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健康まめ知識

気分スッキリ、昼寝のススメ。(2008年4月)

 

     
 
4月のテーマ:
気分スッキリ、昼寝のススメ。
 桜の花が咲き始め、新しい年度がスタートしました。春眠暁を覚えず、とはよく言ったものですが、ぽかぽか暖かくなってくると、朝方だけでなく日中もついウトウトと睡魔におそわれることも多いものです。特に昼食後は、季節を問わず眠気を感じた経験が誰しもあるのではないでしょうか。そこで、今回は「大人の昼寝」についてお話しします。
 
     

 

昼食後に眠くなるのは何故?
   食事をとると、体内の血液が消化管に集まり、脳への血液が少なくなります。また、食事をすることによって脳の満腹中枢が刺激を受けて、睡眠物質が働くために眠気がさそわれます。さらに、体内時計のリズムも大きな要因のひとつ。ヒトの眠気には半日リズムで山が2回あり、午前2時~4時に大きな山が、午後1時~4時に小さな山を迎えます。この小さな山と昼食後の時間が重なり、昼食後には眠気が起こりやすくなるのです。
午後の仕事効率
   この昼食後の眠気は意外と侮れず、デスクワークなどで眠気を我慢しながらの仕事で効率があがらないばかりか、工場など現場作業でのミスが起こりやすくなったり、交通事故が多発する時間帯であるとのデータも出ています。地中海沿岸や中南米諸国の暑い地方では、正午から午後3時までの時間を「シエスタ」(スペイン語で「昼寝」の意)の時間として社会全体が昼寝を公認する習慣が根付いているのも、こんな背景があるのでしょう。日本ではあまり「昼寝」の習慣はありませんが、昼休みを上手に利用して、午後からもスッキリ過ごせるためのお昼寝タイムを実践してみてはいかがでしょうか。
   
大人のための昼寝のコツ
   もちろん無理に昼寝をする必要はありませんし、どうしても時間がとれないときもあります。どうしても眠いとき、ぼんやりしてしまうとき、そして時間や環境が許すとき。これらの条件が揃った場合は、次に挙げるポイントに気をつけて昼寝をしてみましょう。

長時間眠らない
 

 あくまで「仮眠」なので、長時間の居眠りは禁物です。睡眠には脳が休息するためのノンレム睡眠と、身体の休息のためのレム睡眠があり、20分以上の睡眠は深いノンレム睡眠に入ってしまう恐れがあります。そのため、昼寝をするなら10分~20分程度の時間が理想的。身体を休息させようと脳の活動レベルが下がる前に目覚めることで、覚醒への移行に無理がなく、スッキリ目覚めることができる範囲内での昼寝をおすすめします。

横にならない
 

 これも「昼寝=仮眠」という位置づけから、必要以上に深い眠りに入ってしまうことを防ぐためのものです。背もたれに深めに腰掛けたり、机に伏せる、肘をつくなどの姿勢で昼寝をすること。ちなみに、昼寝とまではいかなくても、椅子に座ったまま数分間まどろむだけでも頭脳の疲れの回復には大きな効果があるとも言われています。

   
昼寝の効用
 
 このように、昼寝には短い眠りでも脳の活動レベルを下げる休息効果があり、疲労回復にも役立ちます。また、脈拍が減り、血圧も下がるなど、心身ともにリラックス効果が期待できます。ヒトの頭脳は絶えず活性化された状態にあるわけではなく、適度な気分転換や休息が必要という考えからも、昼寝の重要性は大きなものです。つい寝過ごしてしまったという失敗のないように、携帯のアラームなどで目覚ましをセットして20分を超えないようにすれば、適度にリフレッシュして午後からの時間をより快適に過ごせるでしょう。

労働省産業医学総合研究所の調査によれば、20、30歳代の男女30人を昼食後15分と45分の仮眠、睡眠なしの3グループの中で、刺激に脳が一番速く反応し、また一定時間に英文を書き写すテストでミスが少ないのはいずれも15分の仮眠をとったグループという結果が報告されています。上手に昼寝をとって、心身ともにスッキリした状態で午後からの仕事にむかいましょう。

   

 

 

2008年04月28日