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健康まめ知識

赤ちゃんと虫歯(2006年6月)

 

赤ちゃんと虫歯

社団法人 茨城県栄養士会

寺門久美子
 
 
 

赤ちゃんには虫歯はありません

  生まれたばかりの赤ちゃんに歯がないので、当たり前ですネ。

赤ちゃんが5~6ヶ月位になると、離乳食を食べ始めます。離乳食は、初めはドロドロ状に仕上げ、次に舌でつぶすことのできる柔らかさの粒状に、そして歯ぐきでかめる程度の噛みごたえのある形に変えていきます。その頃には乳歯がはえてきます。

離乳食を、お母さんが口に入れて、カミカミして食べさせることがあります。これはお母さんの口の中のバイキンも一緒に食べさせることになり、やがて赤ちゃんが虫歯になってしまいます。

  虫歯は、歯の表面のエナメル質や、その内側のぞうげ質が侵されて、内部に向かって穴が空いた状態をいいます。

乳児は、エナメル質やぞうげ質の層が薄いために、虫歯の進行が速く、普段からのケアが大切です。初期の虫歯は、痛みがないので発見は難しいのですが、歯の一部の色が黄褐色になってきます。子どもが物を食べるときに、噛むのを嫌がる、熱い物や冷たい物がしみているときなどは要注意です。そのまま放っておくと、激しい痛みと共にあごの下のリンパ腺が腫れることがあります。

虫歯になると、痛みのため歯の噛み合わせが悪くなったり、あごの筋肉の発達に影響を及ぼしますし、発育に必要な栄養が十分にとれなくなります。

〔起きる原因〕

  歯質、糖分、虫歯菌(ミュータンス菌)が原因で虫歯になります。虫歯菌は糖分をエサとして、デキストランという歯垢を作ります。歯に付着した歯垢の中では虫歯菌によって酸ができ、これが歯の表面のエナメル質を溶かします。

〔予防と治療法〕

  赤ちゃんの時から薄味に慣れさせることです。三度の食事はバランスの取れたものをおやつは、ケーキ、おまんじゅう、甘みの強いジュース、あめ、アイスクリーム、チョコレートなどの糖分の多いものは避け、せんべい、さつまいも、りんご、にぼし、こんぶ、するめなどを、それぞれ時間を決めて与えるといいでしょう。

  乳歯が生え揃ってきたら、歯を磨くようにします。子どもが歯磨きをしたら、お母さんの膝のうえに子どもの頭を乗せて、「寝かせ磨き」をしましょう。そして、良くできたことをほめてあげましょう。

  予防には、食後と夜寝る前には歯を磨くものだという意識づけと習慣が大切です。フッ素を塗ったり、奥歯の小さなくぼみをシーラント(液状プラスチックの充填剤)でおおう方法もあります。

  治療としては、初期ならば進行止めの薬を塗ります。黒い色が多少つきますが、よく磨けばそれ以上の進行を防げます。

  食事は食物繊維の多い、ごぼう、れんこんなどの根菜類や、骨まで食べられる小魚など、噛みごたえのある食品を取り入れ、よく噛んで食べる習慣をつけましょう。

 

 

 

2006年06月28日