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健康まめ知識

乗り物酔いを撃退して、 快適な行楽シーズンを(2008年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
乗り物酔いを撃退して、

快適な行楽シーズンを

 不安定な気候が続きましたが、木々の芽もまぶしい新緑の季節になりました。大型連休・ゴールデンウィークには各地へお出かけの計画を立てている方も多いかと思います。せっかくの旅行の楽しみも、乗り物に酔ってしまうと半減してしまいます。今回は、乗り物酔いのメカニズムと予防策についてお話します。
 
     

 

乗り物に「酔う」原因とは
 
  揺れの激しい乗り物に乗っても平気な人もいれば、バスに乗っただけで気分の悪くなってしまう人もいるほど個人差の激しい乗り物酔い。その大きな原因は「身体のバランス」にあると言われています。身体のバランス、つまり平衡感覚を保つために重要なのが耳の奥(内耳)にある三半規管という器官で、ここから身体の位置の変化や運動による重力の変化が脳に送られます。この情報と目などから入った情報を統合して、脳は身体のバランスを保とうとしますが、乗り物の揺れや急発進などの動き・加速が加わると感覚に誤差が生じ、吐き気などを引き起こしてしまいます。
   
子供に多い乗り物酔い
   一般的に、成長期の子供(3歳~思春期)には乗り物酔いが発生しやすいと言われています。その原因ははっきりしていませんが、乗り物に慣れていないこと、大人より感覚が敏感で頭が不安定なこと、そして心理的な要因が大きいのではないかと言われています。心理的な要因とは、いわゆる「思い込み」や「苦手意識」などの自己暗示であることが多く、例えば一度バスに酔ってしまったせいで「自分は乗り物に酔いやすい」、あるいは周りが「この子は乗り物に弱い」と意識してしまい、その不安が悪影響になってしまうというものです。この場合は、酔い止めの薬を飲む、揺れの少ない中央部に座る、など「こうすれば大丈夫」という攻略法で(実際の効果に関らず)暗示をかけてみるのもひとつの手です。
   
乗り物酔いを防ぐには
   先にお話ししたように個人差の大きい乗り物酔いですが、同じ人・同じ環境でも、体調によってさらに差が出ます。そして、大人の場合も子供と同じく「心理的要因」が意外と大きく関係するものです。以下に挙げる対処法を参考に、自分なりの攻略法を見つけてください。

睡眠・朝食をしっかりとる
 

 旅行の前日やお出かけ前の朝は、準備などで何かと時間がなくなりがちですが、睡眠不足や空腹は体調不良のもと。体調管理が万全なら、乗り物酔いへの抵抗力も高まると意識しましょう。ちなみに、満腹状態もよくないので出発直前の食事は控えましょう。

車内の「匂い」に気をつける
 

 匂いは感覚を刺激し、酔いの原因のひとつとなります。自家用車で出かける場合は、香りのつよい芳香剤は避け、事前に掃除をしてタバコやカビの匂いを抑えておきましょう。ガソリンの匂いも刺激となるので、給油はあらかじめ済ませておくといいでしょう。

スムーズな運転で揺れを軽減させる
 

 こちらも自家用車で出かける場合、急発進や急ブレーキなど、急激な力の加わる運転に気をつけて。安全運転は心の余裕にもつながり、リラックスすることで酔いの発生も軽減します。また、可能であれば自分が運転すると動きが予測できるので酔いにくくなります。

こまめに休憩をとる
 

 長時間の乗車になる場合は、意識的に乗り物から降りる機会を増やすこと。外の空気を吸い、遠くの景色を眺めたりストレッチをしてリフレッシュしましょう。また、安全かつ安定した楽な姿勢がとれるのであれば、移動中は眠ってしまうのもアリです。

車内の環境を快適に
 

 蒸し暑い車内や空気のよどんだ空間は、誰でも気分が悪くなるもの。換気に気をつけ、爽やかな環境をつくりましょう。雑誌をみたり、ゲームをしたり、テレビやDVDを観賞するのも酔いの原因のひとつ。近くのものを凝視すると酔いやすく、カーブやブレーキなどの動きも予測できなくなります。目からの刺激は極力抑え、目を閉じたり色の濃いサングラスをかけるのも効果があると言われています。

酔い止めのツボを刺激する
 

 手のひらを上に向け、手首の中心から約3cmひじ側にある内関(ナイカン)というツボを刺激すると、自律神経の働きを整える効果があります。ここを指で押したり、カーショップなどで購入できる「酔い止めバンド」を利用する方法もあります。

窮屈な服装、体勢をしない
 

 なるべくゆったりとした服装で出かけ、車内では頭をヘッドレストにもたれさせた楽な姿勢を。ベルトや靴、帽子などはなるべく脱ぐかゆるめに着用しましょう。

   
 

これらの方法は、効果にも個人差があるので確実ではありませんが、少しでも快適に楽しむためには気をつけて欲しいポイントです。それでも酔ってしまった場合は、乗り物を降りて炭酸飲料などのさっぱりとした飲み物を飲んでリフレッシュ!ちなみに、人間だけでなくペットも乗り物酔いをします。一緒に連れて行く場合はペットにも気を配ってあげましょう。体調良好で、楽しいお出かけを楽しんでくださいね。

 

 

2008年05月28日