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健康まめ知識

「行 事 食」(2005年3月)

 

「行 事 食」
茨城県栄養士会 管理栄養士
廣木 智子
 
 
 
    3月(桃の祭り)
   

 「雛祭り」は桃の枝と柳の枝とを、銚子か瓶子に立て、菱餅に白酒を供えるのが慣わしでした。桃は邪気不祥を払う仙木「御酒古草(みきこぐさ)」という名もあります。

食材には鰈(カレイ)・烏賊(イカ)・田螺(タニシ)・浅蜊(アサリ)などがあります。

節句料理には、田螺の和え物(ぬた)、蛤はなくてはならぬ祝儀もの、蒸蛤・焼蛤・蛤汁・蛤飯・蛤鍋などがあります。

季節の野菜には、わらび、根干・土筆(つくし)・蓼・葉生姜・久年母・木の芽・春筍・蕗のとう・嫁菜・萵苣(ちさ)・鶯菜・あさづき・春菊などがあります。

草餅のいわれは周の国、幽王の時、草餅を作って王に献じたところ、その味がたいへんよかったので、祖霊を慰めるため宗廟に献じたところ、天下が治って民は泰平を喜んだと記されています。

草餅の形も、菱に切られるのが古習で、女の子が生まれると、初節句には菱形、2年目は扁平にした米の粉の団子に小豆餡を入れたものです。

雛壇にみる干菓子は「寒食」かんじきと言われた。冬至から百五日目、 3月節には、清明を尊ぶ心から、終日煙を上げない為、その前日から各種の食物を準備したことから干菓子が生まれたといわれている。雛あられの由来も理解できるはずです。

   
―参考図書 日本の食文化体系 3より―
    雛祭りの料理
   

散らし寿司(ご飯の具:ごぼう・干ぴょう・レンコン・干し椎茸・人参・白らす干

  トッピング:金糸卵・きぬさや・イクラ・甘酢生姜
蛤の清まし汁(蛤・菜の花・柚子)
葉ねぎのぬた(葉ねぎ・海老・砂糖・みりん・柚子)
ヨーグルトゼリーとイチゴ添え(ヨーグルト・ゼラチン・イチゴ)
    クリニカルポイント
   

ごぼう・干ぴょう・レンコン・きのこ類・・・食物繊維が多く含まれ便通を整え、またコレステロールの改善につながります。

ヨーグルト・・・・・腸内細菌が含まれ、便秘の改善につながります、またカルシウムを含み骨形成や血圧の改善に関与します。
果物・野菜・・・カリウムを多く含み、血圧の改善に関与しています。特にバナナ・キューイフルーツ・メロンは豊富です。

散らし寿司はあり合わせの具をご飯に混ぜ、金糸卵を(薄焼き卵を千切りにしたもの)をトッツピングし、きぬさや・みつば・水菜・切りのりなどを散らし、手軽にできる家庭料理です。

葉ねぎのぬたにはアオヤギ・鶏のささみ・イカなどにコンニャク・きのこを加えるのもよいでしょう。

【エネルギー562kcall たん白質 25.2g 脂肪26.5g】
   

 糖尿病の方・・・主食調整 15単位ご飯100g 18単位ご飯150g 20~23単位200g

高血圧の方・・・イクラを花人参(人参を花形にカット)、具の白すをイカなどに変更し、蛤の吸い物のスープは半分にしましょう

コレステロールの高い方・・・イクラを高血圧の方と同じ花人参に、金糸卵は 1/2個は良いでしょう

 

 

2005年03月28日