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健康まめ知識

身近な危険「やけど」の予防と応急手当について(2009年12月)

 

     
 
12月のテーマ:
身近な危険「やけど」の予防と応急手当について
 早いもので、今年も残すところあと1ヶ月になりました。大掃除など新年を迎える準備に追われ、何かと慌しいこの時期は、注意力も散漫になってしまいがちです。最近でも、電子レンジで加熱するタイプの湯たんぽが破裂する事故が話題となりましたが、やけどは冬場の家庭で起こりやすい事故のひとつ。今回は、やけどの危険を取り除く「予防」と、やけどしてしまった場合の「応急処置」についてお話します。
 
     

 

やけど(火傷・熱傷)とは
 
 やけどとは皮膚に高温が作用したために起こる傷害のこと。皮膚症状が中心ですが、やけどを受けた面積が広ければさまざまな全身症状があらわれることもあり、炎によるものは、熱湯によるものと比べて重症となることが多いとされています。

やけどの範囲が狭く、軽度のものであれば皮膚症状(赤くなったり・はれたり・痛み)のみで数日で治りますが、範囲が広く深いものでは皮膚症状のほかに、血圧の低下やショック状態などのさまざまな全身症状が現れます。やけどの程度は熱の温度と皮膚に作用する時間によって決まり、受傷の深さによってⅠ度からⅢ度までに区分されています。

ちなみに、生命の危険度(重症度)は受傷面積とその深さによって決まり、

成人では受傷面積が体表面積の40%以上で生命の危機、20%以上でショックをおこす危険がある。
乳幼児や老人では30%以上で生命の危機、10%以上でショックをおこす恐れがある。

とされています。体表面積の1%の目安は人の手のひら1つ分ですが、乳幼児の体表面積の10%は大人の手のひらの2つ分に相当するため、特に注意が必要です。

 

やけどを予防するには
   まず第一に、熱を発するものに触れないよう気をつけることが大切です。小さな子供のいる家庭では特に、やかんやポット、使用中のアイロンなどの置き場所には十分注意をしましょう。最近はストーブなどの暖房器具の全体が熱くなることは少なくなりましたが、吹き出し口の近くは高温になることもあるので、うっかり触れないようゲージを設置するなどの対策をしておきましょう。また、ストーブなどの温風や、ホットカーペットの熱を長時間同じ箇所に当て続けていると「低温やけど」の原因にもなります。

その他、炊飯器の蒸気や鍋の蓋など見落としがちな熱源や、熱いお風呂など、意外な場所にもやけどの危険は潜んでいます。

 
やけどの応急処置
 
 やけどを負ってしまった場合は、とにかく早めに冷やすことが大切です。高温のものに触れたときは直接流水で5分以上(直接流水をあてられないときは氷嚢などを使う)、目安としては痛みを感じなくなるまで冷やします。衣服の上から熱湯をかぶってしまった場合は、服や下着、靴下、オムツなど直接皮膚に触れているものは脱がせずに、衣服の上からシャワーなどの流水で冷やすようにしましょう。慌てて脱がせると水泡がつぶれたり、場合によっては皮膚がむけてしまう危険があります。

赤みやヒリヒリ感が数時間で治まる軽度のやけどは問題ありませんが、範囲や広いやけどや深度の深いやけどは、感染を起こしたり跡が残ってしまったりする恐れがあります。やけどは受傷直後の応急処置がもっとも重要で、初期治療が遅れるとキズは深くなり、治療期間も長くかかることになるので、あきらかに軽度のやけど以外は早急に医師の診断を受けましょう。軽度のやけどに見えても、数時間後に水泡ができた場合は、破れて感染を起こす恐れがあるため念のため受診してください。また、口や鼻の周りのやけどは、表面からは見えなくても熱いものを吸い込んで内部にやけどを負っていることもあるので注意が必要です。

 

   熱い味噌汁やコーヒーをうっかりこぼしてしまったり、調理中や調理直後の熱い鍋やフライパンなどに触れてしまったり、ちょっとした不注意で起こるのがやけどの事故。普段から注意するとともに、大掃除の機会にもう一度家庭内に危険がないかどうか見渡してみてください。

 

 

2009年12月28日