眠るときの姿勢は健康に影響する?(2018年4月)
間違った姿勢で眠ると、疲れが取れなかったり、体に負担がかかったりします。もっとも健康的だと考えられているのは、仰向けの姿勢です。寝返りが打ちやすく、体の一箇所だけに負担が集中しにくくなっています。今回は、睡眠時の正しい姿勢と、どうしたら良い姿勢で眠れるのかについてお伝えします。
◆眠るときの姿勢が健康に影響することも
いつも眠るときの姿勢は、健康に影響を与えることがあります。正しい姿勢で眠れば、日中の疲れが取れますが、間違った姿勢で眠るとあまり体が休まりません。
睡眠中、とても大切なのが寝返りです。健康な方の場合、一晩に20~30回寝返りを打つと言われています。それよりも少なかったり、多かったりする場合は、熟睡できていない可能性が高くなります。
人間は同じ体勢で長時間寝ていると、体重がかかる部分の血管が圧迫されて、血流が滞ります。そのため、寝返りを打つことで、一箇所に負担がかかるのを防いでいるのです。また、寝返りには肩や腰にかかる負担を分散させて、肩こりや腰痛を防ぐ働きもあります。
さらに寝返りは、睡眠リズムを整えるきっかけも作ってくれます。睡眠中は、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されますが、切り替わるのは寝返りを打つタイミングであることが多いのです。体が休まりやすい姿勢は、寝返りがきちんと打てる姿勢だと考えられています。
◆どんな姿勢で眠れば良い?
人は眠っている間に何度も寝返りを打つため、その姿勢は一定ではありません。しかし、眠り始めの姿勢は、睡眠の質に影響します。
もっとも健康的だと言われているのは、仰向けです。仰向けで眠ると、血液が無理なく全身を巡るため、血栓ができにくくなります。また、呼吸が深くなり、寝返りも打ちやすくなります。より健康に良いのは、仰向けの状態で手足を広げた体勢です。手足が広がっていると、スムーズに放熱ができ、深部体温が下がるため、寝付きが良くなります。ただし、仰向けのまま口を大きく開けて寝ると、舌が喉に落ちてきて、気道が圧迫されてしまうためご注意ください。いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となります。
横向きは、一部の方にとっては適しています。たとえば、睡眠時無呼吸症候群の方は、横向きで寝たほうが、舌が落ちにくく症状が出にくくなります。また、腰痛がある方にとっても、足の曲げ方を調整して腰が楽な位置で眠れるため、眠りやすい体勢です。また、妊婦の方も、上になった足を軽く曲げて前に出して寝るシムス位ができるため、お腹が圧迫されず眠りやすくなります。ただし、寝返りをあまり打たない方は、横向きで寝ると左右どちらかに負担が偏ってしまいます。負担の偏りが続くと、体が歪んでしまうこともあるため、お気をつけください。
◆正しい寝方をする方法
正しい睡眠姿勢を取るために、枕や布団は自分の体に合う眠りやすいものを選びましょう。
枕は高過ぎても低過ぎても首に負担をかけてしまいます。枕を購入する際は、仰向けで寝たときと横向きで寝たときの両方で、丁度良いと感じるものを選びましょう。仰向けの場合は首が15度ほどに傾く形、横向きの場合は寝たときに頭と首が一直線になっている形が理想です。枕の硬さにもご注意ください。あまりに柔らか過ぎると、頭が沈み込んで寝返りが打ちづらくなります。
敷布団やマットレスも、寝返りを打ちやすいものがおすすめです。柔らか過ぎる敷布団は、睡眠中に体を動きづらくさせます。また、喉が圧迫されたり、腰が沈み込んで負担がかかったりすることもあり、注意が必要です。
掛け布団は、体を圧迫しにくい、軽い素材のものを選びましょう。綿布団は重みがあるため、軽くて暖かい羽毛布団がおすすめです。毛布を使う場合は、摩擦で寝返りが打ちづらくなるため、羽毛布団の上からかけてください。
睡眠時の姿勢や寝具に工夫すれば、体が休まりやすくなります。これまでの寝方を見直して、ぐっすり眠れる健康的な状態を目指しましょう。