨が弱くなっている恐れの高い高齢者の方は、転んで骨折したりする事もありますので、無理な運動は避けてあくまで軽い運動から始めましょう。

また、喫煙やアルコール・コーヒーなど嗜好品の摂取は骨量の減少につながります。喫煙や過度の飲酒にも気をつけましょう。

 
 女性の骨量は、概ね50歳を過ぎると急激に低下するものです。市町村などで行われている骨診断を受けるなどして、まずは自分の骨量を知っておきましょう。閉経後は年1回のペースで骨量を測定し、減少の経過を観察すると良いようです。一方男性は、70歳くらいまでは骨量測定の必要はないと言われていますが、病歴などによっても骨量に差が出てくるので油断は禁物です。

カルシウムをたくさん含んだバランスのよい食事、日中の運動など健康的な生活は骨にも健康を与えます。来年からと言わず、今から骨のために生活改善してみませんか?

 

 

2006年12月28日