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健康まめ知識

視力の異常(2015年4月)

イラスト新年度が始まり、小学校~高校では視力検査があります。視力異常に気づく人が多いこの時期。遠視、近眼、乱視などが見つかった場合、眼鏡やコンタクトなどでの視力矯正をしての生活となります。今回は視力についてふれてみましょう。

 

 

視力低下を防ぐには

普段感じやすい視力の低下として、眼を酷使しがちな現代人は、夕方や週末になると、パソコン画面の文字が読み取りにくくなったり、遠くのものが見えにくくなったりする人が多いことがあげられます。これは夕方・週末老眼化現象といいます。こうした「ぼやけ」は、ほとんどの場合、眼のレンズの厚さを調節して焦点をあわせる筋肉の調整機能の一時的低下によるものです。また、パソコン画面など近距離を眺め続けることは、この調整筋肉がいつも緊張状態になっていることなので、長時間続けると疲労し、うまく調整ができなくなるのです。

 

イラスト1日のうち、朝はモノや文字がハッキリ・クッキリ見えますが、夕方になるとそうでもないことがあり、パソコン画面の細かい文字が読み取りにくくなったり、見るのに苦労したり、時間がかかったりなど、このような現象を夕方老眼化現象といいます。

 

月曜の朝は、モノや文字がハッキリ・クッキリ見えますが、木曜や金曜になると、パソコン画面の細かい文字が読み取りにくくなったり、見るのに苦労したり、時間がかかったり、より緊張したりします。木曜や金曜になると、近くや遠くなど、どこを見てもぼやけているような現象を週末老眼化現象といいます。

 

視力検査の受け方

視力検査で、実際より低く判断されないために前日は、翌日良いコンディションで検査を受けられるように気をつけましょう。体調不良や睡眠不足は、視力結果にも悪影響があります。視力検査はそれほど頻繁に行うものではないのですから、体調を整えて、スッキリとした視界で受けることが大切です
日中の疲れを翌日に持ち込まない工夫をし、やさしく目を労わって上げましょう。検査前日には次のようなことを心がけてください。

 

 

など、体と心をリラックスさせ、翌日の検査に備えましょう。

 

視力低下を防ぐコツ

一時的調整機能の低下を感じた時は、無理を重ねないことです。それが月曜の夕方でも、金曜の午後でも、ちょっとしたケアを取り入れて、その場で目を癒してあげてください。こうした日常的なちょっとした維持・管理が、長期的な視力低下を防ぐことにもつながります。

 

 

どれも、習慣化すれば簡単にできるはずです。そうすることで、いつもよいコンディションに視力を保つことができ、パソコンワークなどの作業効率も落とすことなく、1週間バリバリ働けるでしょう。

 

自分でできる目のケア

目を洗う薬剤は薬局で売られています。目に入った異物を除去する、花粉を除去するためには有効と思われますが、普段は涙が目を洗ってくれています。目を洗う薬剤は目の表面の涙まで除去してしまうので、異物や花粉を除去する目的以外には使用することは控えたほうがよいでしょう。目にとって一番良い目薬は涙です。涙が正常に出ている限りは、特に何もしなくても良いのです。

 

イラスト点眼薬も、病気というほどではなくとも、ドライアイや眼精疲労の強い方は手放せないでしょう。使用される場合には、あまり刺激の強いものは避けられることをお勧めします。最近はルテインやブルーベリー(アントシアニン)のサプリメントが流行しています。これらの成分は、臨床の現場でも加齢性黄斑部変性症*などには一定の効果がありますので、網膜に良いことは間違いないと考えられています。加齢性黄斑部変性症の予防や改善のために内服する、というのがもっとも理にかなった使用法です。

 

*加齢性黄斑部変性症は、年を取るとともに黄斑の働きに異常が起こり、視力が低下する加齢が原因で起こる眼の病気です。欧米では成人の失明原因の第1位、日本では第4位となっています。早い方では40代でも発症します。黄斑(おうはん)とは網膜の中央にある、ものを見るために一番重要な部分です。ものの形、大きさ、色、立体性、距離などの光の情報の大半を識別しています。この部分に異常が発生すると、視力が低下したり、ものの見え方に支障をきたすようになります。

 

2015年04月03日