イライラ、憂鬱… 女性の悩み・更年期障害(2007年3月)
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更年期障害とは | ||
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更年期障害の主な症状 | ||
更年期障害の代表的な症状にあげられるのが、のぼせ(hot flash)、ほてりで、エストロゲンの欠乏により脳の自律神経調節中枢の機能が変化するために起こると考えられています。突然熱感が起こって体から顔や手足へと広がり、発汗や動悸を伴うことが多くあります。また、エストロゲンの低下による中枢神経の機能変化、閉経による女性としての喪失感などによって不眠やうつ症状といった精神的な症状が起こることもあります。 エストロゲンの低下は他にも様々な症状を引き起こし、膀胱および周辺の筋肉低下による頻尿や失禁をはじめ、骨粗しょう症や高脂血症、動脈硬化などの病気を引き起こすことも。また、閉経後(老人性)膣炎による粘膜の萎縮や分泌物の減少によって、膣前庭の灼熱感、掻痒感、乾燥感および性交痛が出現し、性欲も減退します。 ●早発症状 のぼせ、ほてり、発汗異常、動悸、めまい、うつ状態、イライラ感、不眠、頭痛、手足のしびれ、蟻走感(皮膚を蟻が這っているような感覚)など ●遅発症状 性交痛、閉経後(老人性)膣炎、尿道炎、失禁、皮膚萎縮、肥満、腰痛、肩こり、骨粗しょう症、骨量減少症、動脈硬化など |
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更年期障害の診断と治療 | ||
更年期障害の診断は、上に挙げたような自覚症状に加え、血中のエストラジオール濃度、LH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)の上昇を測定することで行い、主な治療はエストロゲンを補充する女性ホルモン補充治療です。また、精神症状に対しては精神安定剤や漢方療法が用いられることもあります。
一般的に、更年期障害は「身体がほてる」「イライラする」など、“我慢すれば過ごせる”ものとして捉えられがちですが、女性ホルモンの減少によって起こる骨粗しょう症や動脈硬化などの深刻な病気との関連が注目されるようになり、治療に関しても見直されてきました。 |
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