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健康まめ知識

四十肩・五十肩。肩の痛みに 「冷え」は大敵!(2007年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
四十肩・五十肩。肩の痛みに

「冷え」は大敵!

 秋から冬へ移り行き、特に朝晩には強い冷え込みを感じる季節になりました。風邪に気をつけるのはもちろんですが、「冷え」によって引き起こされる関節の痛みにも注意したい季節です。肩や膝など、関節の痛みには、日頃のストレッチ運動と患部の温めが効果的です。今回は肩の痛み、四十肩・五十肩についてお話しします。
 
     

 

 
四十肩・五十肩とは
 
  五十肩・四十肩というのは俗称で、正しくは肩関節周囲炎といいます。中高年に多い肩のトラブルということでこの名で呼ばれています。老化によって硬くなった肩関節の腱(肩の骨を引き上げる筋肉が骨とつながる部分)や関節包(関節をスムーズに動かすためのクッションの働きをする箇所)の炎症が原因となって痛みが起こり、これが悪化して肩が上がらなくなる状態を「五十肩・四十肩」といいます。重症の場合は肩腱板(けんけんばん)損傷といって腱が完全に切れてしまうこともあり、その場合は手術が必要になります。そのため、痛みが強い場合は早めに医師の診断を受けましょう。
 
肩こりと五十肩・四十肩の違いは
 

 普通の肩こりは、猫背など姿勢の悪さや緊張などによって肩や首の筋肉が疲労し、血液の循環が悪くなって肩に張りや痛みが起こる「筋肉疲労」の症状です。一方、五十肩・四十肩は「関節の炎症」が原因で、肩の腱の炎症、腱板の損傷や断裂によるものなどがあります。五十肩・四十肩になると腕をねじったり上げ下げすると肩に痛みが起こり、思うように動かせなくなります。そして、痛いからと動かさないでいると、肩関節が固まったようにほとんど動かなくなってしまうこともあるので、そうなる前に少しずつ関節を動かして柔らかくしていきましょう。

 
こんな人は要注意
 

 関節は老化につれ硬くなっていくもので、特に運動不足の人は注意が必要です。40代以下の方も、以下の項目に当てはまる場合は日頃から肩関節のストレッチを心がけましょう。

   
 
最近運動不足である
腕を真横に上げると肩が痛む
背中に手が届きにくい
親戚に五十肩・四十肩の人が多い
   
 

 肩関節は、動かす機会が少ないと固まって炎症を起こしやすくなります。肩を回すなどの簡単な動きでも、意識的に肩関節の運動をしていきましょう。

   
五十肩・四十肩の予防
 

 肩の関節は、動かす機会が少ないと硬くなって炎症を起こしやすくなります。予防のためには日頃のストレッチが大切です。下記に紹介するような簡単な体操を、痛くない範囲で無理せず行ってみましょう。一度にたくさん動かすよりも、1日に数回少しずつ、毎日繰り返すほうが効果的です。

   
 
アイロン体操
 

アイロンなど、持ちやすく程よい重さの物を痛む側の手に持ち、肩の力を抜いて楽に下げ、ゆっくりと左右前後に振ります。

壁押し体操
 

壁に向って両手をつき、両肩に均等に体重をゆっくりとかけていき、肩の関節を意識しながら動かします。

タオル体操
 

タオルや棒などの両端を1mくらいの間隔で背中側に持ち、痛みのないほうの手を上に持ち上げ、痛むほうの肩を腕ごと上部に誘導するようにゆっくり引き上げます。次に痛みのないほうの手を下方に引くようにして、痛みのある肩の関節を動かします。

   
痛みは冷やさず温めて
 

 肩の痛みを感じたときは、無理にストレッチなどの運動をせず、安静にすること。関節の痛みに冷えは大敵なので、冷却スプレーなどで冷やすのは逆効果です。熱いお湯に浸したタオルを絞ったものを患部に当てて温めたり、ぬるめのお風呂にゆっくりつかるなどして肩関節を温めましょう。

   
 

 冬場は特に、冷えによる関節のこわばりが気になる季節です。そして、肩の痛みには寝ている間の冷えも大敵。タオルなどを首に巻いて寝たり、市販の保温器具などを利用して寝ている間も肩の保温を心がけましょう。また、日中も、肩を冷やしやすい襟ぐりの開いた服などは避け、マフラーなどで肩と首周りを温かく保ちましょう。

 

 

 

2007年11月28日