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健康まめ知識

「健康の食事」(2005年11月)

 

「健康の食事」
社団法人 茨城県栄養士会

小林 智子

 
 
 
 大方の人は1日3食の食事をほぼ規則正しく摂り、日々繰り返される食事が健康とかかわりを持っていることを、おぼろげながら理解しつつ生活を続けていると思います。健康を損なってはじめて毎日の食事がいかに大切なものかを知るという方もいるはずです。

「食べること」は、人間にとって欲求のひとつです。その欲求を制限されることは、とてもつらいことです。ある期間、あるいは場所によっては生涯になるかもしれない自制の食生活。しかも、今日食べたから、あるいは食べなかったからといって、すぐに結果のでないのが食事です。ある一定期間の経過がなければ、それなりの結果が望めません。健康と食事の深いかかわりや社会環境・文化と密接につながる食生活を理解し、より健康な生涯を送るために私たちの道しるべとなるものが「食生活指針」です。

私たち一人ひとりの健康増進、生活の質の向上、食料の安定供給の確保などを図ることを目的にした「食生活指針」は文部省(現 文部科学省)、厚生省(現 厚生労働省)、農林水産省によって共同で平成12年3月に策定されたものです。10項目からなる「食生活指針」は食料の生産流通から食卓、健康へと幅広く食生活全体を見渡した内容です。実践のための具体的な方策も示されています。

食生活のあり方は、ライフスタイルや家族形態等と深くかかわっています。「食生活指針」は食生活に関する問題の解決の糸口を示すものです。家族や仲間と豊かで健康な暮らしを実現させるために「食生活指針」の活用をお勧めいたします。

<食生活指針の内容>
食事を楽しみましょう。
 
  • 心とからだにおいしい食事を、味わって食べましょう。
  • 毎日の食事で、健康寿命をのばしましょう。
  • 家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう。
1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
 
  • 朝食で、いきいきした1日を始めましょう。
  • 夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。
  • 飲酒はほどほどにしましょう。
ごはんなどの穀類をしっかりと。
 
  • 穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。
  • 日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。
野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
 
  • たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
  • 牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。
食塩や脂肪は控えめに。
 
  • 塩辛い食品を控えめに、食塩は1日10g未満にしましょう。
  • 脂肪のとりすぎをやめ、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
  • 栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。
適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
 
  • 太ってきたかなと感じたら、体重を量りましょう。
  • 普段から意識して身体を動かすようにしましょう。
  • 美しさは健康から。無理な減量はやめましょう。
  • しっかりかんで、ゆっくり食べましょう。
食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
 
  • 地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。
  • 食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。
  • 食材に関する知識や料理技術を身につけましょう。
  • ときには新しい料理を作ってみましょう。
調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
 
  • 買いすぎ、作りすぎに注意して、食べ残しのない適量を心がけましょう。
  • 賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。
  • 定期的に冷蔵庫の中身や家庭内の食材を点検し、献立を工夫して食べましょう。
自分の食生活を見直してみましょう。
 
  • 自分の健康目標をつくり、食生活を点検する習慣を持ちましょう。
  • 家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。
  • 学校や家庭で食生活の正しい理解や望ましい習慣を身につけましょう。
  • 子どものころから、食生活を大切にしましょう。
 

 

 

2005年11月28日