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健康まめ知識

「高齢者の栄養と低栄養予防について」(2005年12月)

 

「高齢者の栄養と低栄養予防について」
社団法人 茨城県栄養士会

矢代あや子

 
 
 
 幼児から高齢者まで、「食べる」ことは大きな楽しみの一つです。

1日中テレビの前でお菓子をつまんだり、お茶を飲んだりしていると三度の食事がきちんと食べられなくなってきます。

食欲の低下により食事摂取量が減り栄養が不足しやすくなります。体重が徐々に減ってきたら要注意!低栄養状態(主にエネルギーやたんぱく質が不足した状態)になると、病気が治りにくい、認知症が進行する等の症状がでてきます。

予防のためにはまず、主食(ご飯やパン、麺類)や主菜(肉・魚・卵・大豆製品)をしっかりと食べるようにしましょう。
高齢者の体の特徴を考慮した、食べやすく飲み込みやすい食事の工夫をし、充分な栄養が補給できるように努めてまいりましょう。

1.
のどの通りを滑らかにする、のどごしの良い形にしましょう。
 
 唾液の分泌量が減り、嚥下(飲み込む力)が弱まります。食べ物がのどに詰まったり、気管に入ってしまわないように、汁気を多めに作ります。食材によってはつぶしたり、すり下ろす、裏ごしする、刻んで煮込んでからとろみをつけると食べやすくなります。
 
2.
入れ歯でも噛みやすい形にしましょう。
 
 あごの力が弱くなったり、入れ歯だったりして、噛む力がなくなってきます。噛みにくい肉や、繊維の多い野菜は小さく切りましょう。一口大の食べやすい大きさに切ったり、隠し包丁を入れ柔らかく調理すると噛まなくても歯ぐきや舌しつぶせるようになります。
 
3.
消化しやすい柔らかい形にしましょう。
 
 噛む力とともに、消化力も落ちてまいります。野菜や肉は柔らかく火をとおしましょう。圧力鍋を使用すると、短時間で肉や野菜が柔らかくなります。食材に応じて加熱時間や加圧時間を調整して調理しましょう。
 
4.
箸やスプーンでもつかみやすい形にしましょう。
 
 細かく刻んだ野菜や肉、表面がつるつるしている里芋などは箸ではつかみにくいものです。

あんをかけたり、スプーンの裏で押しつぶしたりするだけでも食べやすくなります。めん類等はスプーンにのる長さに切ってから調理すると食べやすくなります。

 

 

 

2005年12月28日