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健康まめ知識

健康寿命とは?老後の健康のためにできること(2020年10月)

 

“人生100年時代”ともいわれ、多くの方が長生きする現代。長い人生のうち、できるだけ長い期間を健康な状態で過ごせると理想です。ここでは、そんな今こそ知っておきたい「健康寿命」の考え方をご紹介します。健康寿命と平均寿命の違いや、健康寿命を延ばすためにできることをお伝えするため、ぜひご一読ください。

 

 

◆健康寿命とは?平均寿命との違い

厚生労働省が発表した「平成30年簡易生命表」によれば、国内における男性の平均寿命は81.25年、女性の平均寿命は87.32年となっています。前年度の平成29年のデータでは男性が81.09年、女性が87.26年でした。平均寿命は男女ともに80年を超え、年々伸びる傾向にあります。その一方で、近年では“健康寿命”にも注目が集まっています。

健康寿命とは、平均寿命から不健康な期間を差し引いた寿命のことです。ここでいう不健康な期間とは、寝たきりや認知症などの状態にあり、健康上の問題から日常生活に制限がある期間を指します。健康寿命が長いと、生涯で健康に過ごせる期間が長いということです。従来の平均寿命に対して、世界保健機関(WHO)が新しい寿命の指標として提唱しました。

健康寿命を延ばすと、私たち一人ひとりの生活の質が高まるだけでなく、医療費や介護費など社会保障の負担を軽くすることにもつながります。それでは、健康寿命を延ばすためには、どんなことに取り組むべきでしょうか。次に、国内の取り組みをご紹介します。

参考:厚生労働省 平成30年簡易生命表の概況「1 主な年齢の平均余命」

 

◆健康寿命を延ばすための取り組み

国内では、2000年から2012年にかけて「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の取り組みが行われてきました。その結果、生活習慣が原因で起こる「メタボリックシンドローム」を認知する国民の割合が増加したり、80歳で20歯・60歳で24歯を有する人が増加したりと、一部の項目で目標を達成しました。そんな「健康日本21」の評価を踏まえて、2013年から2022年にかけて新たに「健康日本21(第二次)」の取り組みが始まっています。医療・介護分野では、健康寿命を延ばすため幅広い支援が推進される見込みです。

 

◆健康寿命を延ばすためにできること

健康寿命を延ばすためには、一人ひとりが自分の生活習慣を見直すことが有効です。日頃の食事や運動の習慣、喫煙や飲酒の習慣などのライフスタイルが、生活習慣病と大きく関わっています。たとえば、食事の栄養バランスを意識したり、塩分の摂り過ぎを避けたりする日々の心がけが、健康寿命を延ばすことにつながります。適度な運動と十分な睡眠も欠かせません。お酒やタバコなどの嗜好品が引き起こす健康被害について知り、上手に付き合うことも大切です。健康寿命を延ばして生活の質を高めるために、できることから始めましょう。

 

特に近年では、メタボリックシンドロームのほかに、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」への注目が高まりつつあります。これは、骨・関節・筋肉の衰えにより、介護が必要となるリスクが高い状態のことです。移動手段が発達した現代は、自分の足腰を使う機会が減り、体の移動機能が低下しやすいといえます。なお、健康日本21(第二次)の目標には、ロコモの認知度を高めることが含まれています。健康寿命を延ばすために、運動不足のリスクを理解し、日常生活のなかで体を動かす機会を作ってみてはいかがでしょうか。ご自身のライフステージに応じて、適切な身体活動量を保ちましょう。

 

現代を生きるうえで知っておきたい「健康寿命」についてお伝えしました。生活の質を高めるために、まずはご自身の日常生活を見直すことから始めてみましょう。長い人生をできるだけ健康な状態で過ごすために、お伝えした内容をお役立てください。

2020年10月02日