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健康まめ知識

冷房病とは?夏場に冷房と上手に付き合うための対策法を紹介(2022年6月)

気温が高くなる夏場は、熱中症の予防として冷房(エアコン)の使用が推奨されています。暑い時期でも涼しく快適に過ごすことができる冷房は、夏には欠かせない存在といえるでしょう。一方で、設定温度が自由に変えられないオフィスや学校などでは、「冷房病」と呼ばれる弊害も起きています。今回は、冷房病の基礎知識や、予防・対策法についてご紹介します。

◆冷房病とは?

冷房病(クーラー病)とは、冷房が効いた寒い部屋で過ごしたり、気温差の激しい屋内外を行き来したりすることで起こってしまう、さまざまな体調不良のことです。人それぞれ体感温度や適温は違いますが、オフィスや学校では冷房の設定温度が自由に変えられない場合も多いでしょう。そのため、冷房に合わせて羽織ものを準備しておくなど、対策が必要とされます。冷房が効きすぎて寒いと感じても、対策を取らずに我慢していると冷房病になってしまうおそれがあるため注意しましょう。

◆冷房病の原因と症状

人間の体は、自律神経の働きによって体温を一定に保つよう調節し、気温の変化に順応できるようになっています。暑さを感じると血管を広げて血流を良くし、汗をかきやすくすることで熱を逃がそうとします。一方、寒さを感じると血管や筋肉を収縮させ、熱の放出を防ごうとするのです。

体が気温の変化に慣れるには、2週間ほどかかるといわれています。その間、しっかり体調管理を行えば、自律神経に負担をかけることなく慣れていくことが可能です。しかし、冷房の効きすぎているオフィスで長時間仕事をしたり、温度差の激しい屋内外を行き来したりすると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経が正常に働かなくなると、気温差に体がついていけなくなり、さまざまな不調が起きてしまうのです。

冷房病の症状として、体のだるさや倦怠感、頭痛、腹痛、肩こり、風邪症状、食欲不振、消化不良、不眠などが挙げられます。自律神経が乱れると体温調節がうまくできなくなるため、「冷え」に対する抵抗力が弱くなってしまうのです。この「冷え」によって引き起こされるさまざまな体調不良は、総称して冷房病と呼ばれています。また、自律神経はホルモンにも大きく関わっているため、女性は生理不順や生理痛の悪化などがみられる場合もあります。

◆冷房病予防と対策法

冷房病を予防するためには、できるだけ自律神経への負担を減らすことが大切です。オフィスや学校で、すぐに取り入れられる対策法をご紹介します。

◎体を冷やさない服装

冷房の設定温度が自由に変えられない環境にある場合は、できるだけ体を冷やさないようにする必要があります。カーディガンやひざ掛けを持参したり、腹巻を着用したりと自衛しましょう。また、体を温めるためには、首・手首・足首を温めると効率がいいといわれています。スカーフやレッグウォーマーなどを活用し、冷えを予防しましょう。

◎体を冷やさない食事・飲み物

暑い夏は、冷たい食事や飲み物を摂ってしまいがちですが、冷たいものを摂取すると、体を内外から冷やすことになります。冷房病を予防するなら、意識的に温かい食べ物・飲み物を摂るようにしましょう。また、体を温める効果があるとされる、ショウガやネギ、玉ねぎ、にんにく、唐辛子などを積極的に食事に取り入れるのもおすすめです。

◎適度な運動と入浴

日ごろから適度な運動を取り入れると、血流が良くなり体が冷えにくくなります。デスクワークの場合は、定期的に席を立ち、歩いたり、屈伸運動をしたりして足先まで血液が流れるよう工夫しましょう。また、暑い時期のお風呂はシャワーのみで済ますという方も多いようですが、湯船に浸かることも冷房病を予防に効果的です。入浴後の湯冷めを避けるために、ぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。

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冷房病の基礎知識や、予防・対策法をご紹介しました。夏の暑い時期を涼しく快適に過ごせる冷房は、熱中症対策としても不可欠です。冷房病対策をとりながら冷房と上手に付き合い、健康に夏を乗り切りましょう。

 

2022年06月01日