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健康まめ知識

身体をほぐすストレッチでバランスの良い身体に(2014年9月)

 

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年齢とともに身体が硬くなってきた、そう感じる人は多いことでしょう。若い頃どんなに身体が柔らかくても、加齢とともに関節の稼働域は狭くなり、筋肉は弾力を失って硬くなってきます。

 

そこで必要になるのがストレッチ、つまり伸ばす運動です。しかし、ストレッチが具体的にどのような運動で、筋肉や関節にどのような効果をもたらすかということは、意外に知られていません。ストレッチを運動を専門的に行う前の準備運動だと思っている人も多いことでしょう。しかし、柔軟性は、日常生活を健康に営むためにもとても大切なものです。肩こりや腰痛、肉離れや腱の断裂を起こす原因の一つとなるのも柔軟性の欠如です。猛暑をしのいだ後に、少し身体を動かしたいという時期を迎え、そのスタートで思わぬ怪我をしないためにも、今回はストレッチについて紹介します。

 

ストレッチを行い、筋肉を伸ばすことで身体に良い影響を及ぼすことがいくつかあります。筋肉が固まっていると血管が圧迫され、血液の循環が滞ることになります。また、固まった筋肉によって神経が圧迫されて痛みを生じることがあります。肩こりもそうです。さらに股関節などが固まって身体がスムーズに動かないと、日常生活でのものの上げ下げの際に、本来なら身体全体に分散される負担が腰の一カ所に集中して腰痛を起こすということもあるのです。

 

ストレッチにより筋肉のこわばりが取れると、圧迫されていた血管が拡張し血液循環がスムーズになります。血液の流れが良くなるとコリだけでなく冷え性なども緩和され、日常生活が快適になるのです。

 

図さらに精神的にも、ストレッチの気持ち良さがリラックス効果をもたらし、質のよい睡眠とストレスの軽減をもたらしてくれます。また、筋肉のコリによって悪くなった姿勢も良くなります。パソコン作業などのデスクワークを長時間行っていると、肩や背中、腰などの筋肉が硬くなります。さらに続けると太腿の裏側の筋肉が硬くなり、この筋肉が縮むことで骨盤が引っ張られて後傾し、猫背気味の悪い姿勢になってしまいます。

 

こうした誰もが陥りがちな悪い姿勢を正すためにも、ストレッチで筋肉の柔軟性を高めることが大切です。

 

筋肉が柔軟になる仕組み

筋肉をストレッチで伸ばしても、それで筋肉が伸びっぱなしになるわけではありません。筋肉が伸びやすくなるのです。これは、材質として筋肉が伸びやすくなるという面と、力が抜けていわゆる脱力して伸びやすくなるという2つの側面があります。ストレッチを行うことで、筋肉の組織がそれに対応して一時的に柔軟性が向上するのですが、続けていくことで一時的な柔軟性が本質的に伸びやすい筋肉へと変化していくと考えられています。

 

ストレッチはいつやるのが効果的か

図運動の前にストレッチをすると良いというイメージがありますが、筋肉は暖まった状態のほうがよく伸びます。また、運動の後に溜まった乳酸を上手く流す効果も期待できるので、運動をして十分身体が暖まった後、クールダウンの一環として行うと身体の柔軟性を高めることができます。

 

さらに特別な運動をしない人、肩こりや腰痛を緩和したいという人は、お風呂上がりが最適です。お風呂で十分に筋肉が暖まったところで、気持ち良く感じる程度に筋肉を伸ばしましょう。

 

専門的に部位別に分けたストレッチの種類は1000以上あると言われますが、その中からここでお風呂上がりに布団の上で行うのに適した簡単なストレッチを数種類紹介します。

 

①肩と胸のストレッチ

できるだけ背中を真っすぐにして両手を伸ばす(10秒から20秒静止)

 

②肩の横側のストレッチ

肩にある三角筋を伸ばすストレッチ。肩の位置を動かさないように腕をクロスさせる。

(左右とも10秒から20秒静止)

 

③首横側のストレッチ

手を軽く添えて頭を横に傾ける。力を入れずに行うこと。(左右とも10秒から20秒静止)

 

④太腿内側と首と背中のストレッチ

足首を持って、足の裏を合わせる。背筋を伸ばすことで、首と背中もストレッチ。つま先を両手で持つようにすると更に効果的。(左右とも10秒から20秒静止)

 

⑤腿の内側と肩のストレッチ

④の姿勢から両膝に手を置いてさらに腿をストレッチし、肩を交互に顔の前にもってくると肩もストレッチできる。

 

⑥腰のストレッチ

左膝を立て右ひじで左膝を押しながら腰をひねる。顔を後ろに向けるように。(左右とも10秒から20秒静止)

 

ストレッチはスポーツクラブや公共施設での講習会、書籍やDVDなどでも紹介されています。運動の得手不得手や、年齢等にも関係なく誰でも自分に合った強度で行えますから、気軽にチャレンジしてみると良いでしょう。 

 

 

 

2014年08月29日