「雛祭り」は桃の枝と柳の枝とを、銚子か瓶子に立て、菱餅に白酒を供えるのが慣わしでした。桃は邪気不祥を払う仙木「御酒古草(みきこぐさ)」という名もあります。
食材には鰈(カレイ)・烏賊(イカ)・田螺(タニシ)・浅蜊(アサリ)などがあります。
節句料理には、田螺の和え物(ぬた)、蛤はなくてはならぬ祝儀もの、蒸蛤・焼蛤・蛤汁・蛤飯・蛤鍋などがあります。
季節の野菜には、わらび、根干・土筆(つくし)・蓼・葉生姜・久年母・木の芽・春筍・蕗のとう・嫁菜・萵苣(ちさ)・鶯菜・あさづき・春菊などがあります。
草餅のいわれは周の国、幽王の時、草餅を作って王に献じたところ、その味がたいへんよかったので、祖霊を慰めるため宗廟に献じたところ、天下が治って民は泰平を喜んだと記されています。
草餅の形も、菱に切られるのが古習で、女の子が生まれると、初節句には菱形、2年目は扁平にした米の粉の団子に小豆餡を入れたものです。
雛壇にみる干菓子は「寒食」かんじきと言われた。冬至から百五日目、 3月節には、清明を尊ぶ心から、終日煙を上げない為、その前日から各種の食物を準備したことから干菓子が生まれたといわれている。雛あられの由来も理解できるはずです。
|