大方の人は1日3食の食事をほぼ規則正しく摂り、日々繰り返される食事が健康とかかわりを持っていることを、おぼろげながら理解しつつ生活を続けていると思います。健康を損なってはじめて毎日の食事がいかに大切なものかを知るという方もいるはずです。
「食べること」は、人間にとって欲求のひとつです。その欲求を制限されることは、とてもつらいことです。ある期間、あるいは場所によっては生涯になるかもしれない自制の食生活。しかも、今日食べたから、あるいは食べなかったからといって、すぐに結果のでないのが食事です。ある一定期間の経過がなければ、それなりの結果が望めません。健康と食事の深いかかわりや社会環境・文化と密接につながる食生活を理解し、より健康な生涯を送るために私たちの道しるべとなるものが「食生活指針」です。
私たち一人ひとりの健康増進、生活の質の向上、食料の安定供給の確保などを図ることを目的にした「食生活指針」は文部省(現 文部科学省)、厚生省(現 厚生労働省)、農林水産省によって共同で平成12年3月に策定されたものです。10項目からなる「食生活指針」は食料の生産流通から食卓、健康へと幅広く食生活全体を見渡した内容です。実践のための具体的な方策も示されています。
食生活のあり方は、ライフスタイルや家族形態等と深くかかわっています。「食生活指針」は食生活に関する問題の解決の糸口を示すものです。家族や仲間と豊かで健康な暮らしを実現させるために「食生活指針」の活用をお勧めいたします。