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健康まめ知識

長引く鼻水に要注意!慢性化する前に知っておきたい副鼻腔炎について(2022年2月)

風邪や花粉症で大量の鼻水が出ると思っていたら、粘り気のある鼻水や鼻づまりが長引いたり、匂いが分からなくなったりした経験はございませんか? つらい鼻の症状が長引く場合は、副鼻腔炎(ふくびくうえん)を起こしてしまっている可能性があります。放っておくと慢性化し、治療が困難になるため注意が必要です。今回は、副鼻腔炎の基礎知識や、予防法などをご紹介します。

◆副鼻腔炎とは?

副鼻腔炎は風邪や花粉症と併発することも多く、見分けるのが難しいため、自分が副鼻腔炎に罹患していることに気づかない人も多いといいます。まずは、副鼻腔炎の原因と症状を確認してみましょう。

・副鼻腔炎の原因

副鼻腔とは、鼻の穴(鼻腔)と小さな穴でつながる形で顔の左右に広がる、4対(計8つ)の空洞のことを指します。眉間あたりにある「前頭洞(ぜんとうどう)」、目の間の「篩骨洞(しこつどう)」と、その奥あたりに位置する「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」、頬に広がる「上顎洞(じょうがくどう)」です。

副鼻腔炎は、副鼻腔に何らかの原因で細菌やウイルスが入り込むことで起こります。副鼻腔炎のもっとも多い原因は、細菌やウイルスの感染によるものです。風邪などによって鼻腔が炎症を起こし、副鼻腔につながる穴が塞がってしまうと、副鼻腔内の粘液の排出が困難になります。そうすると副鼻腔内で炎症が進み、粘膜が腫れたり膿が溜まったりしてしまうのです。

・副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎の主な症状は、鼻水や鼻づまり、鼻水が鼻の奥からのどに垂れ落ちる後鼻漏などです。透明のサラサラした鼻水ではなく、濁ったドロドロした鼻水が特徴です。風邪の症状と似ているため判別が難しく、副鼻腔炎になっていることに気づかない人も多いといいます。副鼻腔のある両目の奥の方や頬に痛みを感じる、匂いがわかりにくいといった症状がある場合は、副鼻腔炎を併発しているおそれがあります。

発症から4週間以内の副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」、3カ月以上長引くと「慢性副鼻腔炎」と診断されます。慢性副鼻腔炎になると、鼻の中に鼻茸(はなたけ)と呼ばれるポリープができることがあります。薬治療で直らない場合は、入院を伴う手術が必要になるため注意が必要です。ドロドロした鼻水が長引き、嗅覚に異常を感じた場合は早めに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

◆治りにくい慢性副鼻腔炎に注意!

近年、細菌感染による慢性副鼻腔炎とは異なるタイプの、「好酸球性副鼻腔炎」が増えてきています。こちらは好酸球という白血球の一種がかかわる、難治性の慢性副鼻腔炎です。好酸球が副鼻腔内で過剰に活性化することが一つの要因と考えられていますが、その原因ははっきりとはわかっていません。

好酸球性副鼻腔は鼻の中に鼻茸が多くできやすく、嗅覚障害が起こったり、粘度の高い鼻水が出たりするのが特徴です。治療ではステロイドが処方されるほか、鼻茸を除去する手術が必要になる場合があります。症状が悪化する前に、早めに医療機関の受診を検討しましょう。

◆副鼻腔炎の予防法と注意点

副鼻腔炎を予防するためには、大前提として風邪を引かないように心がけることが大切です。万が一引いてしまった場合は、十分な睡眠と休養をとり、早めの回復に努めましょう。

鼻づまり解消のために市販の点鼻薬などを使用すれば、一時的に鼻づまりは解消されます。しかし、原因が取り除かれないまま使い続けると、症状の悪化にもつながりかねません。長期的な使用は控えて、医師にご相談ください。

副鼻腔炎の原因や症状、予防法などをご紹介しました。副鼻腔炎を放置すると慢性化し、治療が長期化したり手術が必要になったりする場合があります。副鼻腔は目や脳に近い部位で、まれに重篤な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。鼻水・鼻づまりが長引いたり、嗅覚に異常を感じたりした場合は放置せず、病院で正しい治療を受けましょう。

2022年02月01日