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健康まめ知識

野菜を食べましょう(2005年7月)

 

野菜を食べましょう
社団法人 茨城県栄養士会
管理栄養士 入江三弥子
 
 
 
(1)
食物繊維の効用について
食物繊維には、以下のような効用があると言われています。
 
1
 
食物繊維摂取によって糖吸収の遅延がおこり、血糖値上昇を抑制します。またインスリンの急激な分泌をふせぎます。
2  便秘の予防・解消(整腸作用)があります。

理想的な便の量は150g位 大きさで言うと小振りのバナナ一本くらいですが、食物繊維が足りないと便の腸内での停滞時間が長くなり、毎日排便しなかったり、便の量が少なくなったりします。 しかし、摂取することによって便通の改善が行われ、ガンの予防をする可能性が高まります。それは、発ガン性物質などの有害物質の排出を促しているからだと言われています。また、母乳中のダイオキシンなどが減少傾向になるそうです。

3  高脂血症の予防改善に効果的です。

食物繊維の多い食事を取ることによって食物繊維がコレステロールや胆汁酸を吸着し便として排泄されます。そのことによって血中のコレステロールが使われ胆汁酸になりますので、血清コレステロール値が下がると言われています。

4  高血圧の予防効果があります。

ナトリウムと結合し、排出させるようです。 ただし、カルシウムも吸着し、排泄する働きもありますので、カルシウムを含む食品を、目標量摂る事が必要です。

5  胆石の予防などに効果的と報告されています。
6  咀嚼(そしゃく)の増加と唾液分泌を促進します。
7  食物繊維の摂取量が多い人は心筋梗塞のリスクが低いと言われています
 
  《 現代の食生活では食物繊維の摂取量が減少傾向です。 》
 

 平成 15 年の国民栄養調査の結果では、食物繊維源として重要な野菜の摂取量は、全国の平均で
277.5 gでした。

年齢が増えると増加傾向にあり、最も多い 60 歳代では、平均で 339 gでした。しかし、若年の摂取量が少なく 20 歳代では 249 gでした。

このような結果が出た原因を考えてみると、重要な供給源だった穀物(米)の摂取量も減ってきていますし、加えて精製された穀物は、食物繊維をあまり含んでいないのです。

若い人は、年々野菜を食べなくなってきているようなので、野菜の摂取量の多少が食物繊維量に関係しているようです。

食物繊維の総量は、 20 歳代では 12.4 g 60歳代では、 17.5 gでした。

特に 20 歳代の女性は、 12 gと少ない結果でした。ちなみに 1951 年の結果では 23 g、 1960 年には 20 g摂取されていました。現在の食事摂取基準では 20 g程度の食物繊維を摂ることを進めています。ちょうど 1960 年当時と同じく野菜や穀物を食べるように勧めていることですね。

このように、 50 年の年月を経て8gも少なくなった食生活ですが、さてどうすれば、食物繊維を十分に摂ることができるでしょうか。 1960 年代に戻るのは、至難の業でしょうか。生活習慣病の予防のためにも、米や麦を主食に芋や野菜類をたくさん摂るようにお勧めいたします。そして 規則正しい食事が健康への早道だと思います。

茨城県は、日本でも有数の農業が盛んな地域です。新鮮な地場産の野菜をたくさん召し上がって食物繊維の不足を解消しましょう。表のように食物繊維量の多い食品を上げてみました。参考にしてください。

 
表1  食物繊維の多い野菜 一覧表
食品名 食物繊維

(g)

食品名 食物繊維

(g)

食品名 食物繊維

(g)

なばな
4.2 
切り干し大根
20.7 
芽キャベツ
5.5 
あしたば
5.6 
かんぴょう
30.1 
モロヘイヤ
5.9 
5.8 
大根葉
4.0 
山ごぼう
7.0 
アスパラガス
5.3 
ごぼう
5.7 
よめな
7.8 
パセリ
6.8 
こごみ
5.2 
らっきょう
21.0 
枝豆
5.0 
しその実
8.9 
わらび
3.0 
のびる
6.9 
ささげ
4.2 
しめじ
3.2 
グリーンピース
8.6 
春菊
3.2 
なめこ
3.3 
オクラ
5.0 
ズッキーニ
4.3 
エリンギ
4.3 
からしな
5.0 
ゼンマイ(干)
5.2 
わかめ
5.1 
西洋カボチャ
4.1 
蕗のとう
6.4 
昆布(干)
27.1 
「五訂日本食品標準成分表」による

 
野菜を使った料理例 

4品合計で 11.26 gです。

野菜のごま酢和え

1人分食物繊維量 1.8 g

材料 (5人分)
キャベツ・・・250g 
塩蔵わかめ・・・35g
きゅうり・・・80g
あら塩・・・0.8g
白練りごま・・・20g
砂糖・・・12g
しょうゆ・・・20g
酢・・・22g
だし汁・・・20g    
作り方
1

塩蔵わかめは塩抜きし食べやすい大きさに切る。キャベツはざく切りにし、茹でてさます。きゅうりは輪切りにし、あら塩で水だしをする。

2
鍋に水・だしを入れ沸騰させ、だし汁をとり冷ます。調味料を加え調味液を作る。
3 わかめ・キャベツ・きゅうりを調味液とあえる。
 

【サラダうどん】 1人分食物繊維量 1.1 g
材料 (5人分)
うどん ( 冷凍 ) ・・・250g
錦糸卵・・・100g
きゅうり・・・80g
乾わかめ・・・3g
カニカマボコ・・・20g
サニーレタス・・・60g
長ネギ・・・20g
白すりごま・・・5g
おろし生姜・・・10g
おろしにんにく・・・3g
しょうゆ・・・30g
酢・・・30g
酒・・・6g 
ごま油・・・10g
豆板醤・・・2g 
砂糖・・・6g
だし汁・・・30g    
作り方
1

わかめを戻す。うどんをボイルし冷ます。きゅうりは輪切り、サニーレタスはざく切り、長ネギはみじん切りにする。
錦糸卵を作る

2
鍋でだし汁をとる。調味料・長ネギを加え、味を調え冷ます。
3 わかめ・うどん・錦糸卵・カニカマ・きゅうり・サニーレタスを混ぜ合わせ、調味液であえる。

【かぼちゃのいとこ煮】 1人分食物繊維量 5.22 g
材料 (5人分)
かぼちゃ・・・400g
ゆで小豆缶・・・120g
作り方
1

かぼちゃは種を取り除き、1かけら40g程度の大きさに切る。

2

鍋に水を入れかぼちゃをを茹でる。

かぼちゃに火が通ったら、茹で小豆を加えさっと絡める。


【切り昆布の煮物】 1人分食物繊維量 3.14 g
材料 (5人分)
切り昆布・乾燥・・・15g
がんもどき 25g ・・・250g
にんじん・・・150g
こんにゃく・・・150g
サラダ油・・・6g
だし汁・・・300g
酒・・・15g
砂糖・・・15g
しょうゆ・・・40g    
作り方
1

にんじんは乱切り、こんにゃくは短冊切りにし、昆布は戻す。

2
こんにゃくは下ゆでする。
3 鍋にサラダ油を熱し、にんじん・こんにゃくを炒め、だし汁を入れ沸騰させる。
4 にんじんに火が通ったら、がんもどき・切り昆布・調味料を加え煮る。
 
     
     

 

 

2005年07月28日