突然めまいに襲われたら?めまいの種類と原因、対処法について(2023年10月)
近年、突然のめまいに襲われ、医療機関を受診する人が増えているといいます。誰にでも起こるおそれがあるめまいですが、症状や原因によって種類があることはご存知でしょうか? めまいの種類によっては早期治療が必要になることもあるため、いざというときのために、原因や対処法を把握しておくことが大切です。そこで今回は、めまいの主な種類とその原因、効果的な対策法について説明します。めまいに対する知識を深め、その症状に臨機応変に対処する方法を学びましょう。
◆めまいの種類
めまいは、その症状や原因に応じて異なる種類に分類されます。ここでは、主要な3つのめまいの種類に焦点を当て、それぞれの特徴や主な症状について紹介します。
・回転性のめまい
回転性のめまいとは、まるで自分や周りの物体がぐるぐると回転しているように感じる症状です。このめまいは、主に内耳のバランス感覚に関連する異常が原因とされています。そのほかにも睡眠不足やストレス、加齢など、さまざまな原因があるため、めまいの症状だけで原因の特定はできません。
典型的な症状には、ふらつき、吐き気、嘔吐、平衡感覚の喪失が含まれます。良性発作性頭位めまい症候群(BPPV)やメニエール病など、さまざまな疾患が回転性のめまいを引き起こす原因となることもあります。
・浮動性のめまい
浮動性のめまいは、自分や周りの環境が揺れているように感じる症状が特徴です。「地に足がつかない感覚」や、「足元がフワフワする感覚」と表現されます。このめまいは、脳梗塞や脳腫瘍、脳出血などの脳の病気が原因となる場合があるため注意が必要です。ストレスによって交感神経が低下すると脳の血流が悪くなり、めまいが生じる可能性もあります。
・立ちくらみのようなめまい
立ちくらみのようなめまいは、立ち上がった瞬間や急激な体位変更時に起こることがあります。これは一時的なめまいであり、通常は一過性の問題です。主な原因は、一時的な血圧の変動や脱水症状です。症状には立ち上がった瞬間にふらつきやふらつきを感じることが含まれ、通常、数分から数十秒で自然に収まります。ただし、持続的な立ちくらみのようなめまいが繰り返し起こる場合は、病院を受診しましょう。
◆めまいを伴う病気と対処法
めまいは、さまざまな疾患や病気の症状として現れることがあるため、正確な診断と適切な対処法が重要です。以下では、めまいを伴う主な病気とそれに対する対処法について説明します。
・良性発作性頭位めまい症候群(BPPV)
良性発作性頭位めまい症候群(BPPV)は、内耳から剥がれ落ちた耳石が、三半規管に入り込むことが原因で引き起こされる病気です。主な特徴は、急激な頭部の動きや体位変化によって、めまいやふらつきが引き起こされることです。回転性のめまいが1分程度持続し、安静にしていると治まりますが、再度頭部を動かすとめまいが起こります。
通常2週間から1カ月で自然治癒しますが、対処法としては耳鼻咽喉科医が行う浮遊耳石置換法と呼ばれる特殊な体位法が一般的です。耳石が正常な位置に戻るのを助け、めまいの症状を軽減します。
・メニエール病
メニエール病は、内耳に関連した慢性的な疾患で、回転性のめまい、難聴、耳鳴りなどの症状を引き起こします。内耳にあるリンパ液が増えむくんだ病態を指しますが、むくみの原因は不明です。めまい発作は突然現れ、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。めまいも数十分から数時間続くのが特徴です。
メニエール病の対処法は、点滴や服薬などの薬物療法で一時的に回復します。しかし、繰り返し起こるため、症状の重さなどに合わせて薬物療法や食事療法で対処するのが一般的です。
・脳疾患
まれに、脳卒中、脳腫瘍、脳出血などがめまいの原因となることがあります。こうした場合、早急に神経科や脳神経外科の受診が必要です。めまい以外にも手足のしびれや脱力感、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、脳卒中の疑いがあります。 めまいが脳疾患と関連する場合、原因となる病気に応じた治療が必要です。病院を受診後、手術や薬物療法、リハビリテーションなどが必要となる場合があります。
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めまいの種類や原因、突然のめまいに襲われたときの対処法などをご紹介しました。強いめまいが頻繁に起こる場合や症状が悪化する場合は、医師の診察を受けることが重要です。めまいを伴う病気にはストレスや加齢、更年期などさまざまな原因があり、症状の重症度や持続期間も異なります。慢性的なめまいに悩まされている場合は、早期の医師の診察と適切な治療を受けることが、病気の進行を抑える鍵となります。自己診断や自己治療は避け、専門医の指導を受けましょう。