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健康まめ知識

ストレスで白髪は増える?気になる白髪のメカニズムと対策法(2022年3月)

年齢を重ねるごとに、髪に関する悩みは増えるもの。なかでも白髪は、身近な老化現象の一つとして知られています。加齢のサインというイメージが強いため、男女を問わず、白髪を気にする人は多いのではないでしょうか。しかし昨今は、20代でも白髪に悩んでいる人も多いといいます。今回は、白髪が生えるメカニズムと原因、おすすめの対策法などをご紹介します。

 

◆白髪が生えるメカニズムとは?

髪の色は、毛根部分にあるメラノサイト(色素細胞)から作られるメラニン色素によって決まります。メラニン色素は、「ユーメラニン(真メラニン)」と「フェオメラニン(亜メラニン)」の2種類に分けられます。アジア人の髪が黒色なのは、ユーメラニンが多いためです。メラニンが少ないとブロンドの髪色になり、フェオメラニンが多いと黄赤色系の髪色になります。

白髪は、どちらのメラニンもほとんど含まない状態を指します。もともと毛根で作られたばかりの髪の毛は白髪であるため、メラノサイトの機能が衰えたり、メラニン色素が作られなくなったりすると、白髪のまま生えてくるのです。

 

◆白髪の原因とは?

白髪になる原因はいくつかありますが、断定するのは難しいといわれています。主な原因としては、以下のものがあげられます。

 

・加齢

白髪になる最も大きな原因は、加齢です。年齢とともにメラノサイトの機能が衰え、メラニン色素が作られなくなってしまうため白髪になります。また、メラノサイトがメラニン色素を作る際に必要なチロシナーゼという酵素は、加齢によって減少することが明らかになっています。白髪の生え始めの時期や量には大きな個人差があるため、一概に何歳以上になると白髪が生え始めるとはいい切れません。

・栄養不足

髪の毛は「ケラチン」という、数種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質によって構成されています。また、メラニン色素を黒い色に変えるメラノサイトの働きを活性化させるのは、ミネラルの役目です。そのため、タンパク質やミネラルが不足すると、白髪や抜け毛などにつながる恐れがあります。

・ストレス

心身的にストレスがかかると、毛細血管が収縮した状態になります。それが頭皮の毛細血管にまで及ぶと、毛根に酸素や栄養が行き届きにくくなります。すると、白髪など髪のトラブルにつながってしまうのです。ストレスと白髪の関係は長年注目されており、科学的に解明されつつあります。

・遺伝的な要因

白髪は、遺伝的な要因も関係していると考えられています。そのため、同じ年齢の人が同じ環境で過ごしたとしても、白髪の生えやすい人と生えにくい人がいます。とくに若白髪に関しては遺伝的な要因が考えられ、親が若白髪の場合、その子どもも若白髪になる可能性があるようです。

◆おすすめの白髪対策法

白髪を減らしたり予防したりできる特効薬などは、未だ作られていません。白髪を防ぐためには、原因として考えられるものを取り除く必要があるといえます。たとえば、ストレスによってメラノサイトの働きが妨げられている場合、ストレスを取り除くことで黒い髪の毛が生えてくる可能性もあると考えられています。

タンパク質やミネラルを意識して栄養バランスのとれた食事を摂り、十分な睡眠を心がけましょう。また、日々の生活に適度な運動や趣味を楽しむ時間を取り入れるなど、ストレスをためない生活を送ることも大切です。

白髪は抜くと増えるという噂もありますが、科学的な根拠はありません。気になる場合は白髪を抜かずに、カットするか染めて対処することが望ましいといえます。

 

白髪は加齢の影響もあり、誰もが避けては通れない老化現象の一つです。一本でも見つけると気になってしまうものですが、白髪を気にすること自体がストレスになってしまうこともあります。可能な限り白髪を増やさないよう規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけ、頭皮・毛髪の健康にも気を配りましょう。

2022年03月01日