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健康まめ知識

運動には最適の季節です。でも、気をつけなくてはいけないことも。(2012年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
運動には最適の季節です。でも、気をつけなくてはいけないことも。

猛暑の夏も終わり、やっと秋らしい風が吹いてきました。あまりの暑さで、夏の間動かすことをしていなかった身体を、思う存分鍛えるのにはもってこいの季節です。しかし、その前にすこし自分の身体がどうなっているかを確認してみましょう。夏の間、油分や糖分、そして塩分の多い食べ物を摂り過ぎて、血圧が上がったり、太ったと感じてはいませんか?

生活習慣病の予備軍にならないためには、とにかく食事と運動は大切です。でも、やみくもにダイエットをしたり、いきなり負荷の高い運動をすると、思わぬ故障を起こしてしまうことにもなりかねません。良かれと思っても、立ち直るのに時間がかかってしまっては、せっかくの努力が水の泡です。そこで今回は、スポーツの秋に運動を始めるときに気をつけておきたい事を紹介します。

 
     

 

運動で身体を整えるために
 

1.十分な休養時間

2.効果的な栄養補給

3.必要なボディケア

運動を行うと、身体には負荷がかかり疲労が残ります。その疲労が身体にメッセージを送り、身体が回復するためのシステムを動かすことになります。そのバランスを上手にとっておかなければ、どこかに問題が発生してしまいます。運動で身体を鍛え、そして体調を整えるためにこの3項目を意識しておきましょう。

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1. 休養に関して
 

毎日続けて運動をするよりも、1日運動したら、2日から3日休んでまた運動をした方が、運動の効果が得られやすいという生理的な現象があります。休養をとらずに、あせって運動を毎日続けると、疲労が筋肉や関節に蓄積されて故障や怪我の原因になることも多々あります。特に、運動する習慣から離れて久しい人は、あせらずに疲労回復を待ってから運動しましょう。特に若い頃、運動部に所属して筋肉の痛みに耐えて頑張って強くなったという経験のある人は、どうしても無理をしがちです。身体に鞭打ち痛みに勝つことで、最大の運動効果を得られるという思い込みは危険です。

2. 効果的な栄養補給
 
自然界で生きる野生動物の食事をイメージすると分かりやすいものがあります。野生動物は、食べ物を煮たり焼いたりせず生で食べます。生息域に近い所にいるものを捕らえて食べます。そのとき、その場所にあるもの、いわゆる旬のものを食べているわけです。
 人間は、食べ物を安全に、そして美味しく食べるために、材料を煮炊きすることを覚えました。新鮮でない食物もこうすれば、食べる事ができるわけです。しかし、生の食材がもっている消化酵素は、加熱調理によって不活性化されるものもあります。つまり加熱調理した食べた物を消化するのには、自分の体内にある消化酵素を大量に使う事につながり体力を消耗します。たくさん食べ過ぎて「疲れた」と感じることはありませんか?それにはこのような理由があります。食後に横になると牛になると子供の頃に言われたりしたものですが、実は食事の後に身体を動かさずにじっとしていることは、消化を助けるためには大切なことなのです。そして身近なところで採れるできるだけ新鮮な食物を、火を使わずに調理することは身体に負担をかけずに効果的に栄養補給をすることにもなります。 イラスト
3. 必要なボディケア
  運動の激しさや個人によって異なりますが、運動が激しければ激しいほど必要性が高まります。放っておくと怪我や疲労が慢性的な障害へと悪化してしまうことにもなります。中高年の運動ということに限定すれば、疲労や痛みが運動後に強く残る場合は、それを我慢しないということが大切です。運動後に「ああ疲れた」と感じるときは運動強度、つまり身体にかかるストレスが大きい場合があります。さらに、運動後に2日も3日も疲労が残るようでは、明らかに運動強度が高すぎますので運動後のケアが必要です。運動した後に「ああ気持ちよかった」と終えられるようならば、自分で行うストレッチでも十分にケアできます。
 

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ストレッチで、筋肉を延ばしていくとその刺激で、コラーゲンを作る「繊維芽細胞」という特別な細胞が活性化され、古いコラーゲンを壊して新しいコラーゲンに置き換えてくれるといわれます。さらに、ストレッチにより血管の筋肉も柔らかくなり、動脈硬化が改善されるということが、最近の研究で分かってきています。

ただし、痛みが永く続く場合は、自分でなんとかしようとは思わず、早めに整形外科などの専門医に相談しましょう。

  以上のことに注意して、無理をせずにスポーツの秋をおおいに満喫しましょう。

 

2012年10月28日