画像

健康まめ知識

寝違えの原因って何?正しい対処法と予防法で悪化を防ごう!(2022年11月)

朝起きたときに、首に強い痛みを感じて動かせなかったり回せなかったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。このような症状は、一般的に「寝違え」と呼ばれています。寝違えは、本格的な体調不良とはいい切れないまでも、肩や首の痛みで動きが著しく制限されてしまいます。通常、時間の経過とともに改善していきますが、一日中不快で気になってしまうためできるだけ早く改善したいもの。今回は、多くの人を悩ませている小さな不調の一つ、「寝違え」の正しい対処法と予防法をご紹介します。

◆寝違えの症状と原因について

「寝違え」は、医学用語でいうと「急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」と呼ばれます。肩や首周りのじん帯や筋肉に、急性の炎症が起きることで首や肩に痛みが生じる状態です。まずは、寝違えの症状と、原因についてご紹介します。

・寝違えの症状

寝違えは、検査などで判断できるほどの変化が現れないのが一般的です。そのため、寝違えかどうかは自己判断になります。主な症状は、首の後ろや肩にかけての筋肉痛のような痛みです。じん帯や筋肉が炎症を起こしているため、首を曲げることや回すことが困難になったり、起き上がれなくなったりすることがあります。まれに、手の痺れや肩こりを伴う場合もあります。

・寝違えの原因

寝違えは、検査しても骨に異常がみられるわけではないため、明確な原因を特定することはできません。しかし、寝違えの主な原因は、睡眠中の不自然な姿勢とされています。睡眠中は筋肉が緩んだ状態になるため、不自然な姿勢が長時間続くと筋肉や腱が伸びたり頸椎や背骨に負担がかかったりします。その結果、神経の傷みや血行不良が起こり、寝違えを発症してしまうのです。枕やベッドなど、体に合わない寝具を使用していると寝違えを起こしやすいため注意しましょう。

ほかにも、普段しない運動をしたときや重いものを持ちすぎたときなど、一部の筋肉が痙攣していると寝違えが起こりやすくなります。

◆寝違えてしまったときの対処法

寝違えてしまったときは、無理に痛い方向に動かそうとせず安静にしましょう。炎症が悪化し、かえって痛みが増してしまう可能性があります。強い痛みや熱感のある腫れを伴う炎症を起こしている場合は、冷やすことで痛みを和らげることが可能です。冷湿布や氷嚢を患部にあて、痛みや腫れが治まるまで冷やしましょう。

腫れや痛みが落ち着いたら冷やすのをやめて、首や肩の筋肉の緊張をほぐすために温めるのがおすすめです。痛みを感じない程度のストレッチが有効な場合もありますが、痛みを我慢して行うストレッチは、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるため注意しましょう。

寝違えは、基本的に安静にしていれば数時間から数日で治りますが、あまりにも痛みが強い場合や早く治したい場合などは、整形外科を受診してください。

◆寝違えを予防しよう!

寝違えの主な原因は寝ているときの不自然な姿勢であるため、正しい姿勢で寝ることを心がけたり、就寝環境を整えたりすることで寝違えを予防できます。

腰が沈みすぎるベッドや寝返りしにくい高さの枕などは、使用を見直しましょう。自然な寝返りができる寝具を使用することで、筋肉や背骨への負担が軽減されるため、不自然な姿勢の予防に効果的です。

また、筋肉が緊張やコリで硬くなっていると寝違えやすくなります。しっかり湯船に浸かって体を温めたり、寝る前に軽いストレッチをしたりして筋肉をほぐしておきましょう。

寝違えてしまったときの対処法や予防法についてご紹介しました。寝違えの主な原因は、寝ているときの姿勢にあります。不自然な姿勢になってしまわないよう、寝具や就寝環境を見直しましょう。寝違えは、基本的には安静にしていれば改善する症状ですが、強い痛みや腫れなどの症状がある場合は、ご紹介した対処法を試してみてください。

2022年11月01日