深い呼吸で心も体も健康になろう!(2017年5月)
忙しい毎日を過ごしていると、気づかないうちに呼吸が浅くなっていることはないでしょうか。浅い呼吸をしていると疲れが取れにくくなり、メンタルにも悪い影響が出ます。きちんと休んでいるのに疲れが取れない人や、しょっちゅうイライラしたり落ち込んだりしてしまうという方は、ぜひ腹式呼吸に変えてみましょう。お腹まで深く息を吸い込むことで、心身ともにリフレッシュできます。
◆間違った呼吸の仕方は疲れや体調不良を招く
呼吸は心身のさまざまな面に影響しています。それは呼吸の仕方と自律神経が密接に関係しているからです。息を吸うときは交感神経が刺激され、息を吐くときは副交感神経が優位となり、リラックスに必要なセロトニンが分泌されます。もしも慢性的に呼吸が浅くなっていれば、休んでいるときでも身体が活動中だと勘違いして交感神経優位の状態が続きます。その結果、セロトニンが不足し、いつも緊張状態で疲れもなかなか取れない状態になりやすいのです。
そのため、睡眠をとっているにもかかわらず眠気を催したり、代謝が落ちて痩せにくくなったりします。さらには、血行不良を起こしてむくみや便秘などの不調を招くことも。しかも現代社会は仕事の激務や対人関係などストレスを抱えがちで、自然と呼吸も浅くなりがちです。
また、姿勢にも要注意。猫背の姿勢は胸郭が潰れた状態になり、呼吸時に上下に動く横隔膜の動きが妨げられた結果、浅い呼吸しかできません。浅い呼吸かどうか確かめるには、ゆっくりと20秒以上かけて息を吐いてみること。20秒未満になってしまう場合は、浅い呼吸の可能性があります。
◆慣れれば簡単!腹式呼吸のやり方を覚えよう
呼吸が浅い人はお腹で息を吸わず、胸で吸い込む胸式呼吸になっています。胸式呼吸では胸のあたりだけを使って息を吸ったり吐いたりするので、どうしても呼吸か浅くなりがちです。腹式呼吸に変えて、深く呼吸できるようになりましょう。
やり方はまず、お腹を楽にゆるめて鼻からゆっくり息を吸い込みます。手をお腹に乗せて、お腹が膨らむのを感じながら行うとやりやすいです。次にお腹をぐっとへこませながら、口からゆっくりと息を吐きます。お腹が筒状に縮まることを意識しながら吐くとより効果的。吐き出しにくい場合は、ケーキのロウソクを消すように何回かに分けて息を吐くといいでしょう。息を吐くときは身体の中にある悪いものが外へ出ていくイメージをし、吸うときにはきれいな空気が体の中を洗い流してくれるように思い描いて呼吸をするとさらに効果が高まります。
腹式呼吸は簡単そうに思えて、今まで浅い呼吸をしてきた人や、吸ったり吐いたりするときのお腹の動きが逆になっている人にはなかなかうまくできない呼吸法です。慣れないうちは難しいですが、習慣化すると考えなくてもできるようになるので、ぜひ思い出したときに取り組んでみましょう。
◆深い呼吸に変えれば、自律神経が整い疲れもとれる
呼吸を整えることで得られる一番のメリットは、自律神経が整うことです。基本的に自分の意志でコントロールできない自律神経に、唯一自分の意志で働きかけることができるのが呼吸だといわれています。自律神経は内臓や血管の働きをコントロールしているため、整うと腸の調子が良くなったり、冷えを改善したりという効果が期待できるのです。
ゆっくり息を吐き出すことを意識すれば副交感神経の働きが強まり、体を休めているときもよりリラックスできるでしょう。ほかにも、正しい呼吸で脊椎起立筋が鍛えられることにより姿勢が正しくなったり、深く呼吸をすることで肩や首の筋肉がストレッチされて肩こり・首こりが改善されたりと、たくさんのメリットが得られます。呼吸が浅くなっていると感じたら、ぜひ深い呼吸を心がけてみてください。