風邪、肌荒れ…“乾燥注意報”にご用心!(2011年2月)
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乾燥注意報とは | |
テレビのニュースや天気予報などで、最近よく耳にする「乾燥注意報」。地域によっては、消防隊が火の用心のお知らせに回っている光景をよく目にするという方も多いのではないでしょうか。この乾燥注意報は、” 空気の乾燥による火災発生”の注意を促すものとして気象庁が発表するもので、首都・東京においては今年に入って連日この乾燥注意報が発表され続け、歴代の連続記録に迫る勢いだそうです。 乾燥注意報の基準となるものは「実効湿度」と「最小湿度」です。実効湿度とは、その日の空気の乾き具合を示すのではなく、数日前からの空気の状態を考慮して計算したもので、日本の家屋に多く使われている” 木材の乾燥具合”を示しています。 また、最小湿度は文字通り1日の中で最も低い湿度のことで、数字が低ければ低いほど空気が乾燥していることになります。どれくらいになると注意報が発表されるのかは地域によって多少の違いがありますが、平均的に” 実効湿度が50パーセントから60パーセント以下”になると火災の危険性が高まるので、各地とも50パーセントから65パーセントで、ほぼ一律に発表されます。 しかし、もう一つの基準である最小湿度は地域によってばらつきがあり、南の沖縄では50パーセント、札幌では30パーセントが基準となっています。東京ではさらに低く、最小湿度が25パーセントにならないと発表されません。これは空気中に含まれる水蒸気の量に関係しています。(ちなみに東北地方は実効湿度と最小湿度だけでなく、風速も考慮にいれて乾燥注意報が発表されます) |
冬はなぜ空気が乾燥するのか | |
ではなぜ冬場は空気が乾燥するのでしょうか。それは”飽和水蒸気量”に関係します。小学校の理科で習うものですが、改めて解説すると、飽和水蒸気量とは空気中に溶け込める最大の水蒸気量のことで、空気中にふくまれる水蒸気の量は「その空気1m3中に含まれている水蒸気の質量」で表されます。この飽和水蒸気量は気温が下がると低下するため、気温の低い冬場は空気が乾燥するのです。例えば、気温30℃では飽和水蒸気量は30g/m3ですが、気温0℃では、5g/m3までしか溶け込めません。そのため、気温が低いほど空気は乾燥していくのです。
また、太平洋側は冬になると季節風(北西の風)が吹きますが、この風は大陸性高気圧より噴出し、日本海を渡るとき大量に水蒸気を吸収し日本の山に当たり日本海側に雪を降らせます。雪を降らせた後の風は水分が少なく乾燥しているので、その風が太平洋側に吹きますのでその地域はさらに乾燥することになります。 ちなみに、冬に白い息が良く見られるのは、呼気に含まれる水蒸気が空気中に溶け込めずに空中で結露して見えるからです。 |
冬場に乾燥肌が多い理由 | |
このように、冬場は空気が乾燥するためどうしても肌の水分が失われてしまい、乾燥肌になる人が増えます。また、冬は運動量が低下しがちで、皮脂も汗も分泌量が少なくなるため、肌を保湿から守る“天然の保湿クリーム”が少なくなるのも乾燥肌を引き起こす原因のひとつです。 さらに、冬は気温が低くて血流が悪くなったり新陳代謝が低下するため、肌のターンオーバー(肌が生まれ変わる周期)も遅れがちになります。肌の表面に粉が吹いたようになったり、フケが増えたりするのは、古い角質が肌の表面にカラカラに乾いたまま残ってしまうためだと考えられます。 また、冬に使う暖房器具も肌を乾燥させてしまう大きな原因です。特にエアコンによる暖房や、燃焼をしない電気暖房器具を使っている場合の室内の湿度は驚くほど少なくなっているのです。乾燥した室内にいると肌表面の角質層から蒸発する水分量が増えるため、当然お肌も乾燥していきます。他にも、寒い日は熱いお風呂に入りたくなるものですが、熱いお湯につかると皮脂の油分が奪われてしまい、これもお肌の乾燥を招くのです。 |
手軽にできる乾燥対策 | |||||||||||||||||||||||||
空気が乾燥する冬は、お肌の乾燥だけでなく、ウイルスが繁殖しやすくなるため風邪やインフルエンザにも注意が必要です。乾燥を抑えるためには”加湿”が一番。家庭や職場などで気軽にできる乾燥対策をご紹介します。
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