その第一歩は病気に対する本人の自覚と治療の意志をもたせ、専門医への受診をすることです。その際、もっとも困るのは「自分は依存症なんかじゃない」と否定する気持ちです。プライドが高い人ほどそうした気持ちを抱きやすく、「自分はちがう」と反発しがちです。アルコール依存症はあらゆる疾患に直結する病気であることに気づいて、謙虚な気持ちで病気と向かい合ってください。
依存性薬物であるアルコールを断つことは並大抵の努力ではなく、一生涯これを続けることは想像以上の困難を伴います。このため、断酒をサポートする様々な試みがなされており、アルコール依存症患者とその家族によって作られた自助グループ『断酒会』などが組織化されています。断酒を続けることを互いにサポートし合い、酒害をはじめ、アルコール依存に対する正しい理解・知識を広く啓蒙する活動なども行っています。
吉田兼好も「酒は百薬の長とはいへど、よろずの病は酒よりこそ起これ」と鎌倉時代から適量飲酒の大切さと大量飲酒の危険を詠んでいます。危険な飲酒を避け、適正な飲酒量を心がけることで、多くの人がいつまでも健康にアルコールを楽しむことができることのでしょう。
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