「食品の安全性」を守る(2006年1月)
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スクレイピー(BSEと同じ症状を起こす羊の病気)で大量死した羊の屍骸を肉骨粉として牛の安い飼料としたことが、
羊 ( スクレイピー ) → 牛(BSE) → 人 ( 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 )
の連鎖に繋がったといわれています。
また、 1973 年の第一次オイルショックの石油高騰により、レンダリング ( 肉骨粉製造時の煮沸処理 ) の温度を 100 ℃以上から 80 ℃に下げたことも、発生を拡大した一因ではないかといわれています。
1984 年イギリスのミッドファーストという小さな村で、初めて確認された牛のBSE。イギリス政府がきちんとした対策を講じなかったがために、 2001 年時点で 106 名の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症をみる結果となってしまいました。コスト削減と効率性ばかりを追及した結果、BSEが発生してしまったと言えるでしょう。
A.
オーストラリア産牛肉の安全性は非常に高いといわれています。以下の予防を早手回しにやっている事からです。
(1)1952 年から生きた羊とやぎの輸入を禁止
(2)1966 年から肉骨粉の輸入を禁止
(3)1999 年から国内の肉骨粉使用も禁止
< 参考 > 日本の肉骨粉の使用禁止は、 2001 年 10 月(国内1頭目BSE感染牛発生直後)からです。 また、米国では現在も鶏や豚に安価で効率よい飼料として牛の肉骨粉が使用されており、食品安全委員会も肉骨粉の全面使用禁止を米国に求めています。 |
食品の安全性を守るには、「消費者の高い見識」が不可欠です。 |
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食品の安全性を守るには、安全な食品を作る生産者を守り育てる気持ちが不可欠です。スローフード運動や、地産地消運動の思想とも符合します。 安くて良いものも確かにあります。しかし一方、安価ではあるが、安全性に欠ける食品もたくさんあります。安さばかりを求める消費者が多ければ、安全性を第一に考える生産者は育ちません。 無農薬・減農薬野菜、無添加食品は、コストがかかるものが多いのです。安全性を高めるには、長期間にわたる、消費者の投資が必要です。 食品の履歴を確認できるトレイサビリティーの仕組みも日本で導入され始めています。知りたい情報が少しずつ入手可能になってきています。(仕組みの運営にかなりのコストがかかります。国や生産者、消費者もその費用を分担することになりそうですが、安全、安心のために必要な投資ですね。) 今回の牛肉問題も、長い目で安全を監視し、問題意識を持ち続けたいものです。 食の安全確保は、未来の子どもたちへの贈り物です。目先の利益に惑わされず、守っていきたいものです。 |