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健康まめ知識

血管年齢とは?動脈硬化を防ぐために血管を健やかに保とう(2022年9月)

日本では、約4人に1人が血管の病気で亡くなっているといいます。日本人の死因で上位を占める脳卒中や心筋梗塞は、実は脳や心臓の病気ではなく、血管の病気であることはご存知でしょうか。血管年齢とは、その名の通り血管の老化具合を表したものですが、近年は実年齢以上に血管の老化が進んでいる人が増えているといいます。今回は、血管の老化が進んでしまう原因や、血管年齢を健やかに保つポイントなどをご紹介します。

◆血管年齢についての基礎知識

「人は血管とともに年を取る」といわれているように、血管は加齢とともに老化します。しかし、血管年齢と実年齢が同じとは限りません。ここでは、血管年齢の基礎知識をご紹介します。

・血管年齢とは?

血管は、老化が進むと血管の壁が硬くなったり狭くなったりします。いわゆる「動脈硬化」と呼ばれる老化現象のことで、進行すると血流が悪くなり、さまざまな病気を引き起こす原因になります。血管年齢とは、動脈硬化の進み具合を表す言葉です。

動脈硬化は、加齢以外にも食生活や生活習慣などが原因で進行してしまいます。実年齢以上に血管年齢が高い人は、血管の病気のリスクも高い状態といえるでしょう。しかし血管年齢は、生活習慣を改善すれば健やかに保つことができるといわれています。

・血管年齢があがることで生じるおそれのあるリスク

血管年齢が高くなると血流が悪くなるため、冷えや腰痛、肩こり、肌荒れなどの不調が現れます。進行が進めば、脳・心筋梗塞や深部静脈血栓症など、血管の病気のリスクも高くなってしまうため注意が必要です。

動脈硬化は、症状の悪化に気づきにくいことから、「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあります。知らず知らずのうちに動脈硬化が進み、ある日突然重大な病気を引き起こすことも珍しくありません。

◆血管年齢があがる要因

血管年齢は加齢にともない高まりますが、血管年齢は生活習慣と密接に関係しています。高脂血症(脂質異常症)や高血圧、不整脈などの生活習慣病は、動脈硬化を加速させてしまいます。そのため、生活習慣病の要因となる、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、ストレス、喫煙などの習慣は、血管年齢があがる要因であるといえるでしょう。

◆血管年齢を健やかに保つ生活習慣

動脈硬化の進行を防ぐために、血管年齢を健やかに保つ生活習慣を取り入れましょう。もっとも効果的な方法は、食生活の改善です。

・バランスの良い食事と減塩を心がける

偏りの少ない野菜中心の食事を心がけましょう。脂質や糖質の摂りすぎは、血管の細胞を傷つけたり血液の流れを妨げたりするおそれがあります。肉だけでなく、動脈硬化の予防に効果的なEPAやDHAが豊富な青魚も積極的に摂りましょう。

高血圧を予防するために、減塩に気を遣うことも大切です。体内の塩分を排出させる働きをもつ、カリウムを多く含む大豆や海藻は、意識的に食事に取り入れましょう。

・血管を強くするために運動習慣を作る

有酸素運動には、血行促進効果があります。有酸素運動やストレッチで血管に適度な刺激を与えることで、血管が強くしなやかになります。過度な運動でなく、無理なく続けることが大切です。駅まで歩いてみたり、エスカレーターでなく階段を使用したり、生活のなかにできる範囲で運動を取り入れてみましょう。

・生活習慣を見直す

睡眠不足や喫煙などの生活習慣も、血管年齢をあがる原因になります。日ごろからできるだけ早寝早起きを心がけ、自律神経のバランスを整えましょう。喫煙の習慣がある人は、自身の健康のためにも周囲の人への悪影響を避けるためにも、禁煙を検討してみてください。

血管年齢は年齢とともに高くなりますが、食生活の乱れや運動不足などで老化が進むといわれます。一方で、生活習慣の改善で血管を健やかに保つことができます。さまざまな病気の原因となる動脈硬化の進行を防ぐためにも、血管年齢を意識しながら生活習慣を見直してみましょう。

2022年09月08日