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健康まめ知識

健康のバロメーター「うんち」を知ろう!(2007年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
健康のバロメーター「うんち」を知ろう!
 ぽかぽかと春らしい陽気…というより、真夏のように蒸し暑かったり急に冷え込んだりと不安定なお天気が続いていますね。日中の暖かさに、つい薄着で出かけたら夕方冷え込んで風邪をひいてしまった、なんて方もいるのではないでしょうか。気候が不安定だと、体調も崩れがちです。今回は、体内の健康状態を知る一番身近な方法「便」について考えてみましょう。
 
     

 

まずは「うんち」をチェック!
 

 理想的な便の例えとして、よく「バナナのようなうんち」が良いとされます。これは便の色、固さ、量、そして形(状態)を表しています。以下のチェック項目をよく覚えて、今日の排便後に自分の便を観察してみてください。

●便の色
ben 便の色は腸内細菌のバランスによって変化します。ビフィズス菌たっぷりの健康的な腸内活動を表すのは、白みがかった黄色の赤ちゃんの便ですが、成人がこんな便を出すのは無理な話。食事の内容によっても左右されますが、基本は茶色がかった黄色で、黄色に近いほど「いい便」と言えます。

黒っぽい便:悪玉菌が腸内に増えている証拠。胃や十二指腸、小腸などに潰瘍や腫瘍ができて出血している可能性もあります。

灰色の便:脂肪分の摂りすぎ、肝臓、すい臓、胆のうに異常がある可能性があります。

赤い便:大腸の出血や痔、大腸がんの可能性があります。

上記のような色の便が出る場合、それが一時的なものであれば、食べ物の色素や服用している薬の影響であったりして特に問題はありません。しかし、長期にわたってこのような便が出る場合は、体の器官に異常がある疑いがあるので注意が必要です。

●便のにおい

便の悪臭のもとは、腸内の悪玉菌。便はくさいものだと決め付けがちですが、腸内環境のよい人の便は、実はそれほどくさくないものです。悪臭のきつい便が出る人は、悪玉菌が大繁殖して有害物質を発生している可能性があるので、食事や生活習慣を見直しましょう。また、肉類などのたんぱく質を腸内細菌が分解する際にきつい臭いを出す物質を生産するため、肉類中心のいわゆる欧米型の食生活を送っていると便のにおいがきつくなる傾向があります。

●便の固さと形

便の形状は、便に含まれる水分量によって変わります。健康な便は通常70~80%の水分を含むとされ、まさにバナナの実のような固さと形でスムーズに排便されます。これより水分量が少なくなるとコロコロとしたウサギの糞のような形になりますが、これは便秘の人に多いタイプ。逆に形をとどめないほどゆるい水状の便は下痢の状態です。ちなみに「健康な便は水に浮く」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは食物繊維をたっぷり摂ると繊維質が多く密度の軽い便が出る、という説に基づくようです。しかし繊維質の多い食事を続けても便の比重には変化がなかったという研究結果もあるため、便が沈むからといって特別気にすることはないようです。

●便の量

排便の量は当然食事の量に影響を受けますし、イモ類や豆類など食物繊維の多い食品をたっぷり摂ると便の量も多くなります。一回の便の目安は150g程度とされ、目で見てバナナ1本半~2本分くらいの便が出ていればおおむね理想的な量の排便といえるでしょう。

 
腸内環境を整えて、快便生活を!
 

 
腸内環境を左右するのは、腸内細菌のバランス。腸内には500から1,000種類にも及ぶ細菌が存在するといわれ、その中でも乳酸菌などの善玉菌が多い弱酸性の腸内環境が健康な状態。しかし、食生活や生活習慣、ストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れると、クロストリジウムなどの悪玉菌が増えてしまいます。悪玉菌が優勢になると腸内はアルカリ性に傾き、腸の働きが鈍くなります。それが便秘の原因となり、さらにその留まった便が悪玉菌の餌となり、腸内は悪玉菌の温床へ…と悪循環を始めます。そうなると、悪玉菌が発生する有害物質が腸壁から吸収され、血液にのって全身へ運ばれ、いろいろな病気やトラブルを引き起こす原因となります。便秘が続くと肌荒れや頭痛などの症状が出るのはこのためです。

悪玉菌は発がん性物質を作り出し大腸がんなどを誘発する原因にもなるので、たかが便秘と侮らず、規則正しい生活、食物繊維の多い食事、そしてたっぷりと水分補給を心がけて早めに解消しましょう。また、ビフィズス菌などの乳酸菌は乳酸や酢酸を出して腸に刺激を与え、運動を活発にして排便を促して便秘になるのを防いでくれるので、ヨーグルトなどの乳製品も積極的にとりましょう。

 
 大腸は、さまざまな病気の発信源といわれます。その腸内を正常な状態に保つことが、健康な体づくりの秘訣。その腸内の様子を知ることのできる便は、まさに健康のバロメーターです。最初は少し抵抗があるかもしれませんが、その貴重な「情報源」を水に流す前に、毎回観察する習慣をつけていきましょう。

 

 

2007年05月28日