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健康まめ知識

「鼻うがい」でスッキリ、花粉症対策(2009年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
「鼻うがい」でスッキリ、花粉症対策
 朝晩は冷え込むこともありますが、温かい日差しや桜のつぼみに、春の訪れを感じる季節になりました。しかし、花粉症に悩む方々にとっては、春の訪れは憂鬱なもの。インフルエンザや風邪の予防に引き続き、外出時にはマスクを手放せないという方も多いのではないでしょうか。今回は、花粉症の症状を少しでも楽にするための対策「鼻うがい」についてお話します。
 
     

 

花粉症とは?
 
 花粉症とはそもそもアレルギー反応の一種で、アトピーや食物アレルギーなどを持っているアレルギー体質の人は、特にかかりやすいと言われています。ウイルスや細菌などが侵入してくると、その「敵」のタイプを覚え、次の来襲に備えてぴったりの「抗体」を作っておくというのが免疫のシステムですが、それが過剰な反応を起こして本来は毒でもないスギなどの花粉にまで抗体を作り出してしまい、鼻や目についた坑原(花粉)を取り去ろうと、くしゃみ・鼻水・かゆみなどの防御システムが働く、というのが花粉症のメカニズムです。
 現在10人に1人が発症していると言われ、日本特有の現代病とも言える「花粉症」。その大きな原因となっているスギ花粉が飛散するのが今の季節です。予防のためには、原因となる花粉を吸い込まないことが第一なので、外出時のマスクやメガネの着用はもちろん、花粉の付きにくい素材の服を着る、外出後はすぐに着替える、こまめな掃除を心がけるなどして、花粉を室内に持ち込まない工夫も大切です。
 
「鼻うがい」の効果
   人間の身体には、目や耳、口などの孔があいていますが、常に孔が開いていて、外の空気を取り込んでいるのは鼻の孔だけです。そのため、鼻は空気中の花粉も取り込みやすく、また、鼻の前方には綿毛細胞がないので、ここに付着した花粉は長く残ってしまうことになります。「鼻うがい」は、鼻の中を洗浄し、花粉を洗い流すことで、花粉症の原因となる花粉そのものを取り去る効果を持っています。その他、アレルギー性鼻炎や口内炎、にきびやじんましんなどの症状改善にも効果があるという報告もあり、もちろん風邪の予防にも有効です。
   
「鼻うがい」のやり方
  ◎用意するもの

ぬるま湯100cc

(刺激を少なくするため、体温と同じくらいの37℃前後の温度を目安に)

食塩1g(血液とイオン構成が同じの天然塩を用意しましょう)
人間の体液と同じ、0.9%の濃度の食塩水を使用することで、刺激を最小限に抑えられます。水道水をそのまま使うと、鼻の粘膜を刺激してしまうので注意してください。

◎やり方

1.   お湯に食塩を入れ、よくかき混ぜます。(濃度0.9%の生理食塩水を使用してもOKです)
2.   顔を上に向け、片方の鼻の孔に少しずつ食塩水を流し込みます。(一方の鼻の孔を押さえ、コップの淵からゆっくり吸い上げるようにしてもOK)
3.   鼻の奥に食塩水が流れていくのを確認したら、前かがみの姿勢になって鼻か口から食塩水を出します。(このとき、鼻をかんで出すのではなく、自然に流れ出てくるままにまかせます)
4.   これをもう一度繰り返し、反対側の鼻の孔も同じように行います。
5.   慣れてきたら、食塩水を入れたあとに顔を傾け、鼻の奥の右側、左側も洗うようにします。(顔を傾けすぎて、耳に水が入らないように注意しましょう)

慣れてくれば、両方の鼻の孔を同時に洗浄しても大丈夫ですが、耳の方へ食塩水が入らないよう注意して行ってください。また、鼻うがいの最中や後に、鼻の中に食塩水が残った状態で鼻をかむと、耳に水が回ってしまうので、鼻をかまないよう注意しましょう。(中耳炎などの耳の病気の原因になることがあります) 最後に頭を下に向け、左右にゆっくり振るようにすると残った食塩水が鼻や口から出てくるので、ティッシュ等で拭き取るようにしてください。

   
   「鼻うがい」は、基本的に1日1回、帰宅後や夕食後、入浴前などに行うのがおすすめです。鼻の中を刺激するため、かえって鼻水が増えてしまうこともあるので、慣れるまでは外出前や就寝前などは避け、余裕のある時間帯を選ぶといいでしょう。「痛そう」「難しそう」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、「すっきりした」「楽になった」という感想を持つ鼻うがい経験者も多いので、花粉症の方は是非試してみてください。

 

 

2009年03月28日