年末年始に“寝だめ”すると逆効果?疲れを残さない正しい睡眠リズムの整え方(2025年12月)

年末年始は、大掃除・買い出し・帰省・カウントダウン・初詣などイベント続きで、どうしても睡眠が不規則になりがちです。「休みなんだから寝だめでリセットすれば大丈夫」と考える人も多いですが、実は寝だめは体内時計を乱し、余計に疲れを引きずる原因にもなります。この記事では、年末年始に疲れを溜め込みやすい理由と、無理なく睡眠リズムを整える方法を分かりやすく紹介します。
◆なぜ年末年始は睡眠リズムが崩れやすい?
年末年始は、さまざまな理由で体が疲れやすいため、睡眠リズムに影響を及ぼす可能性が高い時期といえます。まずは、年末年始に睡眠リズムを崩しがちな理由をご紹介します。
◎イベント続きで生活時間が後ろ倒しになる

年末年始は、大掃除や仕事納めの準備、買い出しなどのタスクが多く、普段より夜の活動量が増えやすい時期です。さらに、大晦日のカウントダウンや初詣など、夜遅くまで起きている前提の行事も多いため、自然と就寝時間が後ろ倒しになります。この「寝る時間のズレ」が数日続くだけでも体内時計は乱れやすく、翌日の眠気やだるさにつながります。
◎帰省・移動で疲労が蓄積しやすい
年末年始は長距離移動が増えるのも特徴です。車の運転、新幹線や飛行機での移動は、一見“座っているだけ”でも意外と体力を使います。姿勢が固定された状態で長時間過ごすと血流が滞り、肩こりや腰の疲れが強まり、その疲れが夜の睡眠質を下げることがあります。加えて、実家や宿泊先での寝具の違いや生活音の変化も影響し、眠りが浅くなる人も多いです。
◎食事リズムの乱れが睡眠にも影響する

忘年会や新年会、おせち料理などで食事の時間や量が大きく変わるのも、この時期ならではです。とくに、夜遅くに重たい食事を摂ると、消化にエネルギーが使われてしまい、寝つきが悪くなったり、夜中に胃が重く感じたりすることがあります。食事リズムの乱れは自律神経にも影響を与えるため、結果として睡眠の質を低下させ、翌日の疲労感につながりやすくなります。
◆“寝だめ”はなぜ逆効果になるのか?休日に起こりやすい体内時計の乱れ
「休日にたくさん寝れば、その分疲れがとれるはず」と考えがちですが、実際には逆効果になるケースも少なくありません。とくに年末年始のように不規則な生活が続きやすい時期は、寝だめが体内時計に大きな影響を与えます。
◎起きる時間が遅くなると体内時計が後ろにずれる

寝だめをすると、通常より起床時間が大きく遅れやすくなります。体内時計は「起きる時間」に強く影響されるため、いつもより何時間も遅く起きると、翌日の眠気や寝つきにもズレが生じます。その結果、休日明けに元の生活リズムに戻しにくくなり、だるさが数日残る原因になるのです。
◎睡眠の質が下がり、かえって疲れがとれにくい
長く眠れば回復するというわけではなく、必要以上に寝ると深い睡眠の割合が減り、眠りが浅くなることがあります。「たくさん寝たのに頭がぼんやりする」「体が重い」と感じるのは、睡眠の質が下がったサインです。とくに昼近くまで寝てしまうと、夜間の睡眠欲求が弱まり、寝つきにくさを招きます。
◎昼寝や二度寝が夜の睡眠に影響する
年末年始はこたつでのんびり過ごす時間も増え、二度寝や長時間の昼寝が起きやすい時期です。これらも夜の睡眠欲求を削ぐため、就寝が遅れたり眠りが浅くなったりする原因につながります。
◆年末年始でも実践しやすい、睡眠リズムを整えるコツ
無理に完璧な生活を目指さなくても、年末年始の乱れた睡眠リズムは小さな工夫で整えられます。ここでは、忙しい時期でも取り入れやすい実践的な習慣を紹介します。
◎「起きる時間」だけはなるべく揃える

睡眠リズムを整えるうえで最も重要なのが、就寝時間より“起床時間”を一定に保つことです。夜が遅くなっても、起きる時刻が大きくずれなければ体内時計は乱れにくくなります。どうしても眠い場合は、20~30分の短い昼寝で調整すると夜の睡眠に影響しにくくなります。
◎朝の光をしっかり浴びて体をリセットする
起きたらすぐにカーテンを開けて日光を浴びることで、体内時計がリセットされます。冬は朝でも暗い日がありますが、窓際で過ごしたり、軽く散歩に出たりするだけでもリズムを整える効果があります。朝の光は眠気を和らげ、その日のパフォーマンスも高めてくれるでしょう。
◎夜はスマホ・テレビの光を控えめにする
夜遅くまで明るい画面を見続けると、脳が「まだ昼間」と勘違いし、眠りの準備が遅れてしまいます。就寝1時間前は照明を少し暗くし、スマホ操作を控えるだけでも寝つきがスムーズになります。年末年始はついだらだら見てしまいがちなので、意識して切り上げるのが効果的です。
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年末年始は普段以上に生活リズムが乱れやすい時期です。疲れをとるつもりの寝だめも、やり方次第では体内時計を狂わせてしまい、逆にだるさや眠気を引きずることにもつながります。無理に完璧を目指す必要はありませんが、起床時刻を揃える、朝に光を浴びるなど、小さな習慣が年明けの体調を大きく左右します。忙しい時期だからこそ、自分のペースを整える睡眠ケアを意識して、気持ちよく新年を迎えましょう。

