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健康まめ知識

しなやか血管で、動脈硬化を予防しよう!(2007年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
しなやか血管で、動脈硬化を予防しよう!
 梅雨入りを向かえ、季節はいよいよ夏の始まりを告げています。猛暑を予感させる毎日の気温に、早くも夏バテ気味という方も多いのではないでしょうか。しかし、本格的な夏を迎える前の今だからこそ、猛暑を乗り切る体力を養っておきたいもの。毎日の健康を保つためにも、私たちの体の隅々にまで栄養や酸素を届けてくれる「血管」の健康を考えてみましょう。
 
     

 

動脈硬化とは?
 
 動脈は内膜・内弾性板・中膜・外膜で構成されており、心臓が押し出した血液が流れるために弾力性と柔軟性を備えたゴムホースのような管になっています。しかし、古くなり硬くなった輪ゴムを伸ばすと切れてしまうように、動脈も弾力性や柔軟性を失うと硬くなってしまいます。

血管の中にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪、脂肪酸などさまざまな物質が流れていますが、LDLコレステロールや中性脂肪などの物質は、水垢やサビのように動脈の内部に沈着して血管を狭くします。こうしていわゆる「ドロドロ血液」によって管が狭くなったり、弾力性が失われた状態を動脈硬化といいます。

 
動脈硬化の種類
 
 細い動脈や太い動脈など動脈にも色々な種類がありますが、それぞれの血管に起きやすい動脈硬化にも特徴があります。
 
細動脈硬化
 

脳や腎臓の中などの細い動脈に起きやすい。喫煙(ニコチンの影響)などによって末端の細い動脈が収縮刺激を受け続けることで次第に柔軟性がなくなり、血管が硬くなることで起きる。詰まったり(梗塞)、血管壁全体が破裂して出血したりする。

アテローム(粥状)硬化
 

大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起きる。動脈の内壁にコレステロールなどのドロドロ(粥状)の物質が沈着して血管が狭くなるために起きる。

メンケルベルグ型(中膜)硬化
  大動脈や下肢の動脈、頚部の動脈に起きやすい。動脈の中膜にカルシウムが溜まって硬くなり、中膜がもろくなることで起き、血管壁がやぶれることもある。
動脈硬化が引き起こす、怖い病気
 
 血管の内部は目に見えないため、動脈硬化は自覚症状がなく進行します。その上、心臓病や脳血管障害など様々な病気を引き起こす要因となる危険な疾患です。
 
動脈硬化が原因となる心疾患
 

狭心症や心筋梗塞など

動脈硬化が原因となる脳血管疾患
 

脳梗塞、脳出血など

動脈硬化の原因と予防
 
 動脈硬化は加齢とともに進行する、いわゆる老化現象のひとつですが、たとえ同じ年齢でも血管の状態には個人差があり、遺伝などの要因のほかに「生活習慣」が大きく影響すると言われています。例えばコレステロールの過剰摂取、肥満、高血圧や高脂血症、運動不足など、動脈硬化の危険因子は実にさまざまです。これらを予防するためには、やはり生活習慣の改善が第一です。以下の項目を参考に、しなやかな血管を保って動脈硬化を予防しましょう。
 
動物性脂肪の摂り過ぎに注意する
血圧を上昇させるため塩分は控えめに
HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすために

適度な運動を心がける

喫煙は血管を収縮させ、傷つけるため、禁煙に努める
   また、動脈硬化は他の多くの病気と同じく早期発見が鍵です。健康診断で血圧、総コレステロール、中性脂肪、肥満度、HDLコレステロールの値などを検査し、動脈の健康度をこまめにチェックしていきましょう。
 
   知らないうちに進行し、様々な病気を引き起こす原因にもなる動脈硬化。しかもその危険因子は上に挙げたように多くの種類があります。しかし、裏を返せばこれらの危険因子は健康な体づくりの大敵と同じもの。「ヒトは血管とともに老いる」という言葉を胸に刻み、健康な血管を保つよう生活習慣を改善していきましょう。

 

 

2007年06月28日