日々の健康のために鼻呼吸を心がけよう!(2018年10月)
つい口呼吸が癖になっているために、鼻から自然と息を吸えない状態になっていないでしょうか? 口呼吸には、虫歯のリスクを高めたり、歯並びを歪ませたりと、さまざまなデメリットがあります。健康のためにも鼻での呼吸を心がけましょう。こちらでは、口呼吸の危険性や鼻呼吸のメリットについてご紹介します。
◆口呼吸のデメリット
無意識に口で息を吸ってしまうことがある方は、健康のためにも意識して鼻呼吸を続けましょう。口呼吸にはさまざまなデメリットがあります。
たとえば、虫歯や歯周病のリスクが上がることです。唾液には、口内の細菌を殺したり、汚れを洗い流したりする働きがあります。しかし、口呼吸をすると口の中が乾燥してしまい、虫歯や歯周病の原因となる菌を取り除きにくくなります。歯の健康を守るためにも、口での呼吸は避けましょう。
また、子どもの場合、口呼吸によって歯並びが悪くなるケースがあります。歯並びは、内側からの圧力と外側からの圧力の均衡が保たれるように形成されます。しかし、口呼吸を続けていると、唇や頬の筋肉といった外側からの圧力がかからず、歯並びが歪みやすくなるのです。子どものうちは、特に口呼吸に気をつけましょう。
さらに、風邪やアレルギーのリスクも高まります。鼻から呼吸する場合は、呼吸時に細菌やウイルスを排除して空気を取り込めますが、口呼吸ではそのまま吸い込んでしまいます。健康のためには、できるだけ口で呼吸することを避けてください。
◆口呼吸チェックリストで確認してみよう
自分が口呼吸をしているかどうか判断できないという方もいらっしゃるかもしれません。口呼吸しているか分からないという方は、以下の点を確認してみましょう。
- 唇がよく乾燥する
- 上唇が富士山型をしている
- 唇を閉じようとすると、顎に力が入ってしわができる
- いびきをかくことが多い
- 鼻炎
- 鼻の穴を意識して動かせない
- 上下の唇の厚さが異なり、下唇のほうが厚みがある
- への字口になっている
- 意識していないと口が開いてしまう
ここで挙げた内容に当てはまる項目が多い方ほど注意が必要です。
◆鼻が持つさまざまな機能
人間の体は、本来鼻で呼吸するようにできています。そのため、鼻には呼吸にかかわるさまざまな機能があります。
まず挙げられるのは、取り込んだ空気を加湿する機能です。鼻の中にある鼻水は、入ってきた空気に湿り気を与えるために使われています。このような機能があることから、鼻呼吸により入ってくる空気は湿度が高められた状態になっています。
空気中の細菌やウイルスを殺菌できるのも、鼻呼吸の特徴です。鼻粘膜に生える線毛と粘液層により、入ってきた異物の多くを除去できます。
加えて、鼻の機能によって空気を暖めることも可能です。口呼吸では冷たいままの空気が肺まで届けられますが、鼻呼吸をすれば空気が35~37度まで温まります。そのため、肺の免疫力が低下するリスクを抑えられるのです。
今まで口呼吸をしていた方は、鼻呼吸に切り替えるよう心がけてみてください。
◆口呼吸から鼻呼吸に切り替える方法
長い間口呼吸を続けていた方にとって、鼻呼吸に切り替えるのは簡単ではありません。
中には鼻が詰まっていて、鼻で息を吸えないという方もいらっしゃいます。そのような場合は、まず耳鼻科に行って鼻詰まりを改善してから口呼吸に挑戦しましょう。一時的な鼻詰まりの場合は、鼻の血流が悪くなっている可能性があります。鼻を温めて血行を促進し、呼吸がしやすくなるかどうかをお試しください。
鼻詰まりのような問題がない場合、口周りの筋肉が緩んでいたり、口で呼吸するのが癖になっていたりする可能性があります。癖を治したい場合は、テープを使って口周りの筋肉を鍛えましょう。寝る前に鼻呼吸用のテープで唇を固定しておけば、睡眠中に自然と鼻呼吸ができるようになります。
鼻呼吸には多くのメリットがあるため、慢性的な口呼吸の方はぜひ練習してみてください。日々の健康を守るためにも、できるだけ意識をして鼻呼吸へと切り替えましょう。