子どもの食物アレルギーと食物除去について(2006年12月)
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食物アレルギーと診断されても、一般的には、小学校に入るまでにはほとんどの子が食物制限を必要としなくなります。特に食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎は3歳以降は急速に減少するといわれています。 実際、卵アレルギーでも3歳を過ぎると食べ過ぎなければ、症状がでない子どもが多いとも聞いています。 しかし、いつかは治るのだからといって、原因食物を食べ続けていると、なかなか症状が良くならないのも真実です。 食物除去を行う場合は、主治医の判断に従って必要最低限の制限を必要期間のみ行うのが原則です。決してお母さんの自己判断で行わないで下さい。 検査と食物日誌から食物アレルギーと診断されたら、ある一定期間は食物除去を行います。 その間、代替食物について医師から十分な説明をうけ、食物日誌をつけながら栄養バランスに気をくばり、食物除去を続けることが大切です。 特に、乳児では市販のベビーフードは控え、食物内容がわかる手づくり離乳食にし、必要に応じて新たな食材を追加しながら食物除去を続けます。 幼児の場合は、食べ物を制限することによる精神的ストレスを念頭において食物制限をしなければなりません。 食べ物を制限することによって、一時的に症状が良くなっても、食べられないストレスが強くなると、さらに症状が悪化してしまうことがあります。 食べることによって多少症状が悪くなっても、得られる満足感が勝るなら多少は食べてもよいなど、ケース・バイ・ケースの対応を主治医とよく相談しましょう。 ★ 食物除去の注意点 除去食療法のポイント
★食物アレルギーと給食について食物制限のために皆と同じ給食が食べられないということは、子どもにとって大きな心理的負担になります。 食物制限のある場合は、食物アレルギーについて、園や学校側の理解と協力が不可欠です。同級生には担任から理解と協力が得られるよう説明してもらいます。 除去給食を行う場合は、「人には色々な悩みや苦手なことがあります。○△さんは皆と同じ給食が食べたいのだけれど、お医者さんから食べてはいけないといわれている食べ物があります。本当は全部食べたくても少ししか食べられないことをわかってあげましょう。」 除去給食が不可能な場合は弁当持参となりますが、その場合は 「しばらくの間、お弁当で頑張ると、きっと皆と同じ給食が食べられるようになるので応援しましょう。」などと学校の先生に説明していただくとよいでしょう。 お弁当の場合は、あらかじめ給食の献立表をみて、給食と似た内容の除去食弁当を持たせる気配りをすることも大切です。 しかし、食物アレルギーは5~6歳になるとかなり症状が軽くなり、多少なら食べても症状がでないこともあります。 多くは、牛乳だけが飲めない場合や、特定の食物だけを食べなければよい場合がほとんどです。 残す必要があることを前もって皆に理解しておいてもらえば、給食を食べることができます。 しかし、そばアレルギーの子は命に関わることがあるので、そば給食の日には弁当を持参しましょう。 |